実験実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 実験実習Ⅲ
科目番号 R05C316 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)(1) 地盤工学会,「土質試験-基本と手引き-〔第三回改訂版〕」,改訂編集WG (2) 土木学会,土木材料実験指導書 2023年改訂版,土木学会コンクリート委員会 (3) 実験指導書(配布プリント) (4) 小林基義,「新版工業化学実習1」,実務出版 (5) 種茂豊一,「新版工業化学実習2」,実務出版 (6)中村隆一,「学生のための詳解C」,東京電機大学出版局 /(参考図書)(1) 赤木知之ら,「土質工学」,コロナ社 (2) 土木学会,「構造実験指導書(平成12年版)」,土木学会
担当教員 山本 大介,帆秋 利洋,工藤 宗治,前 稔文,姫野 季之

到達目標

(1)情報処理演習:C言語・PythonによるプログラミングおよびCADによるモデリングができる。(レポート・取り組み状況)
(2)土質実験:土の物理試験、力学試験ができ、各種指標が計算できる。(レポート・取り組み状況)
(3)構造・材料実験:コンクリートや鋼材に関する各種試験から指標が計算でき、配合設計を行うことができる。(レポート・取り組み状況)
(4)環境化学実験:水質指標の定量分析ができ, それらの数値が持つ意味を理解できる。(レポート・取り組み状況)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報処理演習 到達目標(1)の評価指標C言語・Pythonを用いたプログラミング,および,CADによるモデリングを用いてイメージ通りに表現できる.C言語・Pythonを用いたプログラミングができ,CADによるモデリングができる.C言語・Pythonを用いたプログラミングができない.CADによるモデリングができない.
土質実験 到達目標(2)の評価指標要求される土の物理的特性、力学的特性に対してを適切な実験を選択し、各種特性を求めることができる.土の物理的特性、力学的特性を実験から求めることができる.土の物理的特性、力学的特性についての実験を実施できない.
構造・材料実験 到達目標(3)の評価指標セメントおよびコンクリートに関して、要求される指標に対して適切な各種試験を実施することができ、条件に対する配合設計が提案できる. セメントおよびコンクリートに関する各種試験を実施することができ、条件に対する配合設計ができる.セメントおよびコンクリートに関する各種試験を実施することができない.配合設計ができない.
環境化学実験 到達目標(4)の評価指標要求される水質指標に対して適切な定量分析が実施でき, 水質状態について適切な評価ができる.水質指標の定量分析ができる.水質指標の定量分析ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (D2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(実践的教育科目)この科目は,企業にて環境分野の研究開発を担当していた教員が,その経験を活かし,環境化学分野で使用する分析技術について実習を行うものである.
クラスを前期では2つ,後期では3つのグループに分けて,情報処理演習(C言語およびCAD),土質実験,構造・材料実験,環境化学実験の4つの実験実習を行う.(1)情報処理演習ではC言語・PythonのプログラミングおよびCADの演習を行う.(2)土質実験では土の物理特性,安定化などに関する実験を行う.(3) 構造・材料実験ではコンクリートや鋼材に関する各種試験を行う. (4)環境化学では,各種水質指標の定量分析の測定を行う.

(科目情報)
AE科目/RM科目
授業の進め方・方法:
前期では,情報処理演習と土質実験、後期では,構造・材料実験,環境化学実験,土質実験を行う.(1)情報処理演習では,情報演習室でC言語・PythonおよびCADによるモデリングを行うが,配布資料や課題提出はMoodleを使用する.(2)土質実験では,前期に土の物理特性,安定化などに関する実験,後期に土の力学試験を行う.(3)構造・材料実験ではコンクリートや鋼材に関する各種試験を行う. (4)環境化学では,水質指標の代表としてpH, DO, BOD, COD, TOCの定量分析手法について学ぶ.
(事前学習)
毎週事前に実習予定表を確認し、該当する実験実習について、教科書や参考図書で学習しておくこと.
実験実習を行う前に、手指消毒と身だしなみを整えること.
注意点:
(履修上の注意)
実験機器や薬品の取り扱い,作業の安全に注意する.
関連科目の予習・復習を十分に行って実験実習に臨むこと.
(自学上の注意)
受講前に教科書や構造実験指導書を自宅で読み,実験の目的や手順を整理する.

