基礎数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎数学Ⅰ
科目番号 0041 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:新井一道他「新基礎数学」,「新基礎数学問題集」:大日本図書 ,参考書:高校の数学I,数学II,数学Aに関連する参考書
担当教員 北川 友美子,原口 忠之,武口 博文,池田 昌弘

到達目標

(1) 実数・複素数を理解し,文字式を含む計算ができ,高次方程式を解くことができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(2)不等式の性質を理解し,高次不等式を解くことができる.また,相加平均と相乗平均の関係を用いることができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(3)集合の概念を理解し,命題の証明に応用することができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(4)図形(直線,円,楕円,双曲線)の性質を理解し,図形を描き,これらの関係式を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実数の概念の拡張となる複素数を理解し,計算できるようになる.さらに,剰余の定理,因数定理を用いて,高次方程式を複素数の範囲で解くことができる.複素数の計算ができる.解の公式を利用できるだけでなく,因数定理,剰余の定理を理解して,方程式を解くことができる.複素数や文字式の計算をスムーズに解くことができず,方程式を的確に解くことができない.
評価項目2文字式を用いた不等式の性質を理解し,連立不等式や,高次不等式を解くことができる. また,相加平均と相乗平均の関係を利用して,複雑な不等式を証明することができる.基本的な不等式を解くことができ,相加平均と相乗平均の概念を理解し,不等式の証明に利用することができる.不等式の概念を理解しきれず,基本的な不等式の問題を解くことができない.
評価項目3集合論の抽象的な概念を理解し,ド・モルガンの法則をはじめ基本的な性質をりようすることができる. また,対偶を用いた証明や,背理法を用いた証明を理解し,集合論の概念をこれらに応用することができる.集合論の基礎的な概念(部分集合,補集合,共通部分,和集合)を理解し,これらの集合を表現することができる. また,命題を理解し,証明ならびに反例をあげることができる.集合を具体的に書き下すことが難しい.命題の基本的な証明を与えることができない.
評価項目4図形(直線,円,楕円,双曲線)の性質を理解し,これらのグラフを描くことができ,方程式を求めることができる.また,図形が表す領域を理解し,線形計画法を利用することができる.図形の基本的な性質を理解し,方程式や図形を表すことができる. また,不等式が表す領域を求めることができる.方程式から曲線が表す図形を求めることができず,領域の概念を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
授業の概要:中学校でも学んでいる数式の計算などの基礎的事項を徹底させながら,方程式,いろいろな関数とそのグラフ,直線,2次曲線へと発展させる.これから高専で工学を学んで行くための数学に関する基礎学力を身につけることを目的とする.定期試験のほかに年4回の到達度試験を行う.

関連科目:基礎数学II,微分積分I・II,線形代数,微分方程式
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.数学の基本的な概念を理解し,その概念を用いた数値計算をできるようにする.
注意点:
履修上の注意:予習・復習の習慣をつけておくこと.指名された問題は,次の授業の前にその解答を板書しておくこと.

自学上の注意:予習・復習をしておくこと.特に復習に時間を十分にかけること.

総合評価:
達成目標の(1),(2),(3),(4)について定期試験4回,到達度試験4回の合計8回の試験と課題で評価する.
総合評価=(定期試験60%+到達度試験20%+課題20%)とする.
総合評価60点以上を合格とする.なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点する.40点以上60点未満の場合は再試験を行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 整式の四則演算 整式の加減除法の計算が正しく行える.
2週 因数分解 組み立て除法の因数分解ができる.
3週 剰余の定理と因数定理
高次の因数分解ができる.
4週 練習問題 繁分数式の計算ができ因数分解に応用できる.
5週 分数式の計算 整式の除法について理解し,計算に応用する.
6週 実数,平方根,複素数 有理数,無理数を理解し,複素数の概念を理解する.
7週 練習問題 複素数における基礎的な計算をする.
8週 前期中間試験とその解答・解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
2ndQ
9週 2次方程式 解の公式を理解し,虚数解を求める.
10週 解と係数の関係 因数分解に応用する.
11週 等式の証明 証明問題を正しく認識する.
12週 練習問題 9週から11週の内容を理解する.
13週 2次不等式 基本的な不等式を計算できるようにする.
14週 不等式の証明 関数の性質を理解し不等式に応用する.
15週 練習問題 不等式を理解し証明に応用できるようにする.
16週 前期期末試験と、その解答・解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
後期
3rdQ
1週 集合と命題 集合の概念を理解し,命題の証明に応用できるようにする.
2週 関数とグラフ 2次関数の性質を理解しグラフを描く.
3週 2次関数の最大・最小 2次関数のグラフから最大値・最小値を求める.また不等式に応用する.
4週 練習問題 2次関数に関する基本的な問題から応用問題まで解けるようにする.
5週 べき関数・分数関数 遇関数,奇関数を理解する.また漸近線を理解し,グラフを描く.
6週 無理関数・逆関数 定義域,値域を理解し,グラフを描く.
7週 練習問題 さまざまな関数の性質を理解し,グラフを描く.
8週 後期中間試験と、その解答・解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
4thQ
9週 2点間の距離 2点間の距離のみならず,内分点,重心について理解する.
10週 直線の方程式 直線の性質を理解し,平行・垂直な直線を求める.
11週 練習問題 直線の基本的な問題を解く.
12週 円・楕円 円と楕円の図形的な性質を理解する.
13週 双曲線・放物線 双曲線と放物線の図形的に性質を理解する.
14週 不等式と領域 不等式が表す領域を理解し,線形計画法を利用する.
15週 練習問題 さまざまな図形の性質を理解するため、基礎的な問題を理解する.
16週 学年末試験と、その解答・解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力30202070
専門的能力300030