都市・環境デザイン

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 都市・環境デザイン
科目番号 1459 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:特になし / 参考図書:特に指定しないが,図書館の蔵書・文献検索システム,インターネット等を活用すること.
担当教員 前 稔文

到達目標

(1) 社会の要求・課題に対して,都市・環境工学の専門知識・技術および情報を用いて分析し,ブレインストーミング等によるグループワークを活用した課題解決のための合意形成を実践できる.(ワークショップ・中間発表会)
(2) リーダーシップを発揮するため,リーダーとしての役割を理解し行動できる.また,チーム作業の意義や効果を理解し,当事者意識を持って分担した役割に取り組み,問題をチームで解決できる.(ワークショップ・中間発表会)
(3) 社会の要求に対する解決策を作る過程や,その要求を満たすものか評価する必要性について理解できる.さらに,技術者の実務上の問題点や課題に配慮した解決策をデザインし,その過程を説明できる.(最終報告書,最終審査)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
合意形成課題解決のために,チームによる合意形成の中で最良の解決案を提示することができる.課題解決のために,チームによる合意形成の方法を実践できる.他者の意見を聞くことができず,合意形成の会話を成立させることができない.
論理的思考力課題に対して論理的な思考のプロセスを経て,課題の要約・整理および構造化をすることができる.課題に対して論理的な思考に基づいたプロセスを経て,結論を導くことができる.課題に対して論理的な思考に基づいたプロセスを経ることができない.
チームワーク力自らの専門課題に対して,チームが円滑に機能するように,役割を意識した作業ができる.チーム作業の意義や効果を理解し,チームの一員として分担した役割に取り組むことができる.チーム作業の意義や効果を理解せず,チームで共同した作業に取り組むことができない.
リーダーシップ常に情報収集やチーム内での相談を怠らず,リーダーとしての意識を持ってチームの成果を生み出すことができる.リーダーの役割を理解して模範的行動をとることができ,チームメンバーに適切な作業を促すことができる.リーダーとしての役割を理解できず,模範的な行動を取ることができない.
エンジニアリングデザイン能力課題の解決策について,要求を満たすものであるか評価することができる.解決策を作る過程を理解し,また,要求に対する評価が必要であることを理解できる.課題が要求する内容を理解できず,解決策のための過程や要求に対する評価について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力 JABEE基準1(2)(d) 説明 閉じる
種々の科学,技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力 JABEE基準1(2)(e) 説明 閉じる
与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力 JABEE基準1(2)(h) 説明 閉じる
チームで仕事をするための能力 JABEE基準1(2)(i) 説明 閉じる
探究心、分析力、イメージ力、デザイン能力を身につける 大分高専学習教育目標(D1) 説明 閉じる
協力して問題を解決する力を身につける 大分高専学習教育目標(D2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 都市・環境デザインは従来の講義・演習のスタイルではなく,社会で問題となっている課題に対して学生(チーム)が主体となって解決策を提案する形式の授業(プロジェクト学習)である.担当教員からワークショップや課題について幾つかのインストラクションをするが,あくまで学生が自主的に学習して授業の準備・進行をする.授業においては,チームに分かれて作業を分担し,学生同士の協議・質疑応答により進められる.グループワーク・ワークショップを経て,中間発表会を繰り返した後,最終案(最終報告書)を提出する.

教育プログラム:第2学年 ◎科目/授業時間39時間
関連科目:実験実習Ⅰ~Ⅳ,校外実習,プロジェクト実験Ⅰ(専攻科),実務実習(専攻科)


授業の進め方・方法:
 成績は基本的にはチームごとに評価するが,取組み状況に応じて個人ごとの評価も加味する(実施記録に基づいて,総合評価の20%を上限として減点する).

再試験は実施しない.


注意点:
(履修上の注意)
 本科目では,個人の自主性とチームワークが重要である.中間発表会と最終審査では各チームのデザイン案をパワーポイント等の資料を用いて発表する.それに対して各チームはお互いにディスカッションし,相互評価を行う.各回の授業終了後には,実施記録を各自提出すること.

(自学上の注意)
 授業以外の時間も活用し,自ら学習したテーマに関する内容を実施記録に記載すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ワークショップⅠ
授業の内容と進め方を理解できる.
社会の要求・問題に対して論理的思考をもって合意形成できる.
2週 ワークショップⅡ リーダーシップおよびチームメンバーとしての役割を理解し,行動できる.
3週 ワークショップⅢ リーダーシップおよびチームメンバーとしての役割を理解し,行動できる.
4週 課題の説明・チーム結成 課題について理解できる.
チームを結成できる.
5週 討議,資料収集,調査,実験等 チーム内で討議し,分担された役割に応じて,デザインコンセプト作成のための資料収集,調査,実験等ができる.
6週 中間発表会Ⅰ デザインコンセプトを発表し,お互いにディスカッションして評価できる.
7週 デザイン案の検討・作成 中間発表会Ⅰでの問題点を修正・改善し,具体的なデザイン案を作成できる.
8週 デザイン案の検討・作成 デザイン案の作成のための資料収集,調査,実験等を行う.
2ndQ
9週 〔前期中間試験〕
10週 中間発表会Ⅱ 作成したデザイン案を発表し,お互いにディスカッションして評価できる.
11週 最終案の作成,最終報告書の作成 2回の中間発表会での問題点を解決し,課題に対する最終案を作成できる.また,最終報告書(A4版2枚)をまとめることができる.
12週 最終案の作成,最終報告書の作成 2回の中間発表会での問題点を解決し,課題に対する最終案を作成できる.また,最終報告書(A4版2枚)をまとめることができる.
13週 最終審査 課題に対する最終のデザイン案をそれぞれのチームが発表し,お互いにディスカッションして評価できる.
14週 実施記録と最終報告書の提出等 デザインの過程を振り返り,実施記録によりデザイン案を自己評価できる.
15週 〔前期期末試験〕
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3

評価割合

ワークショップ中間発表会Ⅰ中間発表会Ⅱ最終審査最終報告書合計
総合評価割合2010202525100
基礎的能力000000
専門的能力000000
分野横断的能力2010202525100