都市・環境工学概論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 都市・環境工学概論
科目番号 31C116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)澤孝平・嵯峨晃・川合茂・角田忍・荻野弘・奥村充治・西澤辰男 共著,「環境・都市システム系 教科書シリーズ1 シビルエンジニアリングの第一歩」,コロナ社;K-SEC教材/(参考図書)佐々木葉 監修,真田純子・中村晋一郎・仲村成貴・福井恒明 編著,「ようこそドボク学科へ!都市・環境・デザイン・まちづくりと土木の学び方」,学芸出版社
担当教員 名木野 晴暢,帆秋 利洋

到達目標

(1) 土木工学とは何かを説明できる.(定期試験・課題)
(2) 社会基盤施設とその役割を説明できる.(定期試験・課題)
(3) インターネット・SNSを使用する際の最低限必要な事項(情報セキュリティと情報モラル)を理解できる.(定期試験・課題)
(4) 土木分野における環境問題を理解できる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
土木工学の理解について土木工学とは何かを説明できる.また,土木工学の特徴と使命および技術者の条件も理解できる.土木工学とは何かを説明できる.土木工学とは何かを説明できない.
社会基盤施設の理解について社会基盤施設とその役割を説明できる.また,我が国の代表的な社会基盤施設とその特徴も説明できる.社会基盤施設とその役割を説明できる.社会基盤施設を説明できない.
情報リテラシー(様々な情報を有効に活用できる能力)の最低限必要な事項の理解についてインターネット・SNSを使用する際の最低限必要な事項(情報セキュリティと情報モラル)を理解できる.インターネット・SNSを使用する際の情報セキュリティは理解できるが,情報モラルを理解できない.インターネット・SNSを使用する際の最低限必要な事項を理解できない.
構造物と地盤の理解について橋と地盤の役割を理解できる.また橋の維持管理,地盤と地震の関係についても理解できる.橋と地盤の役割を理解できる.橋と地盤の役割を理解できない.
土木と環境問題について土木分野における環境問題と対策方法について説明できる土木分野における環境問題ついて理解できる土木分野における環境問題ついて理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では,土木工学とはどのような学問で,どのような仕事に就けるのかを学ぶ.また,土木工学を学ぶためには,これからどのような基礎知識が必要になるかも説明する.土木工学は,我々の生活に身近で,便利で安全,安心かつ健康で快適な国土(社会基盤)を作っていくための総合的な学問である.また,情報化社会である現代の土木技術者には,様々な情報を有効に活用する能力(情報リテラシー)が必要不可欠であるのでこれについても最低限必要な事項を学ぶ.土木技術は,学生諸君の身の回りに当たり前のように溢れている.本授業を通じて学生諸君が社会基盤を観察し,考え,興味を持つきっかけになることを期待している.この科目は,AEおよびRM対応科目である.

(科目情報)
授業時間46.5時間
関連科目:都市・環境工学科の全専門科目

授業の進め方・方法:
基本的には教科書および配布資料を使って授業をし,基礎的な知識を修得する.必要に応じて,授業担当教員が作成した課題等を与える.この課題等を通じて理解を深める.

(再試験について)
再試験は,原則として実施しない.
注意点:
(履修上の注意:名木野担当分)
(1) 授業用のノート(原則としてA4サイズ)を準備する.ALH等で質問にくる際には,教科書と授業ノートを必ず持参すること.
(2) 授業中に疑問に思うことや分からないことがあれば質問してよい.質問は歓迎する.また,こちらからも理解を促すような質問を心掛けるので,間違いを気にせずに自分の考えを答えること.必要に応じてクラス全員で議論し,理解を深めていくことを期待する.

