科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物
科目番号 R04C105 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)浅島誠ら,「生物基礎」,東京書籍(文部科学省検定済教科書)/(参考図書)「レッツトライノート生物基礎」,東京書籍
担当教員 森田 昌孝

到達目標

(1) 生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できる(定期試験と課題).
(2) 遺伝子の構造やその役割について理解できる(定期試験と課題).
(3) 生物の体内環境の維持について理解できる(定期試験と課題).
(4) 地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解できる(定期試験と課題).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)評価項目生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解でき,的確な例が挙げられる. 生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できる. 生物がもつ共通性と多様性を理解ができない.生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できない.
目的・到達目標(2)評価項目遺伝子の構造やその役割について理解でき,遺伝に関するさまざまな事象が説明できる. 遺伝子の構造やその役割について理解できる. 遺伝子や染色体などの基礎的な概念が把握できない.
目的・到達目標(3)評価項目生物の体内環境の維持のしくみについて理解でき,体に起こるさまざまな事象と関連づけて説明ができる. 生物の体内環境の維持のしくみについて理解できる. 生物の体内環境の維持のしくみについて理解できない.
目的・到達目標(4)評価項目地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解でき,現在生じている問題と関連が指摘できる. 地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解できる. 地球環境とバイオーム,生態系などの重要性が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年,生命科学は著しく進展し,その研究成果は医療や農業分野へ応用され,私たちの健康や生活にも密接に関係してきている.また,環境保全への人々の関心が高まり,生態系の保全や生物多様性の理解が重要となってきている.これらのことを理解するには,生物学の基礎的な知識が必要である.本講義では,生物の多様性・共通性,遺伝子の働き,体内環境の維持および生態系の構造や保全等を網羅的に学習する.
(科目情報)
AE科目
授業の進め方・方法:
生物では,基本的な重要事項を理解し,全体の流れを把握することに努める.平易な参考図書を用いて予習と復習をしっかりして,授業内容のつながりを大切にする.
(事前学習)
教科書を読んでおくこと.特に重要事項には目を通しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義の途中でもわからなくなったらすぐに質問すること.
(自学上の注意)
受講後は,十分時間をかけて復習すること.

評価

(総合評価)
総合評価=定期試験の平均×0.80+課題点×0.20
(単位修得の条件について)
総合評価が60点以上であることを,単位取得の条件とする.
(再試験について)
再試験は,総合評価が60点に満たない者に対して行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物の多様性と共通性

多様な地球環境とそれに適応した生物の特徴や進化について理解する.(MCC Ⅱ-E)
2週 細胞の特徴
生物の共通した特徴と細胞について理解する.また,原核細胞と真核細胞の構造上の違いについても理解する.(MCC Ⅱ-E)
3週 生体とATP
生体内の化学反応である代謝や生命活動に使われるエネルギーについて理解する.
4週 生体内の化学反応

酵素の構造とはたらきについて理解する.
5週 生体内におけるエネルギー変換(呼吸)

細胞呼吸とミトコンドリアのはたらきについて理解する.
6週 生体内におけるエネルギー変換(光合成)

無機物から有機物をつくる炭酸同化と光エネルギーを用いた光合成について理解する.また,葉緑体のはたらきについても理解する.
7週
遺伝情報とDNA
遺伝と形質,遺伝情報とゲノムについて理解する.


8週 前期中間試験

目的・到達目標(1)評価項目
2ndQ
9週
前期中間試験の解答と解説
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
10週 DNAの構造

遺伝子とDNAの構造について理解する.
11週 DNAの複製と分配
DNAの正確な複製について理解する.さらに細胞分裂とDNAの分配についても理解する.

12週 遺伝情報とタンパク質

タンパク質の構造と役割について理解する.
13週 DNAとタンパク質の合成

遺伝情報からタンパク質が形成される転写と翻訳の過程について理解する.
14週 細胞分化と遺伝子
細胞分化と遺伝子発現との関係を理解する.

15週 前期期末試験 目的・到達目標(2)評価項目
16週 前期期末試験の解答と解説
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
後期
3rdQ
1週 体内環境の特徴
体内環境の特徴と体液のはたらきについて理解する.また,心臓と血液循環についても理解する.
2週 体内環境を調節する器官
体内環境を調節する器官である肝臓と腎臓のはたらきについて理解する.(MCC Ⅱ-E)
3週 神経系による情報伝達


体内環境の調節と神経系のはたらきについて理解する.
4週 ホルモンによる情報伝達

体内環境の調節と内分泌系のはたらきについて理解する.
5週 血糖濃度の調節

血糖値を調節するしくみについて理解する.
6週 免疫のしくみ
自然免疫と適応免疫を理解し,それらによる生体防御のしくみについて理解する.

7週 免疫記憶

記憶細胞と二次応答,予防接種とワクチンについて理解する.
8週
免疫異常
アレルギーと自己免疫疾患について理解する.
4thQ
9週 後期中間試験
目的・到達目標(3)評価項目
10週 後期中間試験の解答と解説
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
11週 植生と遷移
植生が環境に与える作用や影響,植生の遷移について理解する.(MCC Ⅱ-E)
12週 遷移とバイオーム
バイオームの種類と遷移,代表的な植物および気候や環境との関係について理解する.(MCC Ⅱ-E)
13週
生態系と生物の多様性
生態系のしくみについて理解する.また,炭素や窒素など生態系のしくみや多様性について理解する.また,食物連鎖など生物間の関係についても理解する.(MCC Ⅱ-E)

14週 生態系の攪乱と保全

人間活動による生態系の攪乱や生物多様性の保全について理解する.(MCC Ⅱ-E)
15週 後期期末試験
目的・到達目標(4)評価項目
16週 後期期末試験の解答と解説
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球上の生物の多様性について説明できる。3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3
生物に共通する性質について説明できる。3
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3
世界のバイオームとその分布について説明できる。3
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3
有害物質の生物濃縮について説明できる。3
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000