電子物性

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子物性
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 専攻科電気電子情報工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 松澤剛雄ら「新版 電子物性」,電子情報通信学会(森北出版)
担当教員 田中 大輔

到達目標

(1) 電子の運動とエネルギーの取り扱いについて理解する.(課題/定期試験)
(2) 結晶の格子振動と比熱についての現象や取扱い方について理解する.(課題/定期試験)
(3) 固体内の電子の散乱機構を学び,金属,絶縁体,半導体中の電子の運動について理解する.(課題/定期試験)
(4) 物質の磁気的,誘電的性質,光学的性質を理解する.(課題/定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子の運動とエネルギーの取り扱いについて理解することができ,それらについての問題が解ける.電子の運動とエネルギーの取り扱いについて理解することができる.電子の運動とエネルギーの取り扱いについて理解することができない.
結晶の格子振動と比熱についての現象や取扱い方について理解することができ,問題が解ける.結晶の格子振動と比熱についての現象や取扱い方について理解することができる.結晶の格子振動と比熱についての現象や取扱い方について理解するができない.
固体内の電子の散乱機構を学び,金属,絶縁体,半導体中の電子の運動について理解することができ,問題が解ける. 固体内の電子の散乱機構を学び,金属,絶縁体,半導体中の電子の運動について理解することができる. 固体内の電子の散乱機構を学び,金属,絶縁体,半導体中の電子の運動について理解することができない.
物質の磁気的,誘電的性質,光学的性質を理解することができ,問題が解ける.物質の磁気的,誘電的性質,光学的性質を理解することができる.物質の磁気的,誘電的性質,光学的性質を理解することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子材料が示す種々の性質には,材料内での電子の振る舞いが大きな役割を果たしている.電子材料の新規開発や改良及びこれらの材料を用いた電子デバイスの動作の理解には,この材料内での電子の振る舞いの理解が必要不可欠である.本教科では,電子状態を記述するシュレディンガー方程式,固体のバンド理論,固体中の電子伝導,比熱,量子サイズ効果などについて学び,種々の電子物性を理解するための基礎知識を得る.
授業の進め方・方法:
教科書と板書ベースに講義を進める.適宜,課題を設ける.
注意点:
講義は教科書を基本に進めるが,教科書を補うためにプリントを配付
するので,各自ファイリングをしておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子の電荷とエネルギー 電気素量等について復習し,クーロンブロッケード現象について学ぶ.
2週 熱エネルギー 熱エネルギー,エネルギー等分配則,ボルツマン因子等について学ぶ.
3週 電子に働く力と運動 真空中の電子について考え,空間電荷制限電流等について学ぶ.
4週 結晶構造と結合 結合種と結晶構造,X線回折による構造解析について学ぶ.
5週 格子振動と格子比熱 格子振動と格子比熱について考え,デュロンプティの法則や,デバイのT3則などについて学ぶ.
6週 同上 同上
7週 電気抵抗率と熱 材料ごとの電気抵抗率と温度の関係について学ぶ.
8週 原子核に束縛された電子 水素原子モデルをもとに束縛された電子について学ぶとともに,量子力学のための基礎を身につける.
4thQ
9週 同上 同上
10週 エネルギーバンド理論 自由電子モデルから出発し,クローニッヒペニーモデルについて学ぶ.
11週 物質の磁気的性質 磁気的物理量について量子力学的取扱いを理解し磁性の性質を学ぶ.
12週 物質の誘電的性質 局所電界の概念から分極機構を理解し,周波数依存性を考察する.
13週 物質の光学的性質 光子の性質を理解し,光の放出と吸収の過程を理解し,エレクトロルミネセンス等の原理を理解する.
14週 固体の量子効果(超電導,量子ドット) 超電導材料や量子ドットなど,量子効果を利用した材料について学ぶ.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000