到達目標
(1) 塑性加工の原理を理解する.(定期試験と課題)
(2) 基本的加工方法とその加工方法を用いた良好な加工技術とはどういうことか,また加工限界,加工における潤滑の
問題などを取り扱うことが出来る知識を習得する.(定期試験と課題)
(3) 基礎的な塑性力学を学ぶことにより,材料の変形と加工力を解析する能力を身につける.(定期試験と課題)
(4) 自主的・継続的な学習および演習により,理解を深めることができる.(課題・レポート)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標 (1) の評価指標 | 塑性加工の基本原理を理解しており,最適な塑性加工法が提案できる. | 塑性加工の基本原理を理解しており,名称を正しく答え,説明できる. | 塑性加工の基本原理を理解できない. |
到達目標 (2) の評価指標 | 基本的加工方法とその加工方法を用いた良好な加工技術とはどういうことか,また加工限界,加工における潤滑の問題などを取り扱うことが出来る知識を身につけている. | 良好な加工技術が提案でき,加工限界を示すことができる. | 良好な加工技術がどういうものであるか示せない. |
到達目標 (3) の評価指標 | 基礎的な塑性力学を理解しており,材料の変形と加工力を解析する能力がある. | 塑性力学の基礎を理解し,トレスカおよびフォン・ミーゼスの降伏条件を計算することができる. | 塑性力学の基礎が理解できない. |
到達目標 (4) の評価指標 | 製品加工に最適な塑性加工法を提案できる. | 各種塑性加工法を理解し,基本加工法による解決ができる. | 各種塑性加工法が理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (E1)
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JABEE 1.2(d)(1)
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教育方法等
概要:
多くの工業製品や日常製品は,成形・加工する際に,無駄の無い,効率的な塑性加工にて造られている.ここでは基本的な塑性加工技術を周辺技術をも含めて講義するとともに,塑性変形解析のための塑性力学の基礎能力を養い,実際の応用分野においてもその基礎能力が展開できる力を養うことを目標とする.
(科目情報)
教育プログラム第3学年 〇科目
関連科目 材料強度学,弾性力学,生体材料工学,トライボロジー(M科),材料学Ⅰ・Ⅱ(M科),材料力学Ⅰ・Ⅱ(M科)
授業の進め方・方法:
塑性加工の種類を正しく理解するため,実例を多く提示し,最適なプロセスを資料の説明を加えながら展開する。力学系の領域では,変形した物体の状態を理解し,その状態を応力,ひずみ等の用語を用いて説明し,計算できるような力を身につけるための授業展開をする。また物質や形状等を考慮し,作用する力に対する応力やひずみを求めることができるように,図表を多用して解説する。
(事前学習)
塑性変形を利用した各製品事例を授業内容と結び付けておくこと。また塑性力学では一次変換,モールの応力円,微小要素のつり合いなど復習しておくこと。
注意点:
(履修上の注意)
1.配布するプリントは,授業で補足する大事な点を書き込んだり,問題を解く場合に使用するので,整理してファイリングしておくとよい.
2.塑性加工学の基礎事項を取り扱った入門書など,自分に合った参考書等で事前に学習しておくこと.さらに関連科目として材料力学,材料学についての予備知識が必要であるので,復習しておくこと.
(自学上の注意)
継続的な学習に取り組むと共に,課題は必ず自力で解き,内容を理解して身につけること.
評価
到達目標の(1)~(3)について,1回の試験(テスト)と課題で評価する.
(総合評価)
・総合評価=0.8×定期試験の素点+0.2×(課題の平均点)
(単位修得の条件について)
・総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
・再試験は総合評価が60点に満たない者に対して実施する.なお,全ての課題を提出した者に対して受験資格を与える.
・ただし,正当な理由なく定期試験を欠席した者には再試験は行わない.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1.塑性加工の概要と素材の作り方 |
部品製造における塑性加工の位置づけ,および各塑性加工法の特徴が理解できる.
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2週 |
1.塑性加工の概要と素材の作り方 2.加工法のいろいろ |
部品製造時の最適加工法が理解できる.
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3週 |
2.加工法のいろいろ |
圧延加工の特徴を理解して,加工荷重が計算できる.
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4週 |
2.加工法のいろいろ |
鍛造加工の特徴を理解して,加工荷重が計算できる.
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5週 |
2.加工法のいろいろ |
押出しと引抜き加工の違いが理解できる.
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6週 |
2.加工法のいろいろ |
せん断,曲げ,絞り加工の特徴が理解できる.
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7週 |
2.加工法のいろいろ |
成形製品の形状とr値との関係を理解し,計算により,成形性や成形時の限界が評価できる.
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8週 |
3.金属の変形抵抗 |
金属材料の変形抵抗に及ぼす各影響因子が理解できる.
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4thQ |
9週 |
4.材料の性質とその利用法 |
塑性加工用材料,結晶構造,加工硬化のメカニズムや回復と再結晶が理解できる.また,結晶粒の影響や加工と熱処理の作用,加工限界が説明できる.
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10週 |
5.塑性加工のトライボロジー 6.塑性力学の基礎 |
塑性加工の潤滑の特徴を理解し,そのメカニズムが理解できる.また,焼付き,工具摩耗,表面粗さの特徴が理解できる.
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11週 |
6.塑性力学の基礎 |
材料に表面変位を与えた場合,応力,ひずみ,変位,仕事などがどのように分布するかを解析できる.
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12週 |
6.塑性力学の基礎 |
弾性状態が塑性状態の移り変わる降伏条件と,応力とひずみを関係付ける構成式が理解できる.
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13週 |
7.加工および解析の実際 |
加工力,加工圧力を計算するための近似解法が理解できる.
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14週 |
7.加工および解析の実際 |
平面ひずみ,軸対称変形を対象として,演習で理解を深め,数値解析の有効性が説明できる.
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15週 |
後期期末試験 |
到達目標(1)~(3)
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16週 |
後期期末試験の解答と解説 |
理解度確認と分からなかった点を把握し理解できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |