到達目標
(1)直線部材の剛性をばね定数で表すことができる.(定期試験または課題)
(2)一自由度系の運動方程式を立てることができる.(定期試験または課題)
(3)一自由度系の運動方程式から自由振動解を求めることができ,得られた式から自由振動(固有角速度,固有振動数,固有周期,減衰定数)を理解することができる.(定期試験または課題)
(4)一自由度系の運動方程式から定常振動解を求めることができ,得られた式から共振現象を理解することができる.また,不規則外力を受ける振動系の応答解(Duhamel積分)を理解することができる.(定期試験または課題)
(5)時間積分法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができる.(課題)
(6)地震による社会基盤の被害を理解することができる.(定期試験または課題)
(7)耐震設計法の基礎を理解することができる.(定期試験または課題)
(8)課題を通してこれまでに学んだ知識を深めることができる(課題)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標(1) | 骨組構造物の剛性をばね定数で表すことができる. | 線部材の剛性をばね定数で表すことができる. | 線部材の剛性とばね定数の関係を理解できない. |
到達目標(2) | 1自由度系および多自由度系の運動方程式を作ることができる. | 1自由度系の運動方程式を作ることができる. | 1自由度系の運動方程式を作ることができない. |
到達目標(3) | 1自由度系の運動方程式から自由振動解を求めることができ,得られた式から自由振動(固有角速度,固有振動数,固有周期,減衰定数)を理解することができる. | 1自由度系の運動方程式から自由振動解を求めることができる. | 自由振動を理解できない. |
到達目標(4) | 1自由度系の運動方程式から定常振動解を求めることができ,得られた式から共振現象と減衰効果の関係を理解することができる.また,不規則外力を受ける振動系の応答解(Duhamel積分)を理解することができる. | 1自由度系の運動方程式から定常振動解を求めることができる. | 定常振動と非定常振動を理解できない. |
到達目標(5) | Euler法とNewmark beta法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができる. | Euler法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができる. | 時間積分法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができない. |
到達目標(6) | 耐震設計法の基礎を理解することができ,例題や演習問題を解くことができる. | 耐震設計法の基礎を理解することができる. | 耐震設計法の基礎を理解できない. |
到達目標(7) | 地震による各種社会基盤構造物の直接被害と二次災害を理解できる. | 地震による橋梁の直接被害を理解できる. | 地震による社会基盤構造物の被害を理解できない. |
到達目標(8) | 地震,エネルギ原理やLaplace変換などの知識を深めることができ,建設振動の問題の解決に応用することができる. | 地震,エネルギ原理やLaplace変換などの知識を深めることができる. | 地震,エネルギ原理やLaplace変換などの知識を深められない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (B2)
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JABEE 1(2)(g)
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JABEE 2.1(1)①
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教育方法等
概要:
(授業の概要)
構造力学Iと構造力学IIでは,荷重を受ける構造部材(棒,梁および柱)およびこれらの直線部材からなる骨組構造の静力学について学んできた.しかし,各種の社会基盤に作用する荷重は動的である.土木構造物は鉄鋼やコンクリートを主材料とし,工業数学,材料力学や構造力学を基礎とした解析手法に基づいて設計される.そのため,人工的な交通荷重,地震や台風などの動的荷重による土木構造物の挙動の基礎を理解することは極めて重要である.本授業では構造動力学を学ぶ上での基礎となる一自由度系で理想化された構造物の動力学を学ぶ.また,総合理科Ⅱで学んだ地震の基礎についても復習する.更に,構造力学IIで学んだエネルギ原理(Clapeyronの定理,補仮想仕事の原理,Castiglianoの第二定理)や応用数学で学んだLaplace変換などの道具を積極的に使う.本授業を通してエネルギ原理とLaplace変換が如何に便利であるか,またそれらの欠点も同時に感じることで,これまでの知識を深めてほしい.なお,本科目は,アグリエンジニアリング教育及び災害レジリエントマインド教育の対応科目である.(AE科目)(RM科目)
(科目情報)
教育プログラム第2学年 〇科目
AE科目/RM科目
授業の進め方・方法:
(授業の進め方)
(1)教科書を用いて,構造動力学として新しく学ぶ内容について説明する.
(2)その後は演習とし,各自が自らの手を動かし,頭で考えることで到達目標の達成を目指す.
(演習について)
(1)演習には,授業担当教員が独自に作成した課題,教科書の例題および章末問題を用いる.
(2)動力学に関わらず,得られた結果(数式)の可視化は学習内容の理解の手助けになる.本授業では情報演習室での演習を実施し,授業内容の理解度および情報リテラシー能力の向上を目指す.
(事前学習)
授業計画を確認し、教科書を活用して予習をしておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
(1)授業中に疑問に思うことや分からないことがあれば質問してよい.質問は歓迎する.また,こちらからも理解を促すような質問を心掛けるので,間違いを気にせずに自分の考えを答えること.必要に応じて履修者全員で議論し,理解を深めていくことを期待する.
(2)HRでの演習では電卓を用いることがあるため,準備しておくこと.
(3)時間積分法の課題はMicrosoft Word, Excelなどを活用して作成し,PDF形式に変換された電子データを提出する.この課題は,到達目標(5)の定期試験に相当する.
