土質力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 土質力学Ⅱ
科目番号 R06C417 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)赤木知之ら,「土質工学」,コロナ社
(参考書)粟津清蔵ら,「絵とき土質力学」,オーム社/澤 孝平ら,「地盤工学」,森北出版
担当教員 姫野 季之

到達目標

(1) 土の力学特性およびせん断特性が理解でき,土の強度定数を求めることができる.(定期試験と課題)
(2) ランキン,クーロンの土圧式を用いて土圧の計算ができる.(定期試験と課題)
(3) 斜面の安定性について計算ができる.(定期試験と課題)
(4) 基礎に関する内容が理解でき,支持力計算ができる.(定期試験と課題)
(5) 地盤の液状化の原理が理解できる.(定期試験)
(6) 地盤改良の原理が理解できる.(定期試験)
(7) 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標土の力学特性およびせん断特性を理解し,各種条件における土の強度定数を求めることができる土の力学特性およびせん断特性が理解でき,一般的な土の強度定数を求めることができる.土の力学特性およびせん断特性が理解できない.
到達目標(2)の評価指標各種条件下のランキン,クーロン土圧を求め,擁壁の安定計算ができる.各種条件下のランキン,クーロン土圧を求めることができる.ランキン,クーロン土圧を理解できない.
到達目標(3)の評価指標斜面の安定性について理解し,斜面の安定計算ができる.斜面の安定性について理解し,基本的な斜面の安定計算ができる.斜面の安定性が理解できない.
到達目標(4)の評価指標基礎について理解でき,浅い基礎、深い基礎の支持力計算ができる.基礎について理解でき,簡単な基礎の支持力計算ができる.基礎の支持力計算ができない.
到達目標(5)の評価指標地盤の液状化について,メカニズムを説明し,対策工法を説明することができる.地盤の液状化について,メカニズムを説明することができる.地盤の液状化についてメカニズムを説明できない.
到達目標(6)の評価指標地盤改良について理解し、地盤に応じた各種地盤改良工法を説明できる.地盤改良について理解し,改良工法を説明できる.地盤改良の原理を説明できない.
到達目標(7)の評価指標自習等を通じて自発的に継続学習ができる.課題等行い,継続的に学習ができる.継続学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生で学んだ「土質力学Ⅰ」を基礎にして,さらに「せん断」,「土圧」,「斜面の安定」,「地盤の支持力」,「地盤の動的問題」「地盤の改良」について理解できるようにする.基本的な計算力をつけることはもちろんのこと,どのようにして種々の理論が生まれてきたのかを考えることもこの講義のひとつの目的である.
(科目情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
RM科目
授業の進め方・方法:
各回の授業は講義形式で行い,教科書の内容を中心に,参考書などによる補足を加えた授業用資料を用いる.
本授業では,演習問題に取り組むほか,課題を課す.
演習問題および課題を通して継続的な学習ができ,各回の内容について理解し,問題を解く力を養う.
(事前学習)
「土質力学Ⅰ」で学んだ内容も含まれるので復習しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
毎回の授業の積み重ねとなるので,復習を十分にして授業に臨むこと.授業中に演習問題を解くため,関数電卓,定規,コンパスが必要である.
(自学上の注意)
受講前に必ず前回の講義内容を復習し,内容を整理すること.

評価

(総合評価)
総合評価=(4回の定期試験の平均点)×0.8+(課題の平均点)×0.2
(単位取得の条件)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする.
(再試験)
再試験は総合評価が60点に満たない者に対して実施するが,全課題を提出していることを受験資格の条件とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
主応力とモールの応力円Ⅰ
授業概要が理解できる.
主応力の概念とモールの応力円が理解できる.
2週 主応力とモールの応力円Ⅱ 主応力の概念とモールの応力円が理解できる.
3週 土の破壊と強さ 土のせん断強さの概念が理解できる.
モール・クーロンの破壊規準が理解できる.
4週 土のせん断試験Ⅰ 土のせん断試験の種類とその内容を説明できる.
5週 土のせん断試験Ⅱ 土のせん断試験の種類とその内容を説明できる.
6週 土のせん断特性Ⅰ 土のせん断特性が理解できる.
7週 土のせん断特性Ⅱ 土のせん断特性が理解できる.
8週 構造物に作用する土圧 主働土圧,受働土圧,静止土圧の説明ができる.
2ndQ
9週 前期中間試験 到達目標(1),(7)
10週 前期中間試験の解答と解説
わからなかった部分を理解する.
11週 ランキン土圧Ⅰ ランキン土圧について理解ができる.
12週 ランキン土圧Ⅱ ランキン土圧について理解ができる.
13週 クーロン土圧Ⅰ クーロン土圧について理解ができる.
14週 クーロン土圧Ⅱ クーロン土圧について理解ができる.
15週 前期末試験 到達目標(2),(7)
16週 前期期末試験の解答と解説 わからなかった部分を理解する.
後期
3rdQ
1週 地震時の土圧
土圧論の応用例Ⅰ
地震時の土圧について理解できる.
擁壁の安定計算の原理が理解できる.
2週 土圧論の応用例Ⅱ 矢板の安定計算の原理が理解できる.
3週 斜面の破壊形態と安定性の評価法 斜面の破壊形態が説明でき,その安定性の評価方法について理解できる.
4週 半無限斜面の安定解析Ⅰ 斜面の安定性について計算できる.
5週 半無限斜面の安定解析Ⅱ 斜面の安定性について計算できる.
6週 円弧すべり面による安定解析Ⅰ 斜面の安定性について計算できる.
7週 円弧すべり面による安定解析Ⅱ
自然斜面の崩壊
斜面の安定性について計算できる.
8週 地盤の支持力,基礎の形式と施工法 基礎に関する用語の説明ができる.基礎の施工法について説明ができる。
4thQ
9週 後期中間試験
到達目標(2),(3),(7)
10週 後期中間試験の解答と解説
基礎の支持力Ⅰ
わからなかった部分を理解する.
支持力公式を用いて基礎の支持力の算定ができる.
11週 基礎の支持力Ⅱ 支持力公式を用いて基礎の支持力の算定ができる.
12週 基礎の支持力Ⅲ 支持力公式を用いて基礎の支持力の算定ができる.
13週 地盤の液状化と対策 液状化の発生メカニズム・発生条件が理解できる.
14週 地盤改良の分類
各種地盤改良工法
地盤改良の分類と地盤改良工法の原理が理解できる.
15週 学年末試験 到達目標(4),(5),(6),(7)
16週 学年末試験の回答と解説 わからなかった部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土のせん断試験を説明できる。4前4,前5
土のせん断特性を説明できる。4前6,前7
土の破壊規準を説明できる。4前1,前2,前3
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。4前8,前11,前12,前13,前14,後1,後2
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。4後8,後10,後11,後12
斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。4後3,後4,後5,後6,後7
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。4前6,後13
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4後14
施工・法規基礎工の種類別に目的と施工法について、説明できる。4後10,後11,後12

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000