物理学特論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理学特論
科目番号 R04AG1005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)配布プリント
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1) 解析力学のラグランジュ形式を理解し,作用原理から運動方程式を導出して保存則を導くことができる.(定期試験・課題)
(2) 解析力学のハミルトン形式を理解し,作用原理から運動方程式を導出して問題を解くことができる.(定期試験・課題)
(3) 特殊相対性理論とゲージ理論の基礎を理解し,作用原理から質点の運動方程式とゲージ場の運動方程式を導ける.(定期試験・課題)
(4) 素粒子標準模型の基礎を理解できる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)作用原理やオイラー・ラグランジュ方程式から導出した運動方程式を,具体的に解くことが出来る.ラグランジュ形式を理解し,オイラー・ラグランジュ運動方程式を導出して保存則を導くことができる.ラグランジュ形式を理解し,オイラー・ラグランジュ運動方程式を導出して保存則を導くことができない.
目的・到達目標(2)修正ハミルトンの原理からハミルトンの運動方程式を導出し,具体的に問題を解くことができる.ハミルトン形式を理解し,修正ハミルトンの原理から運動方程式を導出することができる.ハミルトン形式を理解し,修正ハミルトンの原理から運動方程式を導出することができない.
目的・到達目標(3)相対論的に不変なゲージ場の作用からマクスウェル方程式を導くことができる.特殊相対論的に不変な作用から,質点の運動方程式を導くことができる.特殊相対論的に不変な作用から,質点の運動方程式とマクスウェル方程式を導くことができない.
目的・到達目標(4)素粒子標準模型の構成粒子を全て書き下すことができる.素粒子の種類を書き下すことができる.素粒子の種類を書き下すことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(c) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
解析力学を通じてニュートン力学を最小作用の原理から定式化しなおし,実際の幾つかの問題に対して運動方程式を解くことで理解を深める.後半は,解析力学と関係の深い特殊相対性理論とゲージ理論について学び,素粒子標準模型についても触れる.物理学特論は2年生の宇宙地球科学につながる内容でもある.
(科目情報)
教育プログラム第3学年 ◎科目
授業の進め方・方法:
配布教科書を中心として,板書による授業を行う.教科書だけではどうしても理解が深まらないので,レポート課題を課し,演習問題を通じて理解を深める,
(事前学習)
教科書を読み予習してくることを前提として講義を進める.シラバスを参考に,予習をしっかり行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
かなり高度な内容を含むため,講義中でもわからないことが出てきたらすぐに質問して,参考書なども使い解決すること.メールでの質問も受け付けるため,必ずわからないところは分かるまで粘ること.
(自学上の注意)
わからないところはメールを活用し,随時質問して解消をすること.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)×0.65+(レポート課題の平均点)×0.35
(単位修得の条件について)
レポート課題の70%以上が提出されていることを条件とし,これを満足している者に対して,総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
レポート課題の70%以上が提出されていることを条件とし,これを満足している者に対して,再試験を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オイラー・ラグランジュ方程式 座標変換で共変なオイラー・ラグランジュ方程式を学ぶ.
2週 オイラー・ラグランジュ方程式 オイラー・ラグランジュ方程式が座標変換で共変的なことを確かめることができる.
3週 作用原理とオイラー・ラグランジュ方程式 作用原理から,オイラー・ラグランジュ方程式を導出することができる.
4週 作用と保存量 作用の不変性と保存量の関係を,ネーターの定理から学ぶ.
5週 演習問題 ラグランジュ形式を用いて,質点の運動を解くことができる.
6週 ハミルトニアン ハミルトニアンの定義を示すことができる.
7週 ハミルトンの運動方程式の導出 ハミルトニアンの運動方程式を導出できる.
8週 ポアソン括弧とハミルトンの運動方程式 ポアソン括弧を用いて,ハミルトニアンの運動方程式を書き直すことができる.
4thQ
9週 正準変換と母関数 ハミルトン形式における,正準変換と母関数を理解することができる.
10週 演習問題 ハミルトン形式を用いて,質点の運動を解くことができる.
11週 ローレンツ変換 ローレンツ変換ついて理解できる.
12週 相対論的運動方程式 相対論的に不変な作用から質点の運動方程式を導くことができる.
13週 ゲージ場の運動方程式 相対論的に不変なゲージ場の作用から,マクスウェル方程式を導くことができる.
14週 素粒子標準模型 素粒子標準模型の概念を理解し,構成粒子を書き下すことができる.
15週 後期期末試験 目的・到達目標(1)
目的・到達目標(2)
目的・到達目標(3)
目的・到達目標(4)
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験レポート課題合計
総合評価割合6535100
基礎的能力251035
専門的能力402565
分野横断的能力000