数理論理学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 数理論理学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 専攻科電気電子情報工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 坪井明人,数理論理学の基礎・基本,牧野書店.
担当教員 徳尾 健司

到達目標

(1) 本講義で用いる数学概念について理解できる.(定期試験と小テスト)
(2) 命題論理について理解できる.(定期試験と小テスト)
(3) 述語論理について理解できる.(定期試験と小テスト)
(4) 完全性定理の証明とその意味について理解できる.(定期試験と小テスト)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
本講義で用いる数学概念について理解できる.本講義で用いる数学概念について,他者に説明できるレベルで理解している.本講義で用いる数学概念について,講義で取り上げた例題を解くことができる.本講義で用いる数学概念について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.
命題論理について理解できる.命題論理について,他者に説明できるレベルで理解している.命題論理について,講義で取り上げた例題を解くことができる.命題論理について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.
述語論理について理解できる.述語論理について,他者に説明できるレベルで理解している.述語論理について,講義で取り上げた例題を解くことができる.述語論理について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.
完全性定理の証明とその意味について理解できる.完全性定理の証明とその意味について,他者に説明できるレベルで理解している.完全性定理の証明とその意味について,講義で取り上げた例題を解くことができる.完全性定理の証明とその意味について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
論理とは,状況によらず成立する正しい考え方・普遍的推論方法のことである.本講義は,述語論理の完全性定理 (Gödel) を厳密に証明することを目標とする.完全性定理は,論理というものを完全にかつ具体的に記述できることを主張している.

(科目概要)
教育プログラム 第3学年 ○科目
授業時間 23.25時間
関連科目 論理数学,情報数学,形式言語理論,計算理論,知識工学
 
授業の進め方・方法:
原則として毎回,授業内容の理解を問う小テストを実施するので,授業を良く聞いて理解に努めること.

(参考図書)
Chang & Keisler, Model Theory, Third Ed., Dover Publications.

(再試験について)
総合評価が60点未満の者に対して実施する場合がある.受験資格者については試験解説時にアナウンスする.
 
注意点:
(履修上の注意)
配布プリントを整理するためのクリアファイル(A4サイズ)を用意すること.

(自学上の注意)
教科書を用いて各自予習・演習を行うことが望ましい.
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 準備 (1) (集合/集合のBoole結合/同値関係/順序) 数学用語・概念の準備をする.
2週 準備 (2) (関数/濃度/Zornの補題) 数学用語・概念の準備をする.
3週 命題論理 (1) (命題論理の論理式/真理値表と真理値割り当て/トートロジー) 命題論理について,基本的な事項から始めて,トートロジーと充足性の概念を定義する.充足性に関して,コンパクト性定理を証明する.
4週 命題論理 (2) (充足性/命題論理におけるコンパクト性) 命題論理について,基本的な事項から始めて,トートロジーと充足性の概念を定義する.充足性に関して,コンパクト性定理を証明する.
5週 復習と応用演習 (1)
6週 述語論理 (1) (言語,変数,論理記号/ 項/論理式/論理の公理) 述語論理について,言語,項,論理式などの概念について正確に述べた後で,論理の公理と推論規則からなる論理の形式的体系を導入する.完全性定理を証明するために必要な二つの重要な補題を証明することが中心になる.
7週 述語論理 (2) (推論規則/形式的証明の具体例) 述語論理について,言語,項,論理式などの概念について正確に述べた後で,論理の公理と推論規則からなる論理の形式的体系を導入する.完全性定理を証明するために必要な二つの重要な補題を証明することが中心になる.
8週 述語論理 (3) (仮定のある証明/重要な補題) 述語論理について,言語,項,論理式などの概念について正確に述べた後で,論理の公理と推論規則からなる論理の形式的体系を導入する.完全性定理を証明するために必要な二つの重要な補題を証明することが中心になる.
4thQ
9週 構造 (構造の定義/項の解釈/論理式の解釈/モデル) 論理式に意味を与える構造の概念を定義する.
10週 復習と応用演習 (2)
11週 完全性定理 (1) (形式的体系の復習/完全性定理の証明の準備/完全性定理の証明) 完全性定理(“論理式の集合が矛盾していなければ,それらを成立させる構造がある”)を正確に述べて,その証明を与える.
12週 完全性定理 (2) (完全性定理の考察) 完全性定理(“論理式の集合が矛盾していなければ,それらを成立させる構造がある”)を正確に述べて,その証明を与える.
13週 完全性定理の応用―超準解析 (1) (Rの拡大/連続関数) 完全性定理の応用として,超準解析について述べる.無限小の概念を数学的に厳密に定義して,微積分の初歩をこの立場で議論する.
14週 完全性定理の応用―超準解析 (2) (コンパクト集合/微分可能性/積分/重積分) 完全性定理の応用として,超準解析について述べる.無限小の概念を数学的に厳密に定義して,微積分の初歩をこの立場で議論する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100