流体力学

科目基礎情報

学校	大分工業高等専門学校	開講年度	令和02年度 (2020年度)
授業科目	流体力学
科目番号	R02AMC109	科目区分	専門 / 選択
授業形態	授業	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	専攻科機械･環境システム工学専攻	対象学年	専1
開設期	前期	週時間数	前期:2
教科書/教材	菊川裕規他「学生ための流体力学入門」，パワー社
担当教員	菊川 裕規

到達目標

(1) 流体運動を記述する基礎方程式の導出方法が理解できる．(定期試験と課題)
(2) 完全流体の運動について流れの記述方法が理解できる．(定期試験と課題)
(3) 流れ関数と速度ポテンシャルを理解し，複素ポテンシャルによる流れの記述が理解できる．(定期試験と課題)
(4) 圧縮性流体，粘性流体，乱流，数値流体力学の基礎を理解できる.(定期試験と課題)

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1	流体運動を記述する基礎方程式を深く理解し，応用できる．	流体運動を記述する基礎方程式の導出方法が理解できる．	流体運動を記述する基礎方程式の導出方法が理解できない．
評価項目2	完全流体の運動について流れの記述方法を深く理解し，応用できる．	完全流体の運動について流れの記述方法が理解できる．	完全流体の運動について流れの記述方法が理解できない．
評価項目3	流れ関数と速度ポテンシャルを深く理解し，複素ポテンシャルによる流れの記述を深く理解できる．	流れ関数と速度ポテンシャルを理解し，複素ポテンシャルによる流れの記述が理解できる．	流れ関数と速度ポテンシャルを理解し，複素ポテンシャルによる流れの記述が理解できない．
評価項目4	圧縮性流体，粘性流体，乱流，数値流体力学の基礎を深く理解できる.	圧縮性流体，粘性流体，乱流，数値流体力学の基礎を理解できる.	圧縮性流体，粘性流体，乱流，数値流体力学の基礎を理解できない．

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (E1) （専門工学の知識を獲得する）

JABEE 1(2)(d)(1) （分野別要件－専門工学（工学（融合複合・新領域）における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする）の知識と能力）

教育方法等

概要:

水力学の基礎を踏まえて流体力学の基礎を学ぶ．水力学では巨視的な質量を持った連続体としての取り扱いをしたが，流体力学では微視的な連続体の変形運動の力学として基礎方程式を導く．流体運動という物理法則がいかに数学的な方程式の形で表現できるかを学ぶ．

（科目情報）
教育プログラム　第３学年　○科目
授業時間23.25時間
関連科目　熱物質移動論，熱流体計測，水力学(Ｍ科)，熱力学・水力学演習(Ｍ科)，流体機械(Ｍ科)，水理学Ⅰ(Ｃ科)，水理学Ⅱ(Ｃ科)，応用水理学(Ｃ科)

授業の進め方・方法:

講義形式で授業を進めるが，理解を深め継続的な学習ができるよう多くの課題を出す．

（課題提出について）
全課題の６０％以上の提出を単位修得の条件とする．

（再試験について）
総合評価が６０点に満たない者に対して適宜実施する．

注意点:

（履修上の注意）
講義の途中でもわからなくなったらすぐに質問してよいことにする．

（自学上の注意）
ベクトル解析について事前に学習しておくこと．
水力学(Ｍ科)または水理学(Ｃ科)を復習しておくこと．

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	第０章　導入 　流体力学をきずいた人々	流体力学の歴史が理解できる．
		2週	第１章　ベクトル表現 　div・grad・rotおよびベクトル演算	流体力学に必要なベクトル演算が理解できる．
		3週	第２章　流体の運動 　三次元流体運動の記述	伸縮・剪断・回転の各運動の記述が理解できる．
		4週	第３章　基礎方程式 　質量・運動量・エネルギー保存則	連続の式・運動方程式・運動量保存則・エネルギー保存則について方程式の導出が理解できる．
		5週	第４章　完全流体の運動 　非圧縮性渦なし流れ	非圧縮性渦なし流れの記述方法を理解できる．
		6週	第４章　完全流体の運動 　非圧縮性渦なし流れの応用	種々の非圧縮性渦なし流れの記述方法を理解できる．
		7週	第５章　ポテンシャル流れ 　流れ関数と速度ポテンシャル	流れ関数と速度ポテンシャルを用いた流れの記述が理解できる．
		8週	第５章　ポテンシャル流れ 　流れ関数と速度ポテンシャルの応用	流れ関数と速度ポテンシャルを用いた種々の流れの記述が理解できる．
	2ndQ
		9週	第６章　複素ポテンシャル 　複素ポテンシャルと写像	複素ポテンシャルを用いた流れの記述が理解できる．
		10週	第７章　圧縮性流体の流れ 　音波と衝撃波	圧縮性流体の代表として高速流れにおける衝撃波の記述が理解できる．
		11週	第７章　圧縮性流体の流れ 　ノズル内の流れ	ノズル内の流れと閉塞現象について理解できる．
		12週	第８章　粘性流体の流れ 　Navier-Stokes方程式と境界層理論	粘性流体の流れを理解し，諸方程式と境界層理論が理解できる．
		13週	第９章　乱流の基礎 　乱流場の記述と現象論	乱流場の数学的な記述および乱流現象より導かれた理論が理解できる．
		14週	第10章　数値流体力学 　Computational Fluid Dynamics概論	非線形方程式を離散化する解法として基礎的な概念が理解できる．
		15週	前期期末試験
		16週	前期期末試験の解答と解説	分からなかった部分を把握し理解できる．

評価割合

	試験	課題	合計
総合評価割合	80	20	100
基礎的能力	0	0	0
専門的能力	80	20	100
分野横断的能力	0	0	0