到達目標
(1) 媒介変数表示・極座標表示による図形の面積等が求められる.変化率と積分の関係を理解できる.(定期試験・課題)
(2) 高次近似式・マクローリン展開の概念を理解し,計算することができる.数列および級数の収束・発散について理解できる.(定期試験・課題)
(3) 2変数関数の偏微分・重積分の概念・性質を理解し,計算と応用ができる.(定期試験・課題)
(4) 確率の基本的概念,条件付確率を理解し,簡単な場合について,確率を求めることができる.(定期試験・課題)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標 (1) の評価指標 | 媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を多様な手法で求めることができる.微分積分の応用として,動点の位置・速度・加速度を求めることができる. | 基本的な媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を求めることができる.また,動点の位置・速度・加速度を求めることができる. | 基本的な媒介変数表示・極座標表示による図形の面積・曲線の長さ等を求めることができない. |
到達目標 (2) の評価指標 | 高次近似式を理解し,マクローリン展開を求めることができ,級数の関係性について理解を深めることができる. | 2次近似式を計算することできる.また,基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる.また,数列・級数の極限値を求めることができる. | 近似式の計算をすることができず,数列や級数の極限を計算することができない. |
到達目標 (3) の評価指標 | 2変数関数の偏微分・重積分の計算ができ,変数変換を用いて,複雑な重積分の計算をすることができる.また,これらを利用して,2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また領域の重心を求めることができる. | 2変数関数の偏微分・重積分を計算することができ,極座標を用いて変数変換することができる. | 2変数関数の基本的な偏微分・重積分の計算をすることができない. |
到達目標 (4) の評価指標 | 確率の基本的概念を理解し,問題文から計算すべき式を立て,計算することができる. | 確率の基本的概念を理解し,簡単な場合について確率を求めることができる. | 確率の基本的概念を理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
微分積分Iでは,1変数関数の基本的な関数の微積分を学んだ.微分積分IIでは,それらを基礎にして,積分のいろいろな応用,関数の級数展開および2変数関数の微積分すなわち偏微分・重積分とその応用(極値問題,曲面積など)を学ぶ.また,確率の基本的概念,条件付確率を理解し,簡単な場合について,確率を求めることを学ぶ.
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.1変数関数における曲線の長さ・体積の計量を求めることで,積分の性質を学習する.さらに,2変数関数における偏微分の概念を理解し,合成関数・高次偏導関数を求めることができるようにする.また,2変数関数における累次積分を計算できるようにし,それらの応用を学習すること,さらには確率の基礎概念を理解することを目的とする.授業中指名された問題については,解答を板書する.
(事前学習)
シラバスを参照し,教科書の該当ページを熟読して予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
予習・復習をしておくこと.課題ノート・課題プリントは,提出日を厳守し,必ず提出すること.
(自学上の注意)
特に復習に時間を十分かけること.
評価
(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)× 60%+(到達度試験の平均点)×20%+(課題・小テスト)× 20%
到達目標の(1)~(4)について 4 回の定期試験,到達度試験および課題(小テストを含む)で評価する.
1,2年の復習のための到達度試験を2回実施し,その結果を総合評価に加える.
出席状況・授業中の態度により 10%を上限として減点する場合がある.
(単位修得の条件について)
総合評価 60 点以上を合格とする.
(再試験について)
総合評価が40 点以上 60 点未満の場合は再試験を行う.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
媒介変数表示による図形 |
媒介変数表示の図形や曲線の計量を定積分を用いて求めることができる.
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2週 |
極座標による図形 |
極座標の概念を理解し,図形の面積や曲線の長さを求めることができる.
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3週 |
広義積分 |
広義積分の概念を理解し,計算することができる.
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4週 |
変化率と積分 |
動点の位置・速度・加速度を求めることができる.
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5週 |
多項式による近似 |
多項式の近似式を求めることができ,その有用性を具体的な関数を用いて理解する.
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6週 |
数列の極限・級数 |
数列や級数の収束・発散について理解し,数列の極限を求めることができる.
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7週 |
関数のマクローリン展開 |
マクローリン展開とその存在範囲を求めることができる.
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8週 |
オイラーの公式
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オイラーの公式を求め,その性質を理解する.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
到達目標 (1) (2) の評価指標.
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10週 |
前期中間試験解説 2変数関数の図形 |
試験で理解不足の箇所を復習する. 2変数関数の図形の特徴を理解し,描くことができる.
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11週 |
2変数関数の偏微分・全微分 |
2変数関数の偏微分・全微分の概念を理解し,求めることができる.
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12週 |
接平面の方程式 |
偏微分を用いて,曲面の接平面を求めることができる.
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13週 |
合成関数の微分 |
2変数関数における合成関数の(偏)微分の概念を理解し,求めることができる.
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14週 |
練習問題 |
ここまで学習した内容を演習を通して定着させる.
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15週 |
前期末試験 |
到達目標 (2) (3)の評価指標.
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16週 |
前期期末試験の解説 |
試験で理解不足の箇所を復習する.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
高次偏導関数 |
高次偏導関数の性質を理解し,その特質を利用して偏導関数求めることができる.
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2週 |
2変数関数の極大値・極小値 |
2変数関数の極値条件を理解し,その条件を利用して,極値を求めることができる.
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3週 |
陰関数の微分法 |
陰関数を用いて,多変数の(偏)微分を計算をすることができる.
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4週 |
条件付き極値 |
ある条件のもとで極値を求め,さらに最大値・最小値を求める.
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5週 |
2重積分の定義 |
2変数関数における積分の概念を理解し,具体的に2重積分の計算ができる.
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6週 |
2重積分(累次積分) |
累次積分を計算するだけでなく,積分順序を変更して計算することができる.
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7週 |
立体の体積 |
2重積分を用いて曲面等で囲まれた立体の体積を求めることができる.
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8週 |
極座標による2重積分 |
極座標を用いて,変数変換をして2重積分を求めることができる.
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
到達目標 (3) の評価指標.
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10週 |
後期中間試験の解説 変数変換 |
試験で理解不足の箇所を復習する. 任意に変数変換をして,2重積分を計算することができる.
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11週 |
2重積分における広義積分 |
2重積分による広義積分を理解し,計算することができる.
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12週 |
2重積分のいろいろな応用 |
2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また,領域の重心を求めることができる.
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13週 |
確率の定義と基本性質 |
確率の定義や基本的考えを理解し,簡単な確率の計算ができる.
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14週 |
いろいろな確率 |
いろいろな確率を求めることができる.
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15週 |
学年末試験 |
到達目標 (3) (4) の評価指標.
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16週 |
学年末試験の解説 |
試験で理解不足の箇所を復習する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。 | 3 | 前6 |
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。 | 3 | 前6 |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | 前5 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 前7 |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | 前9 |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | 前10 |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | 前13 |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | 前11,後1 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | 後2 |
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。 | 3 | 後5,後6 |
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 | 3 | 後8 |
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。 | 3 | 後10 |
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。 | 3 | 後13 |
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。 | 3 | 後14 |
評価割合
| 定期試験 | 到達度試験 | 課題(小テストを含む) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 20 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |