応用数学特論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数学特論
科目番号 31AG1004 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 曲線と曲面の微分幾何 (改訂版)小林昭七著 裳華房 参考図書:幾何学は微分しないと 中内伸光 著 現代数学者, 多様体の基礎 松本幸夫 東京大学出版
担当教員 北川 友美子

到達目標

現代数学において,もはや多様体なしでは語れない研究対象があふれかえる中,この講義ではもう少し対象を単純なもの,つまり曲線や曲面に限定し,それらをベースに微分幾何学を展開する.
微分幾何学を理解することを目標とするが,Gauss‐Bonnet の定理など,美しく深みのある定理などを具体的に探究できることが望ましい.数学的背景を理解し,問題意識を身に着けることができるとなおよい.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1曲線の概念が理解でき定義方程式から形を想像できること.曲線の概念が理解できること.曲線の概念が理解できない.
評価項目2空間内の曲面の小域的概念が理解できる.空間内の曲面の概念が理解できる.空間内の曲面の概念が理解できるない.
評価項目3 物理的にも幾何学的にも重要な三つの概念であるベクトル場の勾配,発散,回転について理解できること. 物理的にも幾何学的にも重要な概念であるベクトル場の勾配について理解できている. 物理的にも幾何学的にも重要な三つの概念であるベクトル場の勾配,発散,回転について理解できていない.
評価項目4曲面上の微分幾何が理解できる.曲面上のRiemann計量,構造方程式,測地線等が理解できる.曲面上のRiemann計量が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,簡単な微分積分と2次元,3次元の行列を学んできた学生,つまり難解な数学をまだ勉強していない,触れたことがない,これからしたいという者に向ける入門的な講義である.ただし専門的な内容であることを書き添える.
多様体なしでは現代数学はもはや語れないのが実際ではあるが,話をもう少し単純な対象つまり曲線や曲面に限定して(これらを例として)その構造の美しさを読み解く訓練をすることが目標である.数学が美しく深みのある対象であると感じる,味わってみたいという学生に受講を勧める.大学院へ進学する者も歓迎する.テキスト「曲線と曲面の微分幾何」小林昭七著 は名著であり,一読の価値はある.(隣に中内氏著,幾何学は微分しないとを携えることが望ましい.)
授業の進め方・方法:
基本的にはテキストに沿って講義を進める.参考図書を携えることが望ましい.講義中に問題を当てられた者は次回黒板に板書すること.
注意点:
総合評価60点以上を合格とする.
再試験は実施しない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 曲線の概念 関数のグラフとしての曲線,逆関数等,曲線の定義の基本的な概念が理解できる.
2週 平面上の曲線 平面曲線,平面曲線に関する大域的結果が理解できる.
3週 空間内の曲線 空間曲線,空間曲線に関する大域的結果が理解できる.
4週 空間内の曲面の小域的理論Ⅰ 空間内の曲面の概念,基本形式と曲率が理解できる.
5週 空間内の曲面の小域的理論Ⅱ 実例について基本形式,曲率の計算ができる.正規直交標講を使い方が理解できる.
6週 空間内の曲面の小域的理論Ⅲ 2変数の外微分形式が理解できる.外微分形式を使い方が理解できる.
7週 曲面上の幾何Ⅰ 曲面上のRiemann計量,曲面の構造方程式が理解できる.
8週 曲面上の幾何Ⅱ ベクトル場,共変微分と平行移動が理解できる.
2ndQ
9週 曲面上の幾何Ⅲ 測地線,局所最短線としての測地線をとらえることができる.
10週 Gauss‐Bonnet の定理Ⅰ 平均曲率と極小曲面,極小曲面の例について理解できる.
11週 Gauss‐Bonnet の定理Ⅱ 等温座標系,Weierstrass-Enneper の表現が理解できる.
12週 Gauss‐Bonnet の定理Ⅲ 随伴極小曲面について理解できる.
13週 Gauss‐Bonnet の定理Ⅳ 極小曲面の曲率について理解できる.
14週 Gauss‐Bonnet の定理Ⅴ Gaussの球面表示について理解できる.
15週 練習問題 上記の問題について試験を行う.
16週 前期末試験の解答と解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000