評価

(評価について)
達成目標の(1)~(4)について5つの実験実習におけるレポートと取組み状況で評価する.次の評価式で総合評価が60点以上を合格とする.
総合評価=前期評価と後期評価の平均
各期評価=Σ{(課題・レポートの平均)×0.8+(取組み状況の平均)×0.2}÷テーマ数
(再試験について)
再試験は実施しない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよび安全教育
C言語プログラミング①
土質実験および情報演習の実習内容および計画等について理解できる.また,実習を実施するための安全教育について理解できる.
2年次の学習を基に,プログラミング演習の理解を深められる.
2週 A班:C言語プログラミング②
B班:安全教育,物理試験Ⅰ
A班:複数のデータやアドレスを扱うプログラムを作成できる.
B班:含水比試験,密度試験が理解できる.
3週 A班:安全教育,物理試験Ⅰ
B班:C言語プログラミング②
A班:含水比試験,密度試験が理解できる.
B班:複数のデータやアドレスを扱うプログラムを作成できる.
4週 A班:C言語プログラミング③
B班:物理試験Ⅱ
A班:ファイル操作を扱うプログラムを作成できる.
B班:湿潤・砂置換による現場密度試験が理解できる.
5週 A班:物理試験Ⅱ
B班:C言語プログラミング③
A班:湿潤・砂置換による現場密度試験が理解できる.
B班:ファイル操作を扱うプログラムを作成できる.
6週 A班:Pythonプログラミング
B班:物理試験Ⅲ
A班:専門分野に関するプログラムを作成できる.
B班:液・塑性限界試験が理解できる.
7週 A班:物理試験Ⅲ
B班:Pythonプログラミング
A班:液・塑性限界試験が理解できる.
B班:専門分野に関するプログラムを作成できる.
8週 A班:CAD演習①
B班:物理試験Ⅳ
A班:CADの基本的な操作ができる.
B班:粒度試験が理解できる.
2ndQ
9週 (前期中間試験) 実施しない
10週 A班:物理試験Ⅳ
B班:CAD演習①
A班:粒度試験が理解できる.
B班:CADの基本的な操作ができる.
11週 A班:CAD演習②
B班:安定化試験
A班:描きたいオブジェクトをモデリングできる.
B班:締固め試験が理解できる.
12週 A班:安定化試験
B班:CAD演習②
A班:締固め試験が理解できる.
B班:描きたいオブジェクトをモデリングできる.
13週 A班:CAD演習③
B班:透水試験
A班:表現やレイアウトについて理解できる.
B班:定水位・変水位透水試験が理解できる.
14週 A班:透水試験
B班:CAD演習③
A班:定水位・変水位透水試験が理解できる.
B班:表現やレイアウトについて理解できる.
15週 (前期末試験) 実施しない
16週 (試験解説) 実施しない
後期
3rdQ
1週 A班:強度試験Ⅰ
B班:配合設計と鉄筋の引張試験
C班:実験器具の使い方, pH, DOの測定
A班:改良土供試体作製が理解できる.
B班:配合設計方法および鉄筋の引張試験を理解する
C班:環境化学で基本となる手分析と機器分析の方法を学ぶ
2週 A班:配合設計と鉄筋の引張試験
B班:実験器具の使い方, pH, DOの測定
C班:強度試験Ⅰ
A班:配合設計方法および鉄筋の引張試験を理解する
B班:環境化学で基本となる手分析と機器分析の方法を学ぶ
C班:改良土供試体作製が理解できる.
3週 A班:実験器具の使い方, pH, DOの測定
B班:強度試験Ⅰ
C班:配合設計と鉄筋の引張試験
A班:環境化学で基本となる手分析と機器分析の方法を学ぶ
B班:改良土供試体作製が理解できる.
C班:配合設計方法および鉄筋の引張試験を理解する
4週 A班:物理試験Ⅴ
B班:コンクリートの打設
C班: BODの定量分析
A班:砂の最小密度・最大密度試験が理解できる.
B班:コンクリートの打設を理解し、スランプや空気量測定ができる
C班:BODの分析方法を学ぶ
5週 A班:コンクリートの打設
B班:BODの定量分析
C班:物理試験Ⅴ
A班:コンクリートの打設を理解し、スランプや空気量測定ができる
B班:BODの分析方法を学ぶ
C班:砂の最小密度・最大密度試験が理解できる.
6週 A班:BODの定量分析
B班:物理試験Ⅴ
C班:コンクリートの打設
A班:BODの分析方法を学ぶ
B班:砂の最小密度・最大密度試験が理解できる.
C班:コンクリートの打設を理解し、スランプや空気量測定ができる
7週 A班:強度試験Ⅱ
B班:セメント,骨材
C班:CODの定量分析
A班:土の一面せん断試験が理解できる.
B班:セメント,骨材試験が理解できる
C班:CODの分析方法を学ぶ
8週 A班:セメント,骨材
B班:CODの定量分析
C班:強度試験Ⅱ
A班:セメント,骨材試験が理解できる
B班:CODの分析方法を学ぶ
C班:土の一面せん断試験が理解できる.
4thQ
9週 後期中間試験 実施しない
10週 A班:CODの定量分析
B班:強度試験Ⅱ
C班:セメント,骨材
A班:CODの分析方法を学ぶ
B班:土の一面せん断試験が理解できる.
C班:セメント,骨材試験が理解できる
11週 A班:強度試験Ⅲ
B班:コンクリートの強度試験および非破壊試験
C班:TOCの定量分析
A班:改良土の一軸圧縮試験が理解できる. 
B班:コンクリートの強度試験および非破壊試験が理解できる
C班:TOCの分析方法を学ぶ
12週 A班:コンクリートの強度試験および非破壊試験
B班:TOCの定量分析
C班:強度試験Ⅲ
A班:コンクリートの強度試験および非破壊試験が理解できる
B班:TOCの分析方法を学ぶ
C班:改良土の一軸圧縮試験が理解できる. 
13週 A班:TOCの定量分析
B班:強度試験Ⅲ
C班:コンクリートの強度試験および非破壊試験
A班:TOCの分析方法を学ぶ
B班:改良土の一軸圧縮試験が理解できる.
C班:コンクリートの強度試験および非破壊試験が理解できる
14週 実験の総括,レポート作成 後期の実験の総括とレポート作成をする.
15週 学年末末試験 実施しない
16週 試験解説 実施しない

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4後7,後8,後10
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4後7,後8,後10
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4後4,後5,後6
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4後4,後5,後6
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4後11,後12,後13
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前2,前3
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4前6,前7
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前9,前10
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4前13,前14
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4前11,前12
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4後11,後12,後13
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4後1,後2,後3

評価割合

レポート取組状況合計
総合評価割合8020100
基礎的能力301040
専門的能力501060
分野横断的能力000