化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 R04C107 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)「改訂版 化学基礎」数研出版/(参考図書)「フォトサイエンス 化学図録」数研出版
担当教員 二宮 純子

到達目標

(1) 物質の基本的な構造を粒子的に理解できる.(定期試験と課題)
(2) 化学反応の仕組みを具体的な反応を通して理解できる.(定期試験と課題)
(3) 物質の状態と変化の背後にある原理について学ぶことができる.(定期試験と課題)
(4) 物質量の概念を十分に理解し議論できる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)の評価指標物質を構成する原子,分子,イオンについて説明ができる.物質を構成する原子,分子,イオンについて理解できる.原子,分子,イオンの違いを理解していない.
目的・到達目標(2)の評価指標化学反応式から量的関係について考え,計算することが出来る.化学反応を化学反応式で表し,計算問題を解くことができる.反応物,生成物,係数を理解していない.
目的・到達目標(3)の評価指標物質の状態と変化について,熱運動を理解し,エネルギー変化を説明できる.物質の状態と変化に伴う,エネルギーの出入りを理解できる.物質の状態と変化に伴う,エネルギーの出入りを理解していない.
目的・到達目標(4)の評価指標物質量の概念を理解し,粒子数,質量,気体の体積について説明できる.物質量から原子・分子・イオンの粒子数,質量,気体の体積の換算ができる.物質量の概念を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工業高専における各専門教育を習得するための基礎的な学力を養うために,物質科学の基礎としての化学を原子・分子という微視的観点から学ぶことによって物質の成り立ちについての理解を深める.更に,原子・分子の集合体という巨視的観点から物質をとらえ,物質の状態と変化の背後にある原理について学ぶことによって,より一層物質についての理解を深めることを目指す.
授業の進め方・方法:
対面による,黒板を使った授業を行う.
(事前学習)
シラバスを参照し,教科書の該当ページを熟読して予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
常に予習・復習を欠かさないこと.教科書の問題を確実に理解すること.与えられた課題は成績に加味するので,必ず提出すること.
(自学上の注意)
課題プリントは復習後別ファイルに綴じ,自学自習時間を記入すること.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)×0.70+(課題・小テストの平均点)×0.30
試験7割,課題(提出物,小テストを含む)3割で総合評価する.
(単位修得の条件について)
総合点が60点以上を,単位修得の条件とする.
(再試験について)
総合評価点60点未満の学生のうち,課題プリントを全て提出し,ファイルに綴じている学生を対象にした再試験を実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活 身の回りの化学物質の性質,用途など,生活との関わりについて理解できる.(MCC II-C)
2週 混合物と純物質 純物質と混合物を理解し,混合物の分離・精製法について説明できる.(MCC II-C)
3週 物質の三態と熱運動 物質を構成する粒子の熱運動を理解し,物質の三態とその状態変化を説明できる.(MCC II-C)
4週 原子の電子配置とイオンの生成 原子の構造と電子配置,イオンの生成と電子配置を理解する.同位体について説明できる.(MCC II-C)
5週 周期表,希ガスの電子配置
最外殻電子と価電子の違いを理解し,閉殻構造を説明できる.(MCC II-C)
6週 イオンの生成とイオンからなる物質 イオンの種類,イオンの大きさを理解し,イオン化エネルギーと電子親和力を説明できる.イオン結合とイオン結晶の性質を理解できる.(MCC II-C)
7週 原子間の結合 共有結合を理解し,電子式・構造式と分子構造を書き表すことができる.(MCC II-C)
8週 配位結合,極性,分子間力と水素結合
分子間の結合について理解し,分子からなる結晶の性質を説明得できる.(MCC II-C)
2ndQ
9週 中間試験 目的・到達目標(1)
10週 分子と共有結合,高分子化合物,共有結合の結晶
天然高分子化合物と合成高分子化合物について理解する.共有結合の結晶の性質を説明できる.(MCC II-C)
11週 金属結合と金属の結晶
自由電子と金属結合を理解し,金属の性質を説明できる.(MCC II-C)
12週 原子の相対質量と原子量,アボガドロの法則
原子の相対質量とその存在比から原子量を求めることができる.微小な粒子を扱うには,ある一定の量(アボガドロ定数)を考えて,それを単位として扱うほうが便利であることを理解できる.(MCC II-C)
13週 物質量と質量の関係
原子量,分子量,式量を求めることができる.物質量と質量の関係を説明できる.(MCC II-C)
14週 1molの気体の体積と物質量,溶液の濃度
気体については物質量と質量,その気体の体積の関係を説明できる.溶液濃度の計算ができる.(MCC II-C)
15週 前期末試験 目的・到達目標(2)
16週 前期末試験の解答と解説 分からなかったを把握し理解できる(MCC II-C)
後期
3rdQ
1週 化学変化と化学反応式
化学反応(化学変化)を化学反応式で表すことができる.(MCC II-C)
2週 化学反応式と量的関係① 化学反応式が表す量的関係を理解し,物質量を用いて計算できる.(MCC II-C)
3週 化学反応式と量的関係②
化学反応式が表す量的関係を理解し,物質量・質量・気体の体積・溶液の濃度を用いて計算できる.(MCC II-C)
4週 粒子の運動と状態変化 物質を構成する粒子の熱運動と拡散の現象を説明できる.(MCC II-C)
5週 気体の圧力
気体の圧力の単位換算ができる.(MCC II-C)
6週 蒸気圧と沸騰
蒸気圧曲線を用いて,大気圧と沸点の関係を説明できる.(MCC II-C)
7週 物質の状態図
圧力と温度によって物質の状態が変化することを理解し,三重点,臨界点について説明できる.(MCC II-C)
8週 状態変化に伴うエネルギー
状態変化に伴うエネルギの計算ができる.(MCC II-C)
4thQ
9週 中間試験 目的・到達目標(3)
10週 ボイルの法則とシャルルの法則
気体の体積,絶対温度,圧力の関係を理解できる.(MCC II-C)
11週 ボイル・シャルルの法則
ボイル・シャルルの法則を理解し,計算ができる.(MCC II-C)
12週 気体の状態方程式,気体の分子量
気体の状態方程式を理解し,計算ができる.(MCC II-C)
13週 混合気体の分圧の法則,混合気体の平均分子量
混合気体の圧力について理解し,混合気体の平均分子量を計算できる.(MCC II-C)
14週 理想気体と実在気体
理想気体と実在気体について理解し,状態方程式の適用を説明できる.(MCC II-C)
15週 学年末試験 目的・到達目標(4)
16週 学年末考査の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1,前10
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3後4
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後10,後11
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後12
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4
価電子の働きについて説明できる。3前5
原子のイオン化について説明できる。3前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前6
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前6
イオン結合について説明できる。3前6
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前6
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前6
共有結合について説明できる。3前7
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前7,前8
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前11
金属の性質を説明できる。3前11
原子の相対質量が説明できる。3前12
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前12
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前12
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前13
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前14
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後2,後3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前14
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前14
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000