生体情報工学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生体情報工学
科目番号 R05AES204 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科電気電子情報工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 (教科書)担当教員作成の冊子(参考図書に基づく) /(参考図書)なし
担当教員 木本 智幸

到達目標

(1) 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や,その応用法について理解し,説明できる.(定期試験)
(2) クラス分類問題と回帰問題およびそれに適した誤差関数や確率的勾配降下法について理解し,説明できる.(定期試験,課題)
(3) コンピュータビジョンについて理解し,説明できる.(定期試験,課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)の評価指標畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や,その応用法について理解し,説明できる.畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や応用法について理解できるが,説明できない.畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を理解できない.
目的・到達目標(2)の評価指標クラス分類問題と回帰問題およびそれに適した誤差関数や確率的勾配降下法について理解し,説明できる.クラス分類問題と回帰問題およびそれに適した誤差関数や確率的勾配降下法について理解できる.誤差関数や確率的勾配降下法について理解できない.
目的・到達目標(3)の評価指標コンピュータビジョンについて理解し,説明できる.コンピュータビジョンについて理解しできる.コンピュータビジョンについて理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (E1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
脳の構造をまねて作られた情報処理機構であるニューラルネットワークについて講義する.現在,高い識別性能を出している畳込みニューラルネットワーク(CNN)とその応用例,各種AIモデルについて学び,自らもAIを使ったアイデアを考える.コンピュータビジョンなどの情報処理に応用する方法についても学ぶ.また実際の脳の視覚野における情報処理機構も講義する.

(科目情報)
教育プログラム 第4学年 ○科目
授業の進め方・方法:
(事前学習)
前回までの授業内容の完全理解に努めること.座学を中心に進めるが,理解を助けるために,数多くのコンピュータシミュレーションを見せる.感覚的な理解の上で,数式の理解にも努めた上で授業を聞くこと.
注意点:
(履修上の注意)
AIがどのような場面,どのような問題に適用すると効果的であるかを考えながら講義を受けることを希望します.近い将来,この授業で習ったことをベースに製品開発に利用する人も多くなると思われるため,この授業を通しAIとは何なのかを理解してほしい.

(自学上の注意)
適宜,宿題を出すので,定期試験で十分な力が発揮できるよう独力および書籍等を参考にして理解しながら解答し,提出すること.

評価

(総合評価)
定期試験(100点満点)×0.65+課題35点で評価する.

(単位修得の条件)
総合評価が60点以上を合格とする.

(再試実施条件)
総合評価が50点以上60点未満の学生には再試験を行い,60点以上取得で合格とする.正当な理由なく定期試験を欠席した者や不正行為により不合格となった者には再試験は行わない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディープラーニングの歴史,神経細胞のモデル化(マカロピッツニューロン他)と情報表現について学ぶ ディープラーニングの歴史を理解できる.神経細胞のモデル化を理解し,説明できる
2週 単純パーセプトロンと学習則について学ぶ もっとも簡易なニューラルネットワークの一つである,パーセプトロンについて理解し説明できる.
3週 単純パーセプトロンの線形分離性と学習限界,多層パーセプトロンによる線形分離不可能問題への対応について学ぶ パーセプトロンの学習限界について理解し説明できる.また,パーセプトロンの学習限界を解決する階層化を理解し説明できる.
4週 交差エントロピー誤差と2乗和誤差および多層パーセプトロンの学習測(誤差逆伝搬学習法)について学ぶ 階層型ニューラルネットワークが使う誤差関数と誤差逆伝搬学習測を理解できる
5週 誤差逆伝搬を利用したEX-OR問題の解法
深層ニューラルネットワークの勾配消失への対応法について学ぶ
勾配消失が起きる原因と勾配消失への様々な対応法を理解できる
6週 確率的勾配降下法とその改良,実際の脳の視覚野の構造について学ぶ 学習においてローカルミニマムを脱するための各種手法について理解できる
脳の視覚野の細胞の処理について理解できる
7週 ネオコグニトロンと畳み込みニューラルネットワーク(CNN)について学ぶ ネオコグニトロンと畳み込みニューラルネットワーク(CNN)について理解し,説明できる
8週 CNNの性能を向上させる学習手法(ドロップアウト,転移学習),CNNの各種応用例について学ぶ CNNの性能を向上させる学習手法(ドロップアウト,転移学習)を理解し,説明できる
2ndQ
9週 物体検出モデルYOLOについて学ぶ AIモデル(YOLO)について理解し,説明できる
10週 セマンテックセグメンテーションモデルU-net,画像生成モデルpix2pixについて学ぶ AIモデル(U-netやpix2pix)を理解し,説明できる
11週 画像生成モデルGAN,教師無し学習モデルVAEについて学ぶ AIモデル(GANやVAE)を理解し,説明できる
12週 学生によるAIの応用アイデア発表を行う 学生自身でAIの応用例を考えて,他人に説明できる
13週 不良設定問題への適用(小窓問題と陰影情報からの3D復元)について学ぶ 様々な不良設定問題を標準正則化理論と呼ばれる解法で統一的に解く方法について理解し,ハードウェア実現に関してニューラルネットワークの使用が適していることを理解し説明できる.
14週 脳の錯覚現象について学ぶ 脳の錯覚現象を理解する
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合65000035100
基礎的能力0000000
専門的能力65000035100
分野横断的能力0000000