物理学特論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理学特論
科目番号 0007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1) 解析力学のラグランジュ形式を理解し,運動方程式を導出して保存則を導くことができる.(定期試験と課題)
(2) 解析力学のハミルトン形式を理解し,運動方程式を導出して問題を解くことができる.(定期試験と課題)
(3) 特殊相対性理論と一般相対性理論の基礎を理解し,質点の運動方程式とアインシュタイン方程式を作用から導くことができる.(定期試験と課題)
(4) 素粒子標準模型の基礎が理解できる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラグランジアンから導出した運動方程式を,具体的に解くことが出来る.解析力学のラグランジュ形式を理解し,運動方程式を導出して保存則を導くことができる.解析力学のラグランジュ形式を理解し,運動方程式を導出して保存則を導くことができない.
評価項目2ハミルトンの運動方程式,ハミルトン・ヤコビ方程式の両方から調和振動子を解くことができる.解析力学のハミルトン形式を理解し,運動方程式を導出して問題を解くことができる.解析力学のハミルトン形式を理解し,運動方程式を導出して問題を解くことができない.
評価項目3アインシュタイン方程式の特解である,シュワルツシルト解を導出できる.特殊相対性理論と一般相対性理論の基礎を理解し,質点の運動方程式とアインシュタイン方程式を作用から導くことができる.特殊相対性理論と一般相対性理論の基礎を理解し,質点の運動方程式とアインシュタイン方程式を作用から導くことができない.
評価項目4素粒子標準模型の対称性と,粒子を説明できる.素粒子標準模型の基礎が理解できる.素粒子標準模型の基礎が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力 JABEE基準1(2)(c) 説明 閉じる
自主的,継続的に学習する能力 JABEE基準1(2)(g) 説明 閉じる
数学、自然科学の力を身につける 大分高専 学習教育目標(B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
解析力学を通じてニュートン力学を最小作用の原理から定式化しなおし,実際の幾つかの問題に対して運動方程式を解くことで理解を深める.後半は,解析力学と関係の深い特殊相対性理論と一般相対性理論について学ぶ.物理学特論は2年生の宇宙地球科学につながる内容でもある.講義の最後には,素粒子標準模型についても触れる.
授業の進め方・方法:
ニュートン力学の拡張であるラグランジュ形式とハミルトン形式と呼ばれる2つの定式化の方法について学ぶ.また,多体系のような実際の幾つかの問題に対して,ラグランジアンやハミルトニアンから運動方程式を解くことで,理解を深める.後半は,解析力学と関係の深い特殊相対性理論と一般相対性理論について,ラグランジアンなどの観点から学ぶ.講義の最後には,現代物理学の基礎である素粒子標準模型について学ぶ.

(課題提出について)
課題の60%以上が提出されていることを条件とし,これを満足している者に対して,以下の総合評価が60点以上を合格とする.

(再試験)
再試験は行う.受験資格は問わない.
注意点:
(履修上の注意)
かなり高度な内容を含むため,講義中でもわからないことが出てきたらすぐに質問して,参考書なども使い解決すること.メールでの質問も受け付けるため,必ずわからないところは分かるまで粘ること.

(自学上の注意)
わからないところはメールを活用し,随時質問して解消をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 作用と最小作用の原理 作用と最小作用の原理,ラグランジアンの概念を理解する.
2週 運動方程式の導出 ラグランジュの運動方程式を導出することができる.
3週 保存量とネーターの定理 作用から保存量を導くことができる.
4週 練習問題 ラグランジュ形式で簡単な問題を解くことができる.
5週 ハミルトニアン ハミルトニアンの概念を学ぶ.
6週 運動方程式の導出 ハミルトニアンの運動方程式を導出できる.
7週 ハミルトン・ヤコビ方程式 ハミルトン・ヤコビ方程式について学び,簡単な問題を解くことができる.
8週 ローレンツ変換 ローレンツ変換ついて理解できる.
4thQ
9週 一般座標変換 一般座標変換について理解できる.
10週 アインシュタイン方程式 アインシュタイン方程式を最小作用の原理から導出できる.
11週 アインシュタイン方程式 アインシュタイン方程式を最小作用の原理から導出できる.
12週 最小作用の原理 アインシュタイン方程式を最小作用の原理から導出できる.
13週 最小作用の原理 アインシュタイン方程式を最小作用の原理から導出できる.
14週 素粒子標準模型 素粒子標準模型の概念を理解する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力40545
専門的能力401555
分野横断的能力000