海洋科学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 海洋科学
科目番号 10060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 大塚龍蔵,「やさしい天気図教室―天気図の書き方手引」,クライム
担当教員 横田 喜一郎

到達目標

(1) 水域生態系と水質変換過程(自浄作用,富栄養化,生物濃縮等)について説明できる.(前期中間試験)
(2) 大気汚染の現状と発生源について説明できる.                  (前期中間試験)
(3) 地球規模の環境問題を説明できる.                       (前期中間試験)
(4) 海に関する諸問題の全体像と法体系が理解できる.                (前期期末試験)
(5) 天気図が解読できる.                             (前期期末試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水域生態系と水質変換過程(自浄作用,富栄養化,生物濃縮等)について説明できる.水域生態系と水質変換過程(自浄作用,富栄養化,生物濃縮等)について理解できる.水域生態系と水質変換過程(自浄作用,富栄養化,生物濃縮等)について説明できない.
評価項目2大気汚染の現状と発生源について説明できる.大気汚染の現状と発生源について理解できる.大気汚染の現状と発生源について説明できない.
評価項目3 地球規模の環境問題を説明できる.  地球規模の環境問題を理解できる.  地球規模の環境問題を説明できない. 
評価項目4海に関する諸問題の全体像と法体系が理解できる.海に関する諸問題のと法体系が理解できる.海に関する諸問題の全体像と法体系が理解できない.
評価項目5 天気図が解読できる. 天気図が理解できる. 天気図が解読できない.

学科の到達目標項目との関係

(分野別要件(工学(融合複合・新領域))基礎工学の知識・能力 JABEE基準2.1(1) 説明 閉じる
数学、自然科学の力を身につける 大分高専学習教育目標(B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
海は,人類に恩恵も災害も与えてきた.海に囲まれた我が国において,人は,海と向き合わざるを得ない.行きたい海に行けるかどうかは,航海技術と海洋政策の兼ね合いで決まる.工学系の技術は海上交通網を発達させ,人類は航続距離の延長を実現させた.しかし遣唐使や南蛮貿易の時代まで外に向かって開かれていた海は,鎖国で閉じられ,黒船以降に開き直すなど,海洋政策の方針は振り子のように大きく振れた.その歴史を概観する.【第1章】
海洋生物資源の持続的な利用法を議論する為には,プランクトンから高次捕食者に至る海洋生態系の理解が不可欠である.海洋の生物資源量を論じる際に登場する「バイオマス」という概念について解説する.【第2章】
人は,宿命的に海を汚す存在でもある.我が国は,高度成長期に陸域で顕在化した公害問題の鎮静化には熱心であったが,海はどうであったか? 海の何が何によって汚染され,今,何が問題となっているかを概観する.【第3章】
海は,来世紀以降もフロンティアであり続ける.これまでの様々な海洋開発は,社会的ニーズ(要望)が,それを実現可能とする技術シーズ(伝統的または萌芽的な技術ノウハウ等)と出会うことによってスタートしてきた.海洋基本計画(平成19年策定の海洋基本法により総合海洋政策本部が推進)には,海洋に関する現代の主要な科学的知見が網羅されているので,まず全貌の概観を試みる.その後, 「海洋基本法」という法体系について解説する.【第4章】
海は,時に近寄り難い状態にもなる.しかし天気予報技術が存在しなかった時代に比べれば,船長責任的な海難事故は遥かに減少した.観天望気で出航可否を判断していた先人の知見などを概観する.また,かつて登山者等にはお馴染みであったラジオ放送による天気図描画を,本授業で体験する.【第5章】
授業の進め方・方法:
教科書は全ての授業項目と内容を含む訳ではないので,板書した内容は必ずノートに記録すること.
注意点:
色鉛筆(12色以上)を持参すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総論:「海洋に関する知識」の受け皿つくり の広さ,関連の多様さをイメージする
2週 海を渡った人々の航跡と新文化受容の歴史 渡航成否と風吹海流条件の関係を知る
3週 海難事故概論 水域での防災等の現状を理解する
4週 海洋バイオマスの推計 海洋生態系の構造と機能を説明できる
5週 水圏でみられる有害化学物質の生態濃縮 海洋生態系の危機が理解できる
6週 越境大気汚染物質の海洋へのインパクト 地球規模の物質循環が理解できる
7週 海洋汚染(冨栄養価,赤潮,青潮,漂着塵等) 環境影響評価の現状が理解できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解する.
10週 海洋開発(≒各種資源活用)の理想と現実 ニーズと技術シーズの関係を知る海洋科学技術の全体像が理解できる
11週 台風その他の気象海象現象 台風発生のメカニズムを説明できる
12週 気圧と風の関係 高・低気圧の空気の流れを説明できる
13週 地上天気図 気象予報のしくみを知る
14週 地上天気図その2 天気図が描ける
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000