応用数学特論Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用数学特論Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:線形代数とベクトル解析 E.クライツィグ著 培風館/ 参考図:書電磁場とベクトル解析(現代数学への入門)深谷賢治著 岩波書店 曲線と曲面の微分幾何 小林昭七著 裳華房
担当教員 北川 友美子

到達目標

(1) ベクトル値関数及びその微分法の概念を理解し,使いこなせること.(定期試験,課題)
(2) ベクトル値関数が曲線及び力学における物体の運動の経路を学ぶために有用であることが認識できること.(定期試験,課題)
(3) 物理的にも幾何学的にも重要な三つの概念であるベクトル場の勾配,発散,回転について理解できること.(定期試験,課題)
(4)ベクトル解析について, 固体力学,流体力学,熱流,静電気などの諸分野における道具として認識できること.(定期試験,課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル値関数及びその微分法の概念を理解し,使いこなせること.ベクトル値関数及びその微分法の概念を理解できる.ベクトル値関数及びその微分法の概念を理解し,使いこなすことができない.
評価項目2ベクトル値関数が曲線及び力学における物体の運動の経路を学ぶために有用であることが認識できること.ベクトル値関数が力学における物体の運動の経路を学ぶために有用であることが認識できる.ベクトル値関数が曲線及び力学における物体の運動の経路を学ぶために有用であることが認識できない.
評価項目3 物理的にも幾何学的にも重要な三つの概念であるベクトル場の勾配,発散,回転について理解できること. 物理的にも幾何学的にも重要な概念であるベクトル場の勾配について理解できている. 物理的にも幾何学的にも重要な三つの概念であるベクトル場の勾配,発散,回転について理解できていない.
評価項目4ベクトル解析について, 固体力学,流体力学,熱流,静電気などの諸分野における道具として認識できること.ベクトル解析について, 力学における道具として認識できている.ベクトル解析について, 固体力学,流体力学,熱流,静電気などの諸分野における道具として認識できていない.

学科の到達目標項目との関係

数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力 JABEE基準1(2)(c) 説明 閉じる
自主的,継続的に学習する能力 JABEE基準1(2)(g) 説明 閉じる
数学、自然科学の力を身につける 大分高専 学習教育目標(B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
よく知られているように,力,速度等その他多くの物理量は一般にベクトルで取り扱われる.ゆえに,工学における専門分野を探求する上で,ベクトル解析は必要不可欠な存在である.本科目では,まず,3次元空間におけるベクトルおよびベクトル値関数を導入し,これらのベクトル値関数に対して微分法を展開する.さらに,定積分,2重積分の自然な一般化である線積分,面積分を定義し,基礎工学的な応用をいくつか与える.
授業の進め方・方法:
輪読を通じて,数学的手法を実際の物理現象と結びつけて理解できるよう意識して講義を進める.
注意点:
輪読形式であるので,毎回の予習が必須である.
総合評価60点以上を合格とする.
再試験は実施しない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 内積(スカラー積)と外積(ベクトル積) 3次元空間のベクトルの内積,外積について理解できる.
2週 スカラー3重積,導関数 ベクトル値関数の導関数,偏導関数の定義を理解し,計算できる.
3週 曲線のパラメーター表示 曲線,接線,弧の長さについて理解し,計算できる.
4週 スカラー場の勾配,方向微分 最大増加方向としての勾配,曲面の法線ベクトルとしての勾配について理解できる.
5週 スカラー場の勾配(2),ポテンシャル スカラー場の勾配とみなされるベクトル場(ポテンシャル)について理解できる.
6週 ベクトル場の発散 発散の不変性について理解できる.
7週 ベクトル場の回転 回転の不変性について理解できる.
8週 線積分 線積分の定義,一般的性質を理解し,計算できる.
2ndQ
9週 積分路に無関係な線積分 完全性及び積分路に対する独立性について理解できる
10週 曲面および曲面の法線 接平面と曲面の法線について理解できる.
11週 面積分 面積分の定義を理解し,計算できる.
12週 3重積分,ガウスの発散定理 体積積分と面積分との間の変換について理解し,計算できる.
13週 平面におけるグリーンの定理 発散定理の応用としてグリーンの定理が理解できる.
14週 ストークスの定理 面積分と線積分の間の変換について理解し,計算ができる.
15週 練習問題 様々なベクトル解析の性質を理解するため、基礎的な問題を理解する.
16週 前期期末試験の解答と解説 試験で理解度を測り,誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000