(4)(3)の提出は電子メールとするので,Office365にて電子メールの送受信をできるようにしておくこと.個人のアカウントからの電子メールは受け付けないので注意すること.
(自学上の注意)
(1)授業前に予習をし,授業後には十分な復習に努めること.特に,授業内容はノートに纏めて要点を整理しておくこと.
(2)与えられた課題を通じて理解度を深めること.
(3)わからないことは,ALHなどを利用して質問にくること.
評価
(総合評価)
総合評価 = (2回の定期試験の平均点)× 0.6 +(時間積分法の課題の平均点)× 0.2 +(授業中の課題の平均点)× 0.2
(単位修得の条件)
総合評価60点以上の成績を修めること.
(再試験について)
再試験は実施しない.単位修得計画には十分に注意されたい.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス
第I編 地震 第1章 地震発生のメカニズム 第2章 地震の強さ ※ 主に総合理科IIの復習 |
(1)前期の授業計画と評価方法を理解することができる. (2)地震発生のメカニズムを理解することができる. (3)地震の強さを理解することができる.
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2週 |
第3章 地震による被害
第II編 振動 第4章 振動工学の役割 |
(1)地震による被害を理解することができる. (2)振動工学の役割を理解することができる.
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3週 |
第5章 構造物の振動要素
自由度 1自由度系の運動方程式と初期条件(第6章 1自由度系の自由振動) 多自由度系の運動方程式と初期条件(第10章 2自由度(多自由度)系の自由振動) |
(1)構造物の振動要素を理解することができる. (2)自由度を理解することができる. (3)1自由度系の運動方程式を作ることができる. (4)多自由度系の運動方程式を作ることができる. (5)初期条件を理解することができる. (6)多自由度系の運動方程式を解くためには,線形代数の知識が必要になることを理解できる.
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4週 |
第6章 1自由度系の自由振動 |
(1)Laplace変換法を用いて,1自由度系の自由振動解を求めることができる. (2)1自由度系の自由振動を理解することができる.
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5週 |
第7章 粘性減衰をもつ1自由度系の自由振動
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(1)Laplace変換法を用いて,粘性減衰をもつ1自由度系の自由振動解を求めることができる. (2)粘性減衰をもつ1自由度系の自由振動を理解することができる.
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6週 |
第8章 粘性減衰をもつ1自由度系の定常振動
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(1)Laplace変換法を用いて,粘性減衰をもつ1自由度系の定常振動解を求めることができる. (2)粘性減衰をもつ1自由度系の定常振動と共振現象を理解することができる.
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7週 |
第9章 粘性減衰をもつ1自由度系の過渡振動
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(1)粘性減衰をもつ1自由度系の単位インパルス応答を理解することができる. (2)粘性減衰をもつ1自由度系の単位ステップ応答を理解することができる. (3)不規則外力を受ける粘性減衰をもつ1自由度系の応答解(Duhamel積分)を理解することができる.
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8週 |
前期中間試験 |
これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
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4thQ |
9週 |
前期中間試験の解説
第12章 逐次積分法による構造物の振動応答 地震(地表面震動)による構造物の運動方程式と初期条件 強震記録 時間の離散化と時間積分法 |
(1)分からなかった部分を理解することができる.また,今後同様の問題が出題されたときは,正しい考え方に基づいて解答することができる.
(1)地表面震動による構造物の運動方程式を作ることができる. (2)地震動による構造物の動的挙動を予測するためには,時間積分法の知識も必要になることを理解できる. (3)強震記録の入手方法とその取り扱いを理解することができる.
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10週 |
Euler法(HRにて授業) ※ 授業後,演習(手計算) |
(1)Euler法を理解することができる.
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11週 |
Euler法による1自由度系の時刻歴応答解析(情報演習室にて演習) |
(1)表計算ソフトまたはプログラム言語を用いて,Euler法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができる. (1)Euler法の近似解の精度と離散化量の関係をつかむことができる.
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12週 |
Newmark beta法(HRにて授業) ※ 授業後,演習(手計算) |
(1)Newmark beta法を理解することができる. (2)Gamma parameterとbeta parameterにより変化する解法の特性を理解できる. (3)平均加速度法を理解することができる. (4)線形加速度法を理解することができる.
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13週 |
Newmark beta法による1自由度系の時刻歴応答解析(情報演習室にて演習) ※ 第12週と第14週の演習内容を纏めて電子データにて提出 |
(1)表計算ソフトまたはプログラム言語を用いて,Newmark法による1自由度系の時刻歴応答計算をすることができる. (2)Newmark beta法の近似解の精度と離散化量,Gamma parameterおよびbeta parameterの関係をつかむことができる.
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14週 |
第III編 耐震設計 第13章 耐震設計の基礎 |
(1)我が国の耐震設計がどのように変化してきたかを理解することができる. (2)耐震設計法の種類と選択を理解することができる.
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15週 |
前期期末試験 |
これまでの授業の理解度を確認するために,試験を実施する.
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16週 |
前期期末試験の解説 |
分からなかった部分を理解することができる.また,今後同様の問題が出題されたときは,正しい考え方に基づいて解答することができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題(時間積分法) | 課題(授業) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 5 | 10 | 35 |
専門的能力 | 40 | 15 | 10 | 65 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |