建設工学基礎

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建設工学基礎
科目番号 31C117 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)嵯峨晃ら,「構造力学Ⅰ」,コロナ社/(参考図書)必要に応じて紹介する.
担当教員 名木野 晴暢

到達目標

(1) 土木工学における数学と力学の必要性を理解できる.(定期試験・課題)
(2) 工学で扱う数量の誤差を理解でき,有効数字を考慮した四則演算ができる.(定期試験・課題)
(3) 構造物の分類と線構造を理解できる.(定期試験・課題)
(4) 荷重の基礎事項を理解できる.(定期試験・課題)
(5) 力と力のつり合い,力の合成と分解を理解でき,基本的な問題を解くことができる.(定期試験・課題)
(6) 力のモーメント,偶力のモーメントとVarignonの定理を理解でき,基本的な問題を解くことができる.(定期試験・課題)
(7) 幾つかの力の合力の三要素を計算できる.(定期試験・課題)
(8) つり合い条件式を用いて静止している物体に作用する外力を計算することができる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
土木工学における数学と力学の必要性の理解について土木工学における数学と力学の必要性を理解でき,方程式を解くことができる.土木工学における数学と力学の必要性を理解できる.土木工学における数学と力学の必要性を理解できない.
工学で扱う数量とその基本的な計算方法の理解について工学で扱う数量の有効数字を考慮した四則演算を理解でき,基本的な問題を解くことができる.また,物理量の次元と単位についても理解できる.工学で扱う数量と有効数字を考慮した四則演算を理解でき,基本的な問題を解ける.工学で扱う数量の誤差と有効数字の関係を理解できない.
構造物と構造部材の基礎事項の理解について構造物と構造部材の関係を理解でき、線構造と面構造を理解できる.構造物と構造部材の関係を理解でき、線構造は理解できる.構造物と構造部材の関係を理解できない.
荷重の基礎事項の理解について荷重の基礎事項を深く理解できる.荷重の基礎事項を理解できる.荷重を理解できない.
力の基本事項の理解について力の三要素、力の合成と分解を理解でき,基本的な問題を解くことができる.力の三要素を理解でき、力の合成と分解も理解できる.力の三要素を理解できない.
力のモーメントの基礎事項の理解について力のモーメントと偶力のモーメント,Varignonの定理を理解できる.力のモーメントと偶力のモーメントを理解できる.力のモーメントを理解できない.
幾つかの力の合力の理解について一点に会さない多くの力の合力の大きさ、方向と作用位置を計算できる.一点に会する多くの力の合力の大きさ、方向と作用位置を計算できる.幾つかの力と合力の関係を理解できない.
平面内にある物体のつり合い条件式の理解についてつり合い条件式から物体に作用する外力の三要素を調べることができる.つり合い条件式から物体に作用する外力の大きさを調べることができる.つり合い条件式を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木工学では社会基盤施設の安全性・安心性に加えて効率性や経済性等が強く要求されるため,その計画・設計・施工・維持管理および防災・減災は客観的・論理的かつ精密でなければならない.よって,数量的・定量的な情報の取り扱いとして数学の修得,および専門基礎知識として力学(物理学)・構造力学・土質力学・水理学の修得が必要不可欠になる.本授業は,建設工学の基礎知識の修得を目的として行うものである.なお,本科目は,アグリエンジニアリング(AE)教育及び災害レジリエントマインド(RM)教育の対応科目である.

(科目情報)
授業時間23.25時間
関連科目:構造力学Ⅰ,土質力学Ⅰ,水理学Ⅰほか

授業の進め方・方法:
授業を通して基礎的な知識を修得し,授業担当教員が作成した独自の演習問題または教科書の章末問題などを解くことで理解を深める.授業中では,数学や物理・化学の授業と同様に記号による説明を多く用いる.これは,数式を記号ではなく言葉として捉えられるようになることを意図したものである.

(再試験について)
再試験は,原則として実施しない.

