構造力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 構造力学Ⅱ
科目番号 R04C414 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)嵯峨晃ら,「構造力学II」,コロナ社/ (参考図書)嵯峨晃ら,「構造力学I」,コロナ社
担当教員 前 稔文

到達目標

(1) 梁の境界条件から,不静定構造物の基礎について理解できる.(定期試験・課題)
(2) 余力法による解法を理解し,不静定構造物の断面力図を描くことができる.(定期試験・課題)
(3) 三連モーメントの定理の基礎を理解し,不静定構造物の断面力図を描くことができる.(定期試験・課題)
(4) たわみ角法を理解し,簡単な不静定構造物を解くことができる.(定期試験・課題)
(5) 仮想仕事の原理を理解し,単位荷重法を用いて梁の変形量を求めることができる.(定期試験・課題)
(6) Castiglianoの定理を理解し,梁の変形量を求めることができる.(定期試験・課題)
(7) 最小仕事の原理を理解し,不静定梁の不静定力を求めることができる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標 (1) の評価指標梁の境界条件から,不静定構造物について理解し,静定基本系に置き換えることができる.梁の境界条件から,不静定構造物の基礎について理解し,不静定次数を計算することができる.不静定構造物の基礎について理解できない.
目的・到達目標 (2) の評価指標余力法による解法を理解し,二次以上の不静定構造物の不静定力を求め,断面力図を描くことができる.余力法を用いて不静定力を求め,不静定構造物の断面力図を描くことができる.余力法による解法を理解できない.
目的・到達目標 (3) の評価指標三連モーメントの定理を用いて,三径間の不静定構造物を解くことができる.三連モーメントの定理を用いて,基礎的な不静定構造物を解くことができる.三連モーメントの定理の基礎を理解できない.
目的・到達目標 (4) の評価指標たわみ角法を理解し,三部材を有する節点のたわみ角を求め,部材の断面力を求めることができる.たわみ角法を理解し,簡単な不静定構造物を解くことができる.たわみ角法を理解し,簡単な不静定構造物を解くことができない .
目的・到達目標 (5) の評価指標仮想仕事の原理を理解し,単位荷重法を用いて不静定梁の変形量を求めることができる.仮想仕事の原理を理解し,単位荷重法を用いて静定梁の変形量を求めることができる.仮想仕事の原理を理解し,単位荷重法を用いて梁の変形量を求めることがでない.
目的・到達目標 (6) の評価指標Castiglianoの定理を理解し,基礎的な不静定梁の変形量を求めることができる.Castiglianoの定理を理解し,静定梁の変形量を求めることができる.Castiglianoの定理を理解し,梁の変形量を求めることができない.
目的・到達目標 (7) の評価指標最小仕事の原理を用いて,不静定構造物を解くことができる.最小仕事の原理を理解し,基礎的な不静定梁の不静定力を求めることができる.最小仕事の原理を理解し,不静定梁の不静定力を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義は,3年生で学んだ構造力学Ⅰの続きである.力の釣り合い条件式だけでは解くことができない不静定構造物の解析方法として余力法,三連モーメント法ならびに変位法の一つであるたわみ角法の解法について学習する.また,構造解析に有用な種々のエネルギー原理についても学び,これらの基礎的な知識を修得することを目的としている.
この本科目は,アグリエンジニアリング教育,レジリエントマネジメント教育の対応科目である.
(科目情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
AE科目/RM科目
授業の進め方・方法:
静定梁の学習の延長として,不静定構造物の解析方法を学習する.ここでは,それらの基本式について理解を深めると共に,構造物の境界条件等を整理しながら実際の問題演習を実践し,不静定構造物の解法について詳述する.後半は、エネルギー原理について学習し,各種構造物の変形量の解法と不静定構造物の解法を身に着ける.
以上について,課題演習を通して継続的な学習ができ,各解析方法について理解し,問題を解く力を養う.
(事前学習)
構造力学Ⅰで学習した力の釣り合い,および断面力の計算について,しっかり理解したうえで授業に臨むこと.また,毎回の授業で課題を出すので,次回の授業に向けた復習として必ず自身で解くとともに,教科書を読んで授業内容をイメージして授業に臨むこと.
注意点:
(履修上の注意)
構造力学は,土木構造物の設計にあたって欠かすことのできない重要な基礎知識である.基礎知識は段階的に積み重ねて,常日頃から予習・復習を行うことが大切である.本授業では,単に問題が解けることを目的とせず,定義や基礎をきちんと身につけるように努めること.
(自学上の注意)
継続的な学習に取り組むと共に,演習課題は教科書等を参考にしながらでも自力で解くこと.

評価

(総合評価)
総合評価 = (4回の定期試験の平均点)×0.8 + (課題の平均点)×0.2
(単位修得の条件について)
全課題の80%以上の提出を単位修得の条件とする.
(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たない者に対して実施する.なお,全ての課題を提出し,定期試験のやり直しを十分な内容で期限内に提出し,各評価項目について標準的な到達レベルに達したと思われる者に対して受験資格を与える.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,不静定構造物の基礎 不静定構造物の基礎を理解できる.(MCC Ⅴ-F-3)
2週 不静定構造物の不静定次数 梁の基礎方程式と境界条件を理解できる.(MCC Ⅴ-F-3)
3週 梁の基礎方程式と境界条件 微分方程式から梁の変形を求められる.(MCC Ⅴ-F-3)
4週 余力法の基礎と静定基本系 余力法の基礎と静定基本系を理解し,不静定梁の不静定力を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
5週
6週 余力法による不静定構造物の解析
7週
8週 前期中間試験 目的・到達目標 (1) (2)
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
10週 三連モーメントの定理の基礎と誘導
多径間連続梁の解析
三連モーメントの定理の基礎を理解し誘導できる.(MCC Ⅴ-F-3)
11週 三連モーメントの定理の基礎と誘導
多径間連続梁の解析
三連モーメントの定理の基礎を理解し誘導できる.(MCC Ⅴ-F-3)
12週 三連モーメントの定理の基礎と誘導
多径間連続梁の解析
三連モーメントの定理を用いて,連続梁と不静定梁の不静定力を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
13週
14週
15週 前期期末試験 目的・到達目標 (3)
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 たわみ角法の解法と適用 たわみ角法の解法の流れを理解し,簡単な不静定構造物を解くことができる.(MCC Ⅴ-F-3)
2週
3週
4週 仕事とひずみエネルギー エネルギー保存の法則を用いて,梁の変位量を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
5週 エネルギー保存の法則とその応用
6週 仮想力と仮想変位 仮想仕事の原理と補仮想仕事の原理の基礎を理解できる.(MCC Ⅴ-F-3)
7週 仮想仕事の原理と補仮想仕事の原理
8週 単位荷重法 単位荷重法を用いて,梁のたわみとたわみ角を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
4thQ
9週 後期中間試験 目的・到達目標 (4) (5)
10週 後期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
11週 単位荷重法 単位荷重法を用いて,梁のたわみとたわみ角を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
12週 Castiglianoの定理 Castiglianoの定理の基礎を理解し,梁のたわみとたわみ角を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
13週 最小仕事の原理
最小仕事の原理の応用
14週 最小仕事の原理
最小仕事の原理の応用
最小仕事の原理の基礎を理解し,不静定梁の不静定力を求めることができる.(MCC Ⅴ-F-3)
15週 後期期末試験 目的・到達目標 (5) (6) (7)
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4前3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4前1,前2
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4後1,後2,後3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000