都市・環境デザイン

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 都市・環境デザイン
科目番号 R04C523 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)特になし / (参考図書)特に指定しないが,図書館の蔵書・文献検索システム,インターネット等を活用すること.
担当教員 前 稔文

到達目標

(1) 社会の要求・課題に対して,都市・環境工学の専門知識・技術および情報を用いて分析し,ブレインストーミング等によるグループワークを活用した課題解決のための合意形成を実践できる.(ワークショップ・中間発表会)
(2) リーダーシップを発揮するため,リーダーとしての役割を理解し行動できる.また,チーム作業の意義や効果を理解し,当事者意識を持って分担した役割に取り組み,問題をチームで解決できる.(ワークショップ・中間発表会)
(3) 社会の要求に対する解決策を作る過程や,その要求を満たすものか評価する必要性について理解できる.さらに,技術者の実務上の問題点や課題に配慮した解決策をデザインし,その過程を説明できる.(最終報告書,最終審査)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標 (1) の評価指標  合意形成課題解決のために,チームによる合意形成の中で最良の解決案を提示することができる.課題解決のために,チームによる合意形成の方法を実践できる.他者の意見を聞くことができず,合意形成の会話を成立させることができない.
目的・到達目標 (1) の評価指標  論理的思考力課題に対して論理的な思考のプロセスを経て,課題の要約・整理および構造化をすることができる.課題に対して論理的な思考に基づいたプロセスを経て,結論を導くことができる.課題に対して論理的な思考に基づいたプロセスを経ることができない.
目的・到達目標 (2) の評価指標  チームワーク力自らの専門課題に対して,チームが円滑に機能するように,役割を意識した作業ができる.チーム作業の意義や効果を理解し,チームの一員として分担した役割に取り組むことができる.チーム作業の意義や効果を理解せず,チームで共同した作業に取り組むことができない.
目的・到達目標 (2) の評価指標  リーダーシップ常に情報収集やチーム内での相談を怠らず,リーダーとしての意識を持ってチームの成果を生み出すことができる.リーダーの役割を理解して模範的行動をとることができ,チームメンバーに適切な作業を促すことができる.リーダーとしての役割を理解できず,模範的な行動を取ることができない.
目的・到達目標 (3) の評価指標  エンジニアリングデザイン能力課題の解決策について,要求を満たすものであるか評価することができる.解決策を作る過程を理解し,また,要求に対する評価が必要であることを理解できる.課題が要求する内容を理解できず,解決策のための過程や要求に対する評価について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (D2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(3) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(4) 説明 閉じる
JABEE 1.2(e) 説明 閉じる
JABEE 1.2(h) 説明 閉じる
JABEE 1.2(i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
都市・環境デザインは従来の講義・演習のスタイルではなく,社会で問題となっている課題に対して学生(チーム)が主体となって解決策を提案する形式の授業(プロジェクト学習)である.担当教員からワークショップや課題について幾つかのインストラクションをするが,あくまで学生が自主的に学習して授業の準備・進行をする.授業においては,チームに分かれて作業を分担し,学生同士の協議・質疑応答により進められる.グループワーク・ワークショップを経て,中間発表会を繰り返した後,最終案(最終報告書)を提出する.
この本科目は,アグリエンジニアリング教育,レジリエントマネジメント教育の対応科目である.
(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ◎科目
AE科目/RM科目
授業の進め方・方法:
全てのワークショップおよび課題は,チームを構成したグループ作業となる.各ワークショップは,4週目から始まる課題に向けた準備段階と位置づけているので,このワークショップを通じて課題解決に向けたグループ作業を円滑に進められるようにすること.課題におけるグループ作業は,学生が自発的に取り組むので,通常授業においてディスカッションや制作作業などを行い,2回の中間発表会と最終発表会を実施する.
(事前学習)
グループ作業におけるディスカッションや制作作業などの題材は事前に準備すること.時間外学習を活用し,しっかり調査や資料収集を行うと共に記録を残すこと.
注意点:
(履修上の注意)
本科目では,個人の自主性とチームワークが重要である.中間発表会と最終審査では各チームのデザイン案をパワーポイント等の資料を用いて発表する.それに対して各チームはお互いにディスカッションし,相互評価を行う.各回の授業終了後には,実施記録を各自提出すること.

(自学上の注意)
授業以外の時間も活用し,自ら学習したテーマに関する内容を実施記録に記載すること.

評価

(総合評価)
総合評価 = (ワークショップ)×0.2 + (中間発表会Ⅰ)×0.1 + (中間発表会Ⅱ)×0.2 + (最終審査)×0.25 + (最終報告書)×0.25
成績は,基本的にはチームごとに評価するが,取組み状況に応じて個人ごとの評価も加味する(実施記録に基づいて,総合評価の20%を上限として減点する).
(再試験について)
再試験は実施しない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス/安全教育
ワークショップⅠ
授業の内容と進め方と安全教育を理解できる.
社会の要求・問題に対して論理的思考をもって合意形成できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ)
2週 ワークショップⅡ リーダーシップおよびチームメンバーとしての役割を理解し,行動できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ)
3週 ワークショップⅢ
4週 課題の説明・チーム結成 課題について理解できる.
チームを結成できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
5週 討議,資料収集,調査,実験等 チーム内で討議し,分担された役割に応じて,デザインコンセプト作成のための資料収集,調査,実験等ができる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
6週 中間発表会Ⅰ デザインコンセプトを発表し,お互いにディスカッションして評価できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
7週 デザイン案の検討・作成 中間発表会Ⅰでの問題点を修正・改善し,具体的なデザイン案を作成できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
8週 デザイン案の検討・作成 デザイン案の作成のための資料収集,調査,実験等を行う.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
2ndQ
9週 〔前期中間試験〕
10週 中間発表会Ⅱ 作成したデザイン案を発表し,お互いにディスカッションして評価できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
11週 最終案の作成,最終報告書の作成 2回の中間発表会での問題点を解決し,課題に対する最終案を作成できる.また,最終報告書(A4版2枚)をまとめることができる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
12週 最終案の作成,最終報告書の作成
13週 最終審査 課題に対する最終のデザイン案をそれぞれのチームが発表し,お互いにディスカッションして評価できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
14週 実施記録と最終報告書の提出等 デザインの過程を振り返り,実施記録によりデザイン案を自己評価できる.(MCC Ⅶ, Ⅷ, Ⅸ)
15週 〔前期期末試験〕
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1,前2,前3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前4,前5,前7,前8,前11,前12,前14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前7,前8,前11,前12
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前6,前10,前13,前14
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

ワークショップ中間発表会Ⅰ中間発表会Ⅱ最終審査最終報告書合計
総合評価割合2010202525100
基礎的能力000000
専門的能力000000
分野横断的能力2010202525100