熱物質移動論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 熱物質移動論
科目番号 31AMC110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科機械・環境システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ 伝熱工学 日本機械学会 2005.3 233ページ 2037円:http://shop.jsme.or.jp/shopdetail/000000000039/jsmetext/page1/recommend/
担当教員 小西 忠司

到達目標

熱分野は、熱の基本法則、熱的諸量の求め方、伝熱現象などについて理解し、熱機器を設計・製造・使用するさいに必要な能力を養うことを目標とする。熱物質移動論に関する事物・現象に関わり,工学的な見方・考え方を働かせ,見通しをもって学習することなどを通して,熱物質移動論に係わる事物・現象を工学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す.
(1) 熱物質移動論の事物・現象についての理解を深め,工学的に探究するために必要な計算・解析などに関する基本的な技能を身に付けるようにする.
(2) 計算などを行い,工学的に探究する力を養う.
(3) 熱物質移動論の事物・現象に進んで関わり,工学的に探究する態度を養う.
(4) 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について工学的に考察することを通して,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識力をを養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 総合評価80点以上標準的な到達レベルの目安 総合評価60点以上未到達レベルの目安 総合評価60点未満
評価項目1 伝導伝熱教員の説明で以下の項目が自力でできる。熱伝導の基礎・定常熱伝導,非定常熱伝導について理解できる.教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。
評価項目2 対流熱伝達教員の説明で以下の項目が自力でできる。対流熱伝達の概要・対流熱伝達の基礎方程式・管内流の層流強制対流,物体まわりの強制対流層流熱伝達・乱流熱伝達の概要・強制対流乱流熱伝達・自然対流熱伝達について理解できる.教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。
評価項目3 ふく射伝熱教員の説明で以下の項目が自力でできる。ふく射伝熱の基礎過程・黒体放射・実在面のふく射特性,ふく射熱交換の基礎,黒体面間および灰色面間のふく射伝熱・ガスふく射について理解できる.教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。
評価項目4 相変化を伴う伝熱教員の説明で以下の項目が自力でできる。相変化と伝熱・相変化の熱力学・沸騰伝熱の特徴・核沸騰・プール沸騰の限界熱流束・膜沸騰・流動沸騰・凝縮を伴う伝熱・融解・凝固を伴う伝熱・その他の相変化と伝熱について理解できる.教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。
評価項目5 物質伝達教員の説明で以下の項目が自力でできる。混合物と物質伝達・物質拡散・物質伝達の支配方程式・物質拡散の例・対流物質伝達・物質と熱の結合作用について理解できる.教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。
評価項目6 伝熱の応用と伝熱機器教員の説明で以下の項目が自力でできる。伝熱の応用と伝熱機器・熱交換器の基礎・熱交換器の設計法・機器の冷却・断熱技術・その他の伝熱機器・温度と熱の計測教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる左記の目標が達成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (E1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械・環境システム工学専攻では,準学士課程で修得した基礎学力を基盤に,地球環境に関わる各種環境問題にも対応可能な学際的・融合的教育を行っている。すなわち,機械システムと環境システムとの相互依存関係や高度な機械生産システムに深く関わる教育を展開することにより,専門性に富み,相互に関連した高度技術社会における自己表現能力を育み,グローバルな視野に立った,発想力,構想力,実現化能力を有した研究・開発型創造的技術者の養成を目的とする。自然界の系は、外界との相互作用を通じて絶えずその状態を変え新しい秩序構造を生み出して行くと同時に外界と種々の物理量を交換する.新しい秩序状態へと移行する非平衡動的過程とその変化速度を取り扱う輸送現象の基本的な解析手法を環境システムに関連する題材を用いて例示する.本講義では、保存則に従う質量・運動量・エネルギーの基礎方程式の導出方法,実問題への適用方法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
1. 原則として1コマ完結型とした講義を展開する.
2. 教科書と併用して,思考を整理したり促したり,思考の過程を振り返ることができる,到達目標達成評価課題を使用する.
3. 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を創造する学習を導入する.
4. AI時代に適応できるように自ら問題を設定する能力を養う.
注意点:
1. 受講に際して学問的誠実性(Academinc Integrity)を遵守すること 2.講義で配布する「到達度達成評価課題」は,各自保管すること 3. 定期試験は,主として「到達度達成評価課題」から出題する 4. 再試験は「到達度達成評価課題」の提出を受験条件とする

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1章 概論 
pp.1-21
学習到達度評価課題No.01の修了
伝熱工学の意義・伝熱とは・熱輸送とその様式・単位と単位系・伝熱の微視的理解・熱力学と伝熱との関係について理解できる.
2週 第2章 伝導伝熱(1)
pp.23-27
学習到達度評価課題No.02の修了
熱伝導の基礎・定常熱伝導について理解できる.
3週 第2章 伝導伝熱(2)
pp.28-37
学習到達度評価課題No.03の修了
定常熱伝導について理解できる.
4週 第2章 伝導伝熱(3)
pp.38-53
学習到達度評価課題No.04の修了
非定常熱伝導について理解できる.
5週 第3章 対流熱伝達(1)
pp.55-66
学習到達度評価課題No.05の修了
対流熱伝達の概要・対流熱伝達の基礎方程式・管内流の層流強制対流について理解できる.
6週 第3章 対流熱伝達(2)
pp.67-81
学習到達度評価課題No.06の修了
物体まわりの強制対流層流熱伝達・乱流熱伝達の概要について理解できる.
7週 第3章 対流熱伝達(3)
pp.82-98
学習到達度評価課題No.07の修了
強制対流乱流熱伝達・自然対流熱伝達について理解できる.
8週 第4章 ふく射伝熱(1)
pp.99-110
学習到達度評価課題No.08の修了
ふく射伝熱の基礎過程・黒体放射・実在面のふく射特性について理解できる.
2ndQ
9週 第4章 ふく射伝熱(2)
pp.111-122
学習到達度評価課題No.09の修了
ふく射熱交換の基礎,黒体面間および灰色面間のふく射伝熱・ガスふく射について理解できる.
10週 第5章 相変化を伴う伝熱
pp.123-159
学習到達度評価課題No.10の修了
相変化と伝熱・相変化の熱力学・沸騰伝熱の特徴・核沸騰・プール沸騰の限界熱流束・膜沸騰・流動沸騰・凝縮を伴う伝熱・融解・凝固を伴う伝熱・その他の相変化と伝熱について理解できる.
11週 第6章 物質伝達(1)
pp.161-168
学習到達度評価課題No.11の修了
混合物と物質伝達・物質拡散・物質伝達の支配方程式について理解できる.
12週 第6章 物質伝達(2)
pp.169-181
学習到達度評価課題No.12の修了
物質拡散の例・対流物質伝達・物質と熱の結合作用について理解できる.
13週 第7章 伝熱の応用と伝熱機器
pp.183-213
学習到達度評価課題No.13の修了
伝熱の応用と伝熱機器・熱交換器の基礎・熱交換器の設計法・機器の冷却・断熱技術・その他の伝熱機器・温度と熱の計測について理解できる.
14週 学習到達度評価課題の総仕上
学習到達度評価プレ試験No.1+受験
修了者:学習到達度評価プレ試験No.1+(No.14)受験
未修了者:学習到達度評価課題の完成
15週 期末試験 学習到達度評価試験No.1
到達レベル①知識・記憶レベル ②理解レベル ③適用レベル ④分析レベルについて、試験範囲から出題する
16週 期末試験の解答と解説 第1章〜第8章の範囲の前期期末試験の解答と解説をする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題試験合計
総合評価割合3070100
基礎的能力000
専門的能力3070100
分野横断的能力000