生体情報工学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 生体情報工学
科目番号 30AES205 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科電気電子情報工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 (教科書)担当教員作成の冊子(参考図書に基づく) /(参考図書)J.Hertz, Introduction to the theory of neural computation,AddisonWesley Pub.
担当教員 木本 智幸

到達目標

(1) 並列情報処理の存在を理解して発想を広くもち,ノイマン型情報処理との違いを理解できる.(定期試験)
(2) エネルギー関数の概念を理解し,説明できる.(定期試験,課題)
(3) 並列情報処理アルゴリズムを簡単な最適化問題やコンピュータビジョンに適用できる.(定期試験,課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1並列情報処理の存在を理解して発想を広くもち,ノイマン型情報処理との違いを理解でき,計算に利用できる.並列情報処理の存在を理解して発想を広くもち,ノイマン型情報処理との違いを理解できる.並列情報処理の存在を理解して発想を広くもち,ノイマン型情報処理との違いを理解できない.
評価項目2エネルギー関数の概念を理解し,説明できる.エネルギー関数の概念を理解できる.エネルギー関数の概念を理解できない.
評価項目3並列情報処理アルゴリズムを簡単な最適化問題やコンピュータビジョンに適用できる.並列情報処理アルゴリズムを簡単な最適化問題やコンピュータビジョンに適用できることを理解できる.並列情報処理アルゴリズムを簡単な最適化問題やコンピュータビジョンに適用できことが理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (E1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
脳の構造をまねて作られた情報処理機構であるニューラルネットワークについて講義する.階層型モデルとリカレント型モデルの基本を学び,パターン分類,パターン復元,最適化問題,コンピュータビジョンなどの情報処理に応用する方法についても学ぶ.また実際の脳の視覚野における情報処理機構も講義する.

(科目情報)
教育プログラム 第4学年 ○科目
授業時間 23.25時間
関連科目 コンピュータ(E科4年),ソフトウェア設計Ⅱ(S科5年),パターン認識(専攻科)
授業の進め方・方法:
座学を中心に進めるが,理解を助けるために,数多くのコンピュータシミュレーションを見せる.感覚的な理解の上で,数式の理解にも努めてほしい.

(再試実施条件)
総合評価が50点以上60点未満の学生には再試験を行い,60点以上取得で合格とする.正当な理由なく定期試験を欠席した者や不正行為により不合格となった者には再試験は行わない.
注意点:
(履修上の注意)
階層型ニューラルネットワークの学習およびリカレント型ニューラルネットワークの学習&状態変化には,エネルギーの概念が出てくる.重要な概念であるため意識して理解すること.Hopfieldモデルは統計物理のスピングラスモデルを脳モデルに焼き直したものである.よって計算機科学の研究を行う学生だけでなく,物性系の研究を行う学生にも有用である.

(自学上の注意)
適宜,宿題を出すので,定期試験で十分な力が発揮できるよう独力および書籍等を参考にして理解しながら解答し,提出すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1章 脳とノイマン型コンピュータ
神経回路のモデル化(マカロピッツニューロン他)と情報表現
脳とノイマン型コンピュータの比較を行い,各々の特徴を理解できる.
2週 第2章 階層型ニューラルネットワーク
2-1 パーセプトロン型ネットワークと学習則
もっとも簡易な階層型ニューラルネットワークの一つである,パーセプトロンについて理解し説明できる.
3週 2-2 XOR問題と誤差逆伝播学習則 パーセプトロンの学習限界について理解し説明できる.また,パーセプトロンの学習限界を解決する階層化と,そのネットワークを学習するための誤差逆伝播学習則を理解し説明できる.
4週 2-3 情報処理装置への応用 階層型ニューラルネットワークの簡単な工学応用の例を理解し説明できる.
5週 同上 同上
6週 第3章 Hopfieldモデル
3-1 連想記憶モデルの想起と学習
最も簡易はリカレント型ニューラルネットワークであるHopfieldモデルを理解し説明できる.
7週 3-2 連想記憶モデルへのエネルギー関数の導入
Hopfieldモデルには力学的エネルギー関数が存在し,アトラクタ構造を持つことを理解し説明できる.
8週 3-3 最適化問題への応用とシミューレーテッドアニーリング アトラクタを持つ性質を利用して,最適化問題の解法として利用できることを理解し説明できる.情報処理に確率動作を導入することで,ローカルミニマムから脱する方法について理解し説明できる.
2ndQ
9週 同上 同上
10週 第4章 脳の視覚野の生理学的知見
網膜から初期視覚野へ
初期視覚野から前頭葉・側頭葉・頂頭葉へ
実際の脳の生理学的知見を理解できる.オンオフセンターセル,方位選択性細胞,コラム構造,受容野などについて学習する.
11週 第5章 コンピュータビジョン
5-1 畳み込みニューラルネットワークによる物体認識
深層学習技術に関するネットワーク構造および学習法について理解し説明できる.
12週 同上 同上
13週 5-2 不良設定問題への適用(小窓問題と陰影情報からの3D復元) 様々な不良設定問題を標準正則化理論と呼ばれる解法で統一的に解く方法について理解し,ハードウェア実現に関してニューラルネットワークの使用が適していることを理解し説明できる.
14週 同上 同上
15週 前期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000