構造工学特論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 構造工学特論
科目番号 R05AMC210 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科機械・環境システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)これだけは知っておきたい 橋梁メンテナンスのための構造工学入門,編著(公社)土木学会 構造工学委員会,株式会社建設図書/(参考図書)なし
担当教員 名木野 晴暢

到達目標

(1) 橋の形式および橋の部材と役割を説明できる.(定期試験)
(2) 橋を長持ちさせるために必要なこと(アセットマネジメント,ライフサイクルマネジメント)を説明できる.(定期試験)
(3) 鋼構造とコンクリート構造の成り立ちと壊れ方を説明できる.(定期試験)
(4) 鋼桁,コンクリート桁および桁端・支承部の損傷を説明できる.(定期試験)
(5) 技術士一次試験(鋼構造に関する問題)および土木鋼構造診断士認定試験の過去問題を解くことができる.(定期試験)
(6) 課題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 (1) の評価指標橋の形式および橋の部材と役割をわかりやすく説明できる.橋の形式および橋の部材と役割を説明できる.橋の形式および橋の部材と役割を説明できない.
到達目標 (2) の評価指標アセットマネジメントとライフサイクルマネジメントの両方を説明できる.アセットマネジメントまたはライフサイクルマネジメントのどちらかを説明できる.橋を長持ちさせるために必要なことを説明できない.
到達目標 (3) の評価指標鋼構造とコンクリート構造の成り立ちと壊れ方を説明できる.鋼構造の成り立ちと壊れ方を説明できる.鋼構造とコンクリート構造の成り立ちと壊れ方を説明できない.
到達目標 (4) の評価指標鋼桁,コンクリート桁および桁端・支承部の損傷を説明できる.鋼桁の損傷を説明できる.鋼桁,コンクリート桁および桁端・支承部の損傷を説明できない.
到達目標 (5) の評価指標技術士一次試験(鋼構造に関する問題)および土木鋼構造診断士認定試験の過去問題を解くことができる.技術士一次試験(鋼構造に関する問題)の過去問題を解くことができる.技術士一次試験(鋼構造に関する問題)の過去問題を解くことができない.
到達目標 (6) の評価指標与えた課題をすべて提出でき,継続的な学習ができる.与えた課題を60%以上提出でき,継続的な学習ができる.与えた課題を提出できず,継続的な学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (E1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国民の生活や経済発展を支える社会インフラを長期にわたって安心・安全に利用するためには適切なメンテナンスが必要であり,「構造工学」の知識が必要になる.将来的に,一部の業務をAIに置き換えたとしても,構造工学を身につけた創造性豊かな技術者の必要性は失われないと言われている.本授業では,社会基盤構造物の一つである「橋梁」を対象として,そのメンテナンスに必要な「構造工学」の基礎知識の習得を目的としている.

教育プログラム 第4学年 〇科目
RM科目

授業の進め方・方法:
(授業の進め方)
まず,指定教科書を用いて基礎的な知識を修得する.次に,教科担当教員が作成した演習問題などを解くことで理解を深める.

(事前学習)
授業計画を確認し、教科書を活用して予習をしておくこと.

注意点:
(履修上の注意)
(1) 本授業は,本科で学んだ材料力学(M科)および構造力学(C科)の基礎知識があることを前提として実施する.
(2) 授業後に「技術士一次試験問題(建設部門)の鋼構造に関する問題」または「土木鋼構造診断士・診断士補認定試験」から数問を課題として与えることがある.
(3) 授業中にわからなくなったら積極的に質問すること.質問は歓迎する.また,こちらからも理解を促すような質問するように心掛けるので,間違いを気にせずに自分の考えを答えること.議論を交えながら理解を深めていくことを期待する.
(4) 授業時間外の質問も歓迎する.ALH等を利用して質問にくる際には,教科書と授業ノートを必ず持参すること.
(5) BYODを認めるので,理解度を高めるために各自の端末を積極的に活用すること.

(自学上の注意)
(1) 授業前に予習をし,授業後には十分な復習に努めること.
(2) 安全性を担保できるのであれば,身近にある橋梁を見に行き,学んだ内容を照らし合わせるような能動的学修がなされるとよい.

評価

(総合評価)
総合評価 = (2回の定期試験の平均点)× 0.7 +(課題の平均点)× 0.3

(単位修得の条件について)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする.

(再試験について)
再試験は実施しない.単位修得計画には十分に注意されたい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
社会基盤施設のメンテナンスの必要性と重要性
(1) 授業計画と評価方法を理解する.
(2) 社会基盤施設のメンテナンスの必要性と重要性を理解できる.
2週 メンテナンスに必要な構造工学:橋の形式(橋の名称と形状,橋の役割,生活と橋) (1) 橋の形式(橋の名称と形状,橋の役割,生活と橋)を理解できる.
3週 メンテナンスに必要な構造工学:橋の形式(力学に根ざす橋のかたち) (1) 橋の形式(力学に根ざす橋のかたち)を理解できる.
4週 メンテナンスに必要な構造工学:橋の部材と役割(橋の基礎知識,鋼橋の基礎知識) (1) 橋の部材と役割(橋の基礎知識,鋼橋の基礎知識)を理解できる.
5週 メンテナンスに必要な構造工学:橋の部材と役割(コンクリート橋の基礎知識,床版の基礎知識) (1) 橋の部材と役割(コンクリート橋の基礎知識,床版の基礎知識)を理解できる.
6週 メンテナンスに必要な構造工学:橋を長持ちさせるために必要なこと(橋を長持ちさせるためには,アセットマネジメントの考え方) (1) アセットマネジメントの考え方を理解できる.
7週 メンテナンスに必要な構造工学:橋を長持ちさせるために必要なこと(ライフサイクルマネジメント) (1) ライフサイクルマネジメントを理解できる.
8週 前期中間試験
※ 前期中間試験が9週に実施される年度も試験範囲は1週から7週までの内容
到達目標 (1), (2), (5)
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説

メンテナンスに必要な構造工学:はりとは(はりを考えるために大切なこと)
分からなかった部分を理解することができる.また,今後同様の問題が出題されたときは,正しい考え方に基づいて解答することができる.

(1) 「はり」を説明できる.
10週 メンテナンスに必要な構造工学:はりの支点反力
メンテナンスに必要な構造工学:様々な荷重を受ける単純ばりの断面力図
(1) はりの支点反力を理解できる.
(2) 様々な荷重を受ける単純ばりの断面力図を描くことができる.
11週 メンテナンスに必要な構造工学:連続ばり
メンテナンスに必要な構造工学:はりに生じる応力とひずみ
(1) 連続ばりの利点を力学的に説明できる.
(2) はりに生じる応力と合応力,ひずみを理解できる.
12週 メンテナンスに必要な構造工学:鋼構造とコンクリート構造の成り立ちと壊れ方 (1) 鋼構造とコンクリート構造の成り立ちと壊れ方を理解できる.
13週 メンテナンスの実例に学ぶ構造工学:鋼桁,コンクリート桁 (1) 鋼桁,コンクリート桁の損傷を理解できる.
14週 メンテナンスの実例に学ぶ構造工学:鉄筋コンクリート床版,桁端・支承部 (1) 鉄筋コンクリート床版,桁端・支承部の損傷を理解できる.
15週 前期期末試験
※ 前期中間試験が9週に実施される年度も試験範囲は9週から15週までの内容
到達目標 (3), (4), (5)
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を理解することができる.また,今後同様の問題が出題されたときは,正しい考え方に基づいて解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力402060
分野横断的能力000