線形代数

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 線形代数
科目番号 5120 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 高遠節夫 他 「新線形代数」,「新線形代数問題集」大日本図書
担当教員 佐藤 達郎,東木 雅彦,川上 英夫

到達目標

(1) ベクトルの概念を理解し,平面図形・空間図形に応用できる.(定期試験・到達度試験・課題)
(2) 線形性の概念を理解し,行列の計算ができる.また,連立1次方程式が解ける.(定期試験・到達度試験・課題
(3) 行列式の定義・概念を理解し,行列式の応用ができる.(定期試験・到達度試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平面ベクトルの演算を理解し,図形の性質を調べることができる.平面ベクトルの基本的な計算ができる.平面ベクトルの基本的な計算ができない.
評価項目2空間ベクトルの演算を理解し,図形の性質を調べることができる.空間ベクトルの基本的な計算ができる.空間ベクトルの基本的な計算ができない.
評価項目3行列の演算を理解して,複雑な計算ができる.また行列式を余因子展開等を利用して解くことができる.行列の基本的な計算ができ,行列式を求めることができる.行列の基本的な計算ができない.
評価項目4線形変換を行列を用いて表すことができ,回転行列・転置行列などを用いて,線形変換を表すことができる.線形変換の基本的な性質を理解している.線形変換の基本的な概念を理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次に学んだ図形の方程式,物理・工学における力,速度,加速度など大きさと向きを持つ量は,ベクトルの概念を用いて次元によらず統一的に扱うことができる.このベクトルの概念を平面および空間のベクトルについて学ぶ.さらに,行列,連立方程式,行列式およびその応用,線形変換までを学ぶ.また,定期試験の他に4回の到達度試験を実施することで,理解を深める.

関連科目:基礎数学I・II,微分積分I・II,微分方程式
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.ベクトルの概念を理解し,ベクトル上で定義される演算を計算できるようにする.また,ベクトルの概念を幾何学に導入することで,図形の性質を調べることができるようにする.また,ベクトルの概念の一般化となる行列の基本的な性質を理解し,行列上で定義される演算を計算できるようにする.また,行列を用いて、連立方程式を解くなどの応用も学ぶ.
注意点:
課題ノート・課題プリントは,提出日を厳守し,必ず提出すること.

総合評価は,到達目標の(1)~(3)の内容において,年4回の定期試験60%と年4回の到達度試験20%と課題20%で評価する.
総合評価が60点以上を合格とする.なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点する.また,総合評価が40点以上60点未満の学生に対して再試験を実施する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面ベクトルの演算 ベクトルの概念を理解し,加法の計算をできるようにする.
2週 平面ベクトルの内積 ベクトルの積の1つ内積を理解し計算できるようにする.
3週 平面ベクトルの図形への応用 ベクトルの性質を利用して図形を調べる.
4週 線形独立と線形従属 ベクトルの線形独立・線形従属について理解する.
5週 空間ベクトルの成分 ベクトルの概念を3次元に拡張する.
6週 空間ベクトルの内積 3次元ベクトルにおける積の1つとして,内積を理解する.
7週 直線の方程式 直線をベクトルを用いて表記する.
8週 前期中間 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
2ndQ
9週 平面の方程式 平面の方程式をベクトルを利用して,求める.
10週 球の方程式 球の方程式をベクトルを用いて表記する.
11週 線形独立の線形従属 3次元ベクトルの線形独立と線形従属を理解する.
12週 行列の和・差 行列の定義を理解し,加法について理解する.
13週 行列の積 行列の積を計算できるようにする.
14週 転置行列・逆行列 転置行列の定義を理解する.また逆行列の性質を理解し,計算で求めることができる.
15週 演習問題 演習を通じて,上記の内容の理解を深める.
16週 前期期末試験 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
後期
3rdQ
1週 連立方程式と行列 連立方程式の解を行列を用いて求める.
2週 行列式の定義と性質 行列式の計算ができる.
3週 行列式の展開 行列式の余因子展開について学ぶ.
4週 行列式と逆行列 行列式と逆行列の関係性について学ぶ.
5週 連立一次方程式と行列式 複雑な連立一次方程式を行列式との関係性について理解する.
6週 行列式の図形的意味 行列式の値が,ベクトルで張られる平行四辺形の面積になることを理解する.
7週 演習問題 演習問題を通じて,上記の内容の理解を深める.
8週 後期中間 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
4thQ
9週 線形変換の定義 線形変換の定義を理解する.
10週 線形変換の基本性質 線形変換の基本性質を理解し,具体的な例に触れる.
11週 合成変換と逆変換 線形変換の合成と逆変換について学ぶ.
12週 直交行列と直交変換 直交行列を理解し,直交変換に触れる.
13週 固有値と固有ベクトル 固有値・固有ベクトルの定義を理解する.
14週 行列の対角化 行列の基本的な対角化ができるようになる.
15週 演習問題 演習問題を通じて,上記の内容の理解を深める.
16週 後期期末試験 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力50151580
専門的能力105520