水理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 水理学Ⅱ
科目番号 10063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 PEL水理学,実教出版/大西外明:最新水理学Ⅰ&Ⅱ,森北出版,岩佐義朗・金丸昭治編:水理学Ⅰ,朝倉書店,椿 東一郎:水理学Ⅰ,森北出版.
担当教員 東野 誠

到達目標

(1) これまでに学んだ水の力学に関する基礎を理解しそれを応用できる.(定期試験)
(2) 授業項目に関連した諸現象について知見を深め,力学的取扱いを理解できる.(定期試験)
(3) 授業項目に関連した概念がなぜ生まれたのかを理解できる.(定期試験)
(4) 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1これまでに学んだ水の力学に関する基礎を理解しそれを応用できる.これまでに学んだ水の力学に関する基礎を理解できる.これまでに学んだ水の力学に関する基礎を理解できない.
評価項目2授業項目に関連した諸現象について知見を深め,力学的取扱いを理解できる.授業項目に関連した諸現象について知見を深めることができる.授業項目に関連した諸現象について知見を深めることができない.
評価項目3授業項目に関連した概念がなぜ生まれたのかを理解し,応用できる.授業項目に関連した概念がなぜ生まれたのかを理解できる.授業項目に関連した概念がなぜ生まれたのかを理解できない.
評価項目4演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.演習問題を通して理解を深めることができる.演習問題を通して理解を深めることができない.

学科の到達目標項目との関係

(分野別要件(工学(融合複合・新領域))基礎工学の知識・能力 JABEE基準2.1(1) 説明 閉じる
情報技術、専門工学の基礎を身につける 大分高専学習教育目標(B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生で学んだ水理学Ⅰを基礎にして,水の流れ,すなわち,管水路,および開水路の水理について学ぶ.流れに関する学理は環境工学等,他の科学の基礎となるとともに,設計計算等においても重要な内容である.
授業の進め方・方法:
管路の流れは,圧力によって駆動される流れであり,上水道システムはその典型例である.開水路の流れは,重力による流れであり,私達の身の回りにある河川はその典型例である.これらの社会基盤施設の計画,設計,整備の為に必要な学芸を講述する.これらについて,演習問題などを通して継続的な学習ができ,具体的な問題を解く力を養う.
注意点:
講義の途中でもわからなくなったらすぐに質問してもよいことにする.ノート作りを工夫すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平均流速と摩擦抵抗による損失水頭 摩擦による損失水頭以外にも管の曲がりや断面変化等に起因する損失水頭について理解できる.
2週 管径が一定な単線管水路 単線管水路の基本的な計算ができる.
3週 管径が変化する単線管水路 単線管水路の基本的な計算ができる.
4週 サイホン 単線管水路の基本的な計算ができる.
5週 水車とポンプ ポンプや水車がある場合の考え方を理解し,具体的な計算ができる.
6週 合流・分流する管水路 管網計算の代表的方法であるHardy-Cross法を理解し,その計算ができる.
7週 複雑な管水路の計算 管網計算の代表的方法であるHardy-Cross法を理解し,その計算ができる.
8週 摩擦抵抗と形状抵抗 摩擦による損失水頭以外にも管の曲がりや断面変化等に起因する損失水頭について理解できる.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験解説 分らなかった部分を把握し理解できる.
11週 流量の測定と相似則&圧力と流速の測定 流量,流速,圧力の測定が理解できる.
12週 流れの中の物体に作用する力 流れ場において作用する種々の力について理解し,その計算ができる.
13週 Hardy-Cross法による計算 管網計算の代表的方法であるHardy-Cross法を理解し,その計算ができる.
14週 抗力と揚力 流れ場において作用する種々の力について理解し,その計算ができる.
15週 前期末試験
16週 前期末試験解説 分らなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 開水路の例と特徴 開水路の流れについて理解できる.
2週 開水路の等流 開水路の等流が理解できる.
3週 開水路の不等流 開水路の不等流が理解できる.
4週 開水路の非定常流 開水路の非定常流が理解できる.
5週 水理特性曲線 水理特性曲線について理解できる.
6週 複断面開水路の計算 開水路の具体的な応用である河川での流れについて理解できる.
7週 等価粗度係数 不等流について理解し,その基礎式が導ける.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験解説 分らなかった部分を把握し理解できる.
10週 比エネルギーと限界水深 限界水深について理解し,その計算ができる.
11週 フルード数 フルード数について理解できる.
12週 常流と射流 常流と射流について,その物理的特性に基づく相違点を理解できる.
13週 跳水と共役水深 跳水について理解し,その基礎式が導ける.
14週 一様水路における不等流と背水曲線 一様水路における背水曲線について理解できる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験解説 分らなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理運動量保存則を理解している。4
運動量保存則の誘導について説明できる。4
運動量保存則の応用した各種計算ができる。4
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4
各種の堰について理解している。4
比エネルギーおよび常流と射流について説明できる。4
限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)について説明できる。4
跳水現象について説明できる。4
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。4
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。4
管水路の摩擦以外の形状損失水頭について理解している。4
管水路の摩擦以外の損失係数について説明できる。4
各種の管路の流れの計算ができる。4
開水路流れの基礎方程式について理解している。4
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。4
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。4
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000