(自学上の注意)
(1) 授業前に予習をし,授業後には十分な復習に努めること.
(2) 課題等を通して理解を深めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ドボク工学科で学ぶこと
建築学,環境学,理学とのちがい
高専ドボクのいいところ
ドボク工学科で取れる資格
(1) 授業計画と評価方法を理解できる.
(2) 配布資料を使ってドボク工学科で学ぶことなどを説明するので,これをできるだけ理解する.
2週 シビルエンジニアリングとは:
シビルエンジニアリングと土木工学
シビルエンジニアリングの代表的な構造物
シビルエンジニアリングとは何かを理解できる.
3週 シビルエンジニアリングの特徴と使命
技術者の条件
シビルエンジニアリングの学習内容
(1) シビルエンジニアリングの特徴と使命と技術者の条件を理解できる.
(2) 教科書を使ってシビルエンジニアリングの学習内容を説明するので,これをできるだけ理解する.
4週 地盤環境工学分野,コンクリート工学分野,環境・衛生工学分野,
交通工学・道路工学分野の研究紹介
地盤環境工学,コンクリート工学,環境・衛生工学,交通工学・道路工学が社会の役に立っていることが理解できる.
5週 情報技術者への第一歩:
情報とコンピュータ
解析技術とシミュレーション
技術者に必要な情報リテラシー
(1) 情報とコンピュータの関係を理解できる.
(2) 解析技術とシミュレーションを理解できる.
(3) 技術者に必要な情報リテラシーを理解でき,これから各自が身に付けなければならない情報リテラシーを説明できる.
6週 インターネットの基礎(実験実習Ⅰの教科書を使用):
インターネットの仕組み
インターネット接続
無線LANとWi-Fi
(1) インターネットの仕組みを理解できる.
(2) インターネットへの接続方法を理解できる.
(3) 無線LANとWi-Fiを利用する際の注意点を理解できる.
7週 クラウドサービス
Web情報の信頼性
スマートフォン・タブレット端末を使用する上での注意点
(1) クラウドサービスを理解できる.
(2) クラウドサービスの利用する際のリスクと対応策を理解できる.
(3) Web情報の信頼性を理解できる.
(4) 情報に関する各種のリスクを理解できる.
(5) 情報セキュリティの対策方法を理解できる.
(6) スマートフォン・タブレット端末を使用する上での注意点を理解できる.
8週 前期中間試験 これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説
情報モラル

わからなかった部分を理解できる.
(1) 情報モラルとは何かを説明できる.
(2) SNSやwebページなどから情報を発信する際の注意点を理解できる.
(3) SNSとは何かを理解でき,これに関係するトラブルも理解できる.
10週 情報モラル(続き)
K-SEC教材を用いた情報セキュリティ・情報モラルの演習
(1) 個人情報と,その取り扱いの重要性を理解できる.
(2) 知的財産権の基礎が理解できる.
(3) 演習を通して,これまでに学んだ内容の理解を深めることができる.
11週 構造・橋への第一歩:
橋とは・橋の歴史
橋の形式と構造
(1) 社会基盤施設としての橋とその歴史を理解できる.
(2) 橋の形式と構造を理解できる.
12週 構造・橋への第一歩:
橋の役割
橋の維持管理
(1) 橋の役割を理解できる.
(2) 橋の維持管理の重要性を理解できる.
13週 地盤・土への第一歩:
地盤・土の特徴
構造物を支える地盤の強さ
(1) 土の多様性を理解できる.
(2) 土が三相系の材料であることを理解できる.
(3) 構造物と地盤の関係を理解できる.
(4) 地盤の強さと破壊の概念を理解できる.
14週 地盤・土への第一歩:
地盤と地震,液状化
地盤の圧密沈下
(1) 地震は,地盤の振動であることを理解できる.
(2) 地震による地盤の液状化を理解できる.
(3) 地盤の圧密とその沈下現象を理解できる.
15週 前期期末試験 これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
16週 前期期末試験の解答と解説 わからなかった箇所を理解できる.
後期
3rdQ
1週 後期授業概要 後期授業概要について理解できる
2週 土木の職業について 土木分野における仕事とは何かを理解できる
3週 環境の職業について 環境分野における仕事とは何かを理解できる
4週 建築の職業について 建築分野における仕事とは何かを理解できる
5週 建設材料への第一歩:
建設材料とは・建設材料の歴史と分類
建設材料の歴史と分類を理解でき、天然材料,人工材料を説明できる.
6週 建設工事の実際 土木工事がどのように行われているかについて理解できる
7週 河川技術への第一歩:
河川技術とは
(1) 河川技術と洪水災害を理解できる.
(2) 水と私たちの生活
(3) 川と環境を理解できる.
8週 都市計画への第一歩:
日本の都市計画
(1) 日本の都市計画の変遷を説明できる.
(2) 土地利用計画を理解できる.
(3) 都市環境を理解できる.
(4) 都市交通施設の計画を理解できる.
4thQ
9週 後期中間試験 これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
10週 後期中間試験の解答と解説
わからなかった箇所を理解できる.
11週 環境都市と人の身体 環境都市と人の身体を理解できる.
12週 環境問題への第一歩:
シビルエンジニアリングと環境都市
環境問題の学習内容
(1) シビルエンジニアリングと環境都市,環境問題を説明できる.
13週 環境リサイクル:
循環型社会構築の必要性
建設廃棄物とコンクリート産業の役割
土木工学における環境リサイクルを理解できる.
14週 建設業とISO:
国際標準化機構(ISO)
ISO9001とISO14001
公共事業支援統合情報システム(CALS/EC)
建設業とISOを説明できる.
15週 学年末試験
これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
16週 学年末試験の解答と解説 わからなかった箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力201535
専門的能力501565