微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 R03C303 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)齋藤純一他「新微分積分I」,「新微分積分II」,「新確率統計」,「新微分積分I問題集」,「新微分積分II問題集」,「新確率統計問題集」,大日本図書/(参考図書)微分積分学,確率の参考書
担当教員 福村 浩亨

到達目標

(1)媒介変数表示・極座標表示による図形の面積等が求められる.変化率と積分の関係を理解できる.(定期試験・課題)
(2)2変数関数の偏微分・重積分を学ぶことにより,多変数関数の概念・性質をより深く理解する.(定期試験・課題)
(3)2変数関数の偏微分・重積分の計算と応用ができる.(定期試験・課題)
(4)確率の基本的概念,条件付確率を理解し,簡単な場合について,確率を求めることができる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を多様な手法で求めることができる.微分積分の応用として,動点の位置・速度・加速度を求めることができる.基本的な媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を求めることができる.また,動点の位置・速度・加速度を求めることができる.基本的な媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を求めることができない.
評価項目2高次近似式を理解し,マクローリン展開を求めることができ,級数の関係性について理解を深めることができる.2次近似式を計算することできる.また,基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる.また,数列・級数の極限値を求めることができる.近似式の計算をすることができず,数列や級数の極限を計算することができない.
評価項目32変数関数の偏微分・重積分の計算ができ,変数変換を用いて,複雑な重積分の計算をすることができる.また,これらを利用して,2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また領域の重心を求めることができる.2変数関数の偏微分・重積分を計算することができ,極座標を用いて変数変換することができる.2変数関数の基本的な偏微分・重積分の計算をすることができない.
評価項目4確率の基本的概念を理解し,問題文から計算すべき式を立て,計算することができる.確率の基本的概念を理解し,簡単な場合について確率を求めることができる.確率の基本的概念を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微分積分Iでは,1変数関数の基本的な関数の微積分を学んだ.微分積分IIでは,それらを基礎にして,積分のいろいろな応用,関数の級数展開および2変数関数の微積分すなわち偏微分・重積分とその応用(極値問題,曲面積など)を学ぶ.また,確率の基本的概念,条件付確率を理解し,簡単な場合について,確率を求めることを学ぶ.
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.1変数関数における曲線の長さ・体積の計量を求めることで,積分の性質を学習する.さらに,2変数関数における偏微分の概念を理解し,合成関数・高次偏導関数を求めることができるようにする.また,2変数関数における累次積分を計算できるようにし,それらの応用を学習すること,さらには確率の基礎概念を理解することを目的とする.授業中指名された問題については,解答を板書する.
(事前学習)
シラバスを参照し,教科書の該当ページを熟読して予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
予習・復習をしておくこと.課題ノート・課題プリントは,提出日を厳守し,必ず提出すること.
(自学上の注意)
特に復習に時間を十分かけること.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)× 60%+(到達度試験の平均点)×20%+(課題・小テスト)× 20%
到達目標の(1)~(4)について 4 回の定期試験と課題で評価する.
1,2年の復習のための到達度試験を2回実施し,その結果を総合評価に加える.
出席状況・授業中の態度により 10%を上限として減点する場合がある.
(単位修得の条件について)
総合評価 60 点以上を合格とする.
(再試験について)
総合評価が40 点以上 60 点未満の場合は再試験を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 媒介変数表示による図形の面積,曲線の長さ 媒介変数表示の図形や曲線の計量を定積分を用いて求めることができる.
2週 極座標による図形の面積や長さ 極座標の概念を理解し,図形の面積や曲線の長さを求めることができる.
3週 広義積分 広義積分の概念を理解し,計算することができる.
4週 変化率と積分 動点の位置・速度・加速度を求めることができる.
5週 多項式による近似式 多項式の近似式を求めることができ,その有用性を具体的な関数を用いて理解する.
6週 数列の極限 数列や級数の収束・発散について理解し,数列の極限を求めることができる.
7週 関数のマクローリン展開 マクローリン展開とその存在範囲を求めることができる.
8週 オイラーの公式 オイラーの公式を求め,その性質を理解する.
2ndQ
9週 2変数関数の図形 2変数関数の図形の特徴を理解し,描くことができる.
10週 2変数関数の偏微分・全微分 2変数関数の偏微分・全微分の概念を理解し,求めることができる.
11週 接平面の方程式 偏微分を用いて,曲面の接平面を求めることができる.
12週 合成関数の微分 偏微分を用いて,曲面の接平面を求めることができる.
13週 練習問題 ここまで学習した内容を演習を通して定着させる.
14週 前期末試験
15週 前期期末試験の解説 試験で理解不足の箇所を復習する.
16週
後期
3rdQ
1週 高次偏導関数 高次偏導関数の性質を理解し,その特質を利用して偏導関数求めることができる.
2週 2変数関数の極大値・極小値 2変数関数の極値条件を理解し,その条件を利用して,極値を求めることができる.
3週 陰関数の微分法 陰関数を用いて,多変数の(偏)微分を計算をすることができる.
4週 条件付き極値 ある条件のもとで極値を求め,さらに最大値・最小値を求める.
5週 2重積分の定義 2変数関数における積分の概念を理解し,具体的に2重積分の計算ができる.
6週 2重積分(累次積分) 累次積分を計算するだけでなく,積分順序を変更して計算することができる.
7週 立体の体積 2重積分を用いて曲面等で囲まれた立体の体積を求めることができる.
8週 極座標による2重積分 極座標を用いて,変数変換をして2重積分を求めることができる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解説
変数変換
試験で理解不足の箇所を復習する.
任意に変数変換をして,2重積分を計算することができる.
曲面等で囲まれた立体の体積を求めることができる.
11週 2重積分における広義積分 2重積分による広義積分を理解し,計算することができる.
12週 2重積分のいろいろな応用 2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また,領域の重心を求めることができる.
13週 確率の定義と基本性質 確率の定義や基本的考えを理解し,簡単な確率の計算ができる.
14週 いろいろな確率 いろいろな確率を求めることができる.
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解説 試験で理解不足の箇所を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

定期試験到達度試験課題(小テストを含む)合計
総合評価割合602020100
基礎的能力602020100
専門的能力0000
分野横断的能力0000