注意点:
(履修上の注意)
(1) 授業用のノート(原則としてA4サイズ)を準備する.このノートは3年次に構造力学Iのノートとして使う予定である.ALH等で質問にくる際には,教科書と授業ノートを必ず持参すること.
(2) 数学,力学,構造力学・土質力学・水理学は社会基盤構造物の設計・施工・維持管理および防災・減災にあたって欠かすことのできない重要な基礎知識である.基礎知識は段階的に積み重ねて習得するものであり,学習にはかなりの辛抱を要する.そのため,常日頃から予習・復習することが必要不可欠である.
(3) 授業中に疑問に思うことや分からないことがあれば質問してよい.質問は歓迎する.また,こちらからも理解を促すような質問を心掛けるので,間違いを気にせずに自分の考えを答えること.必要に応じてクラス全員で議論し,理解を深めていくことを期待する.

(自学上の注意)
(1) 授業後の復習(授業内容の整理と理解)を行うこと.
(2) 課題を通して理解度を深めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
数学と力学
(1) 授業計画と評価方法を理解できる.
(2) 土木工学における数学と力学の必要性を理解できる.
2週 方程式
[1] 連立一次方程式
[2] 代数方程式
[3] 超越方程式
※ 説明後演習
(1) 連立一次方程式を解くことができる.
(2) 低次の代数方程式を解くことができる.
(3) 超越方程式を解くことができる.
3週 工学で扱う数量の誤差と有効数字
※ 説明後演習
(1) 工学で扱う数量の誤差と有効数字を理解できる.
(2) 有効数字を考慮した数量の四則演算を理解でき,計算できる.
4週 1.1 構造力学とは
1.1.1 構造力学とは
1.1.2 構造物の分類
1.1.3 線構造の例
※ 説明後演習
(1) 構造力学を学ぶ理由を理解できる.
(2) 構造物の分類を理解できる.
(3) 線構造と外力・変形の関係を理解できる.
5週 1.2 荷重
1.2.1 荷重の抽象化
1.2.2 荷重の分類
※ 説明後演習
(1) 抽象化された荷重を理解できる.
(2) 荷重の分類を理解できる.
6週 1.3 力のつりあい
1.3.1 力の定義
1.3.2 力の単位
1.3.3 力の三要素
1.3.4 力の基本原理(平行四辺形の法則を除く)
※ 説明後演習
(1) 力の定義およびその単位を理解できる.
(2) 力の三要素を理解できる.
(3) 力の基本原理を理解できる.
7週 1.3.5 力のモーメント
[1] 力のモーメント
[2] Varignonの定理
[3] 偶力のモーメント
※ 説明後演習
(1) 力のモーメントを理解できる.
(2) 偶力のモーメントを理解できる.
(3) Varignonの定理を理解できる.
(4) Varignonの定理を用いて,合力の作用位置を計算できる.
8週 中間試験 これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
4thQ
9週 中間試験の解説

1.3.6 力の合成と分解
[1] 力の合成
(1) 分からなかった部分を理解することができる.
(2) 力の合成を理解できる.
10週 (9週の続き)
[2] 力の分解
※ 説明後演習
(1) 力の分解を理解できる.
11週 1.3.7 一点に会する多くの力の合成
※ 説明後演習
(1) 一点に会する多くの力の合力の大きさ,方向と作用位置を計算できる.
12週 1.3.8 一点に会さない多くの力の合成
※ 説明後演習
(1) 一点に会さない多くの力の合力の大きさ,方向と作用位置を計算できる.
13週 分布力の合力と,その作用位置
※ 説明後演習
(1) 分布力の合力の大きさ,方向と作用位置を計算できる.
14週 1.3.9 力のつりあい
[1] 平面内にある物体のつり合い条件式
[2] 静止している物体に作用する外力
(1) 同一平面内に多くの力が作用する物体のつり合い条件式を理解できる.
(2) つり合い条件式を用いて,静止している物体に作用する外力を調べることができる.
15週 学年末試験 これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
16週 学年末試験の解説 分からなかった部分を理解することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力20020
専門的能力503080