物理学特論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物理学特論
科目番号 31AG1005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1) 解析力学のラグランジュ形式を理解し,作用原理から運動方程式を導出して保存則を導くことができる.(定期試験と課題)
(2) 解析力学のハミルトン形式を理解し,作用原理から運動方程式を導出して問題を解くことができる.(定期試験と課題)
(3) 特殊相対性理論とゲージ理論の基礎を理解し,作用原理から質点の運動方程式とゲージ場の運動方程式を導ける.(定期試験と課題)
(4) 素粒子標準模型の基礎を理解できる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1作用原理やオイラー・ラグランジュ方程式から導出した運動方程式を,具体的に解くことが出来る.ラグランジュ形式を理解し,オイラー・ラグランジュ運動方程式を導出して保存則を導くことができる.ラグランジュ形式を理解し,オイラー・ラグランジュ運動方程式を導出して保存則を導くことができない.
評価項目2修正ハミルトンの原理からハミルトンの運動方程式を導出し,具体的に問題を解くことができる.ハミルトン形式を理解し,修正ハミルトンの原理から運動方程式を導出することができる.ハミルトン形式を理解し,修正ハミルトンの原理から運動方程式を導出することができない.
評価項目3相対論的に不変なゲージ場の作用からマクスウェル方程式を導くことができる.特殊相対論的に不変な作用から,質点の運動方程式を導くことができる.特殊相対論的に不変な作用から,質点の運動方程式とマクスウェル方程式を導くことができない.
評価項目4素粒子標準模型の構成粒子を全て書き下すことができる.素粒子の種類を書き下すことができる.素粒子の種類を書き下すことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
解析力学を通じてニュートン力学を最小作用の原理から定式化しなおし,実際の幾つかの問題に対して運動方程式を解くことで理解を深める.後半は,解析力学と関係の深い特殊相対性理論とゲージ理論について学び,素粒子標準模型についても触れる.物理学特論は2年生の宇宙地球科学につながる内容でもある.
授業の進め方・方法:
ニュートン力学の拡張であるラグランジュ形式とハミルトン形式と呼ばれる2つの定式化の方法について学ぶ.また,多体系のような実際の幾つかの問題に対して,ラグランジアンやハミルトニアンから運動方程式を解くことで,理解を深める.後半は,解析力学と関係の深い特殊相対性理論とゲージ理論について,ラグランジアンなどの観点から学ぶ.講義の最後には,現代物理学の基礎である素粒子標準模型について学ぶ.

(課題提出について)
課題の60%以上が提出されていることを条件とし,これを満足している者に対して,以下の総合評価が60点以上を合格とする.

(再試験)
再試験は行う.受験資格は問わない.
注意点:
(履修上の注意)
かなり高度な内容を含むため,講義中でもわからないことが出てきたらすぐに質問して,参考書なども使い解決すること.メールでの質問も受け付けるため,必ずわからないところは分かるまで粘ること.

(自学上の注意)
わからないところはメールを活用し,随時質問して解消をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オイラー・ラグランジュ方程式 座標変換で共変なオイラー・ラグランジュ方程式を学ぶ.
2週 オイラー・ラグランジュ方程式 オイラー・ラグランジュ方程式が座標変換で共変的なことを確かめることができる.
3週 作用原理とオイラー・ラグランジュ方程式 作用原理から,オイラー・ラグランジュ方程式を導出することができる.
4週 作用と保存量 作用の不変性と保存量の関係を,ネーターの定理から学ぶ.
5週 演習問題 ラグランジュ形式を用いて,質点の運動を解くことができる.
6週 ハミルトニアン ハミルトニアンの定義を示すことができる.
7週 ハミルトンの運動方程式の導出 ハミルトニアンの運動方程式を導出できる.
8週 ポアソン括弧とハミルトンの運動方程式 ポアソン括弧を用いて,ハミルトニアンの運動方程式を書き直すことができる.
4thQ
9週 正準変換と母関数 ハミルトン形式における,正準変換と母関数を理解することができる.
10週 演習問題 ハミルトン形式を用いて,質点の運動を解くことができる.
11週 ローレンツ変換 ローレンツ変換ついて理解できる.
12週 相対論的運動方程式 相対論的に不変な作用から質点の運動方程式を導くことができる.
13週 ゲージ場の運動方程式 相対論的に不変なゲージ場の作用から,マクスウェル方程式を導くことができる.
14週 素粒子標準模型 素粒子標準模型の概念を理解し,構成粒子を書き下すことができる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力40545
専門的能力401555
分野横断的能力000