コンクリート構造学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 コンクリート構造学Ⅰ
科目番号 30C415 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 戸川一夫,他,「コンクリート構造工学(第4版)」,森北出版
担当教員 一宮 一夫

到達目標

(1) コンクリート構造の種類,特徴について説明できる.(定期試験と課題)
(2) コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法,許容応力度設計法について説明できる.(定期試験と課題)
(3) 曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき,断面破壊に対する安全性を検討できる.(定期試験と課題)
(4) 曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定,使用性(ひび割れ幅)を検討できる.(定期試験と課題)
(5) せん断を受ける部材の破壊形式を説明でき,せん断に対する安全性を検討できる
(6) プレストレストコンクリートの基本を説明できる.(定期試験と課題)
(7) 演習問題(課題)を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンクリート構造物を構成する材料,設計法,荷重と構造解析の概要をほぼ完全に説明できるコンクリート構造物を構成する材料,設計法,荷重と構造解析の概要を説明できるコンクリート構造物を構成する材料,設計法,荷重と構造解析の概要を説明できない
評価項目2単鉄筋コンクリートはりの説明と計算をほぼ完全にできる単鉄筋コンクリートはりの説明と計算ができる 単鉄筋コンクリートはりの説明と計算ができない
評価項目3複鉄筋コンクリートはりを説明と計算をほぼ完全にできる複鉄筋コンクリートはりの説明と計算ができる複鉄筋コンクリートはりの説明と計算ができない
評価項目4T型はりの説明と計算をほぼ完全にできるT型はりの説明と計算ができるT型はりの説明と計算ができない
評価項目5曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)の説明と計算をほぼ完全にできる曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)の説明と計算ができる曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)の説明と計算ができない
評価項目6せん断力を受ける部材の説明と計算をほぼ完全にできるせん断力を受ける部材の説明と計算ができるせん断力を受ける部材の説明と計算ができない
評価項目7プレストレスコンクリートの特徴・分類をほぼ完全に説明できるプレストレスコンクリートの特徴・分類を説明できるプレストレスコンクリートの特徴・分類を説明できない
評価項目8プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算をほぼ完全にできるプレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができるプレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンクリート標準示方書に準拠して,限界状態設計法ならびに許容応力度設計法の基本的な考え方を習得するとともに,鉄筋コンクリート構造物,プレストレストコンクリート構造物を設計するための基礎となる各種荷重下および断面力作用下の力学的特性について学習する.

(関連情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
授業時間 31時間
関連科目 建設材料学,コンクリート構造学Ⅱ,コンクリート診断学(専攻科)
授業の進め方・方法:
授業の前半では解説,後半では計算演習を行う.
1週は設計法の概要,2~4回は曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態),5~7回は曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態),8回は曲げモーメントと軸力を受ける部材,10~12回(前半)はせん断を受ける部材(終局限界状態),12(後半)~14回はプレストレストコンクリートについて学ぶ.

(課題提出について)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする

(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たなかった者に対して実施する.なお,全ての課題を提出し,定期試験のやり直しを十分な内容で期限内に提出し,各評価項目について標準的な到達レベルに達したと思われる者に対して受験資格を与える.
注意点:
(履修上の注意)
毎時間資料を配布するので2穴のA4ファイルを準備すること.
ノートは不要である.

(自学上の注意)
JSTのWebラーニングを活用すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンクリート構造の概要,材料(コンクリート,鋼材),設計法,荷重と構造解析 コンクリート構造の種類,特徴について説明できる
材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語,定義を説明できる
鋼材の種類,形状,力学的性質を説明できる
限界状態設計法,許容応力度設計法について説明できる
2週 曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態) コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法,許容応力度設計法について説明できる。
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき,断面破壊に対する安全性を検討できる(単鉄筋断面)
各種示方書に基づく設計法の概要を説明でき,安全率,許容応力度などについて説明できる
3週 曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態) 曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき,断面破壊に対する安全性を検討できる(単鉄筋断面)
4週 曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態) 曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき,断面破壊に対する安全性を検討できる(複鉄筋断面,T型断面)
5週 曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態) 曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定,使用性を検討できる
6週 曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態) 曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定,使用性を検討できる(ひび割れ幅)
7週 曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態) 曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定,使用性を検討できる(たわみ)
8週 曲げモーメントと軸力を受ける部材 
曲げモーメントと軸力を受ける部材の設計法を説明でき,簡単な例に対して計算できる
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解答と解説
せん断を受ける部材
わからなかった箇所を理解する.
せん断力を受ける部材を説明でき,計算できる
11週 せん断を受ける部材 せん断力を受ける部材を説明でき,計算できる
12週 せん断を受ける部材
プレストレストコンクリート
せん断力を受ける部材を説明でき,計算できる
プレストレスコンクリートの特徴・分類を説明解できる
13週 プレストレストコンクリート プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ,使用性を検討できる
14週 プレストレストコンクリート プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ,使用性を検討できる
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 わからなかった箇所を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4前1
鋼材の種類、形状を説明できる。4前1
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4前1
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4前12
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。4前13,前14
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4前1
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4前2
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4前2,前3,前4
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4前5,前6
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。4前10,前11,前12
構造各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前2
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4前8

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力2010000030
専門的能力6010000070
分野横断的能力0000000