構造力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 構造力学Ⅰ
科目番号 10036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:嵯峨晃ら,「構造力学I」,コロナ社/参考図書:宮本裕ら,「構造工学 第3版」,技報堂出版・﨑元達郎,「構造力学 上・下 第2版」,森北出版
担当教員 名木野 晴暢

到達目標

(1) 静定梁、静定トラスと静定ラーメンの反力と断面力を求め、断面力図を描くことができる。(定期試験・課題)
(2) 静定梁の反力と断面力の影響線を描くことができ、これを用いて荷重に対する静定梁の反力と断面力の値を求めることができる。(定期試験・課題)
(3) 断面諸量と部材に生じる応力・ひずみを理解でき,これらを求めることができる。(定期試験・課題)
(4) たわみ曲線の微分方程式と弾性荷重法を理解でき,静定梁のたわみとたわみ角を求めることができる。(定期試験・課題)
(5) 短柱と長柱の違いを理解でき,長柱の座屈荷重と細長比を求めることができる。(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静定梁、静定トラスと静定ラーメンの反力と断面力を求め、断面力図を描くことができる。静定梁、静定トラスと静定ラーメンの反力と断面力を求めることができる。静定梁、静定トラスと静定ラーメンの反力と断面力を求められない。
静定梁の反力と断面力の影響線を描くことができ、これを用いて荷重に対する静定梁の反力と断面力の値を求めることができる。静定梁の反力と断面力の影響線を描くことができる。静定梁の反力と断面力の影響線を描くことができない。
任意の断面と荷重に対して、断面諸量と部材に生じる応力・ひずみを求めることができる。断面諸量と部材に生じる応力・ひずみを理解でき,これらを求めることができる。断面諸量と部材に生じる応力・ひずみを理解できない。
任意の荷重による静定梁のたわみとたわみ角を求めることができる。静定梁のたわみとたわみ角を求めることができる。たわみ曲線の微分方程式と弾性荷重法を理解できない。
任意の断面と支持条件を有する長柱の座屈荷重と細長比を求めることができる。短柱と長柱の違いを理解でき,長柱の座屈荷重と細長比を求めることができる。短柱と長柱の違いを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

情報技術、専門工学の基礎を身につける 大分高専学習教育目標(B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学は土木構造物の力学的特性を把握し、合理的かつ経済的に設計・建設するための基礎となる学問である。この応用分野は、コンクリート構造学や橋梁工学など極めて広く、土木工学における重要な基礎科目である。本授業では、構造物の設計の基礎となる力学の考え方と計算方法に関して、基礎的な知識を修得することを目的としている。
授業の進め方・方法:
まず,授業を通して基礎的な知識を修得し,教科書の例題を解説する.次に,演習として,教科書の章末問題などを解くことで理解を深める.

(再試験について)
再試験は実施しない.

注意点:
(履修上の注意)
構造力学は、土木構造物の設計にあたって欠かすことのできない重要な基礎知識であり、段階的に積み重ねて習得するものである。常日頃から予習・復習することが大切である。本授業では、単に問題が解けることを目的とせず、定義や基礎をきちんと身につけるように努めること。

(自学上の注意)
授業内容はノートに纏めて要点を整理しておくこと。また、与えられた課題を通じて理解度を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建設工学基礎の復習(線構造物、荷重、力とつり合い)
構造物の安定性、構造物の単純化
2週 線部材の支点と反力
単純梁片持梁と支点反力
3週 静定梁の支点反力の演習
断面力とその計算方法
4週 単純梁の断面力
片持梁の断面力
5週 張出梁の断面力
静定梁の断面力の演習
6週 ゲルバー梁の支点反力と断面力
間接荷重を受ける梁の断面力
7週 前期中間試験
前期中間試験の解説
8週 梁部材のつり合いの微分方程式
トラス構造の基本的特徴とその安定性
2ndQ
9週 静定トラスの支点反力(授業と演習)
棒部材のつり合いの微分方程式
10週 節点法によるトラスの部材力の計算(授業)
節点法によるトラスの部材力の計算(演習)
11週 断面法によるトラスの部材力の計算(授業)
断面法によるトラスの部材力の計算(演習)
12週 ラーメン構造の基本的特徴
静定ラーメンの断面力(授業)
13週 2部材からなる静定ラーメンの断面力(演習)
3部材以上からなる静定ラーメンの断面力(演習)
14週 影響線の定義と単純梁の支点反力の影響線
単純梁の断面力の影響線
15週 影響線による単純梁の支点反力と断面力の計算(授業)
影響線による静定梁の支点反力と断面力の計算(演習)
16週 前期期末試験
前期期末試験の解説
後期
3rdQ
1週 断面零次モーメント(授業)
断面零次モーメント(演習)
2週 断面一次モーメントと断面の図心(授業)
断面一次モーメントと断面の図心の計算(演習)
3週 断面二次モーメント(授業)
任意の軸回りの断面二次モーメント(授業)
4週 断面二次モーメントの計算(演習)
断面係数と断面二次半径
5週 部材に生じる応力
軸力・せん断力による応力とひずみとHookeの法則
6週 組み合わせ応力と主応力
棒部材に生じる応力とひずみの計算(演習)
7週 後期中間試験
後期中間試験の解説
8週 軸力を受ける合成断面の応力とひずみ
曲げによる応力とひずみ
4thQ
9週 曲げによって生じるせん断力による応力とひずみ
静定梁の断面に生じる曲げおよびせん断応力分布(授業)
10週 静定梁の断面に生じる曲げおよびせん断応力分布(演習)
梁のたわみ曲線の微分方程式と幾何学的境界条件
11週 等分布荷重を受ける単純梁と片持梁のたわみ曲線
単純梁と片持梁のたわみ曲線(演習)
12週 弾性荷重法と共役梁
集中荷重を受ける単純梁と片持梁のたわみとたわみ角(授業)
13週 集中荷重を受ける単純梁と片持梁のたわみとたわみ角(演習)
柱の分類と短柱に生じる応力
14週 長柱と座屈、単純支持された長柱の微分方程式
単純支持された長柱の座屈荷重と座屈モード
15週 細長比、座屈応力、有効座屈長と座屈係数
長柱の座屈荷重の計算(演習)
16週 後期期末試験
後期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造力の定義、単位、要素について説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8070150
基礎的能力000
専門的能力8070150
分野横断的能力000