応用物理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 応用物理
科目番号 0041 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 原康夫著「物理学基礎」(学術図書)ISBN978-4-7806-0525-9/配布プリント(自作)、(参考資料:山本義隆著「新・物理入門」(駿台文庫)ISBN4-7961-1618-4、兵頭俊夫著「考える力学」(学術図書出版社) ISBN978-4-87361-099-3、松下貢著「物理数学」(裳華房)ISBN4-7853-2087-7、稲見武夫著「常微分方程式」(岩波書店)ISBN4-00-007973-5)
担当教員 阿部 裕悟

到達目標

1)多くの物理概念や物理量を含んだ問題を解くことができる。
2)物理の法則の数式を説明することができ、問題を解くことができる。
3)微分積分を用いた物理の法則を導き、かつ論理的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1多くの物理量を含んだ問題を解くことができる。物理量の意味をイメージでき、説明することができる。物理量を計算し、単位付きで表示することができる。物理量の定義を一部は説明することができる。定義式を用いた特定の計算はできる。
評価項目2物理法則の数式を説明することができ、問題を解くことができる。重要な物理法則を用いて、問題を解くことができる。重要な物理法則の一部の説明はできる。
評価項目3微分積分を用いた物理の法則を導き、かつ論理的に説明できる。微分積分を用いた物理の法則を導くことができる。微分積分を用いた物理の法則を一部導くことができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然科学の基礎となる物理学の基本的な概念や原理に対する理解を深め、論理的に考える力と知識を応用する力を養成する。
1、2年の物理における物体の運動についての基礎知識を踏まえて、ベクトル演算、微分、積分などの数学を用いて現象をより深く理解する方法を身に付ける。
授業の進め方・方法:
黒板板書をノートに写し、授業内容の問題についてグループワークで議論しながら取り組む。
1) 板書を写すノート、授業プリントや課題を綴じるためのB5ファイルを用意すること。
2) アクティブラーニングを導入した授業を行うので事前に予習をすること。三角関数、2次関数、ベクトル及び微分積分について理解しておくこと。
3) 物理の理解をするには、授業以外での学習が必須である。自ら本やネットを用いて、予習や復習に重点をおいて学習すること。
注意点:
板書を写すノートを用意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.物理学について(科学史)
授業計画・達成目標・成績の評価方法を知る。
物理学の歴史と概論を学ぶ。
2週 2.運動
2-1.位置、速度、加速度

微分積分を用いた、位置・速度・加速度の関係を理解する。
3週 2-1.位置、速度、加速度 微分積分を用いた、位置・速度・加速度の関係を理解する。
4週 2-2.ベクトル ベクトル表記への拡張を学習する。
5週 2-3.等速円運動 極座標表記を学び、等速円運動の位置・速度・加速度の関係を理解する。
6週 3.力と運動
3-1.ニュートンの運動法則

運動の法則を理解する。
7週 3-2.力のつり合い 力の数え上げを行い、つり合い式を立てることができる。
8週 3-3.運動方程式 運動方程式を理解し、立式手順を学び解くことができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 2-1から3-2までの内容について問題が解ける。
10週 試験答案の返却及び解説
3-4.微分方程式の解法

1階線形微分方程式について、変数分離法を理解する。
11週 3-4.微分方程式の解法 1階線形微分方程式について、変数分離法を理解する。
12週 3-5.摩擦力、抵抗力、雨滴の落下 摩擦力や抵抗力を学び、雨滴の落下運動について微分方程式を解く。
13週 4.単振動
4-1.単振動の運動方程式

単振動の運動方程式を学び、解を求める。
14週 4-2.振動解と等速円運動 単振動の解の振る舞いを学び、等速円運動の射影と比較する。
15週 4-3.減衰振動、強制振動 2階線形微分方程式の形を学び、減衰運動や強制振動を理解する。
16週 前期末試験 3-3から4-3までの内容について問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 5.仕事とエネルギー
5-1.仕事と仕事率

仕事に関して、力学的な定義と積分を用いた表記法を学習する。
2週 5-2.仕事と運動エネルギー 仕事と運動エネルギーの関係を導ける。
3週 5-3.保存力と位置エネルギー 重力や弾性力に関する位置エネルギーについて理解する。
4週 5-4.力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則から、運動を求められる。
5週 5-5.万有引力 万有引力に関する位置エネルギーを学習し、問題が解ける。
6週 6.回転運動
6-1.ベクトル解析入門

ベクトル内積の基本性質を復習し、ベクトル外積の基本性質を身につける。
7週 6-2.力のモーメント、角運動量 力のモーメントと角運動量が計算できる。
8週 6-3.角運動量保存則、ケプラーの法則 角運動量保存則を理解し、ケプラーの法則を導くことができる。
4thQ
9週 後期中間試験 5-1から6-3までの内容について問題が解ける。
10週 試験答案の返却及び解説
7.二体系・多体系
7-1.重心の位置ベクトル


質点系の重心の位置ベクトルが求められる。
11週 7-2.重心の運動方程式
7-3.質点系の運動量・角運動量
重心の運動方程式を導ける。
質点系の運動量保存則・角運動量保存則を理解する。
12週 8.剛体
8-1.剛体のつりあい

剛体についてのつり合いの式を立てて、問題が解ける。
13週 8-2.固定軸のまわりの回転運動 剛体の回転運動の法則が理解できる。
14週 8-3.慣性モーメント 簡単な形状の剛体の慣性モーメントが計算できる。
15週 8-4.剛体の平面運動 平面上を運動する剛体の運動を求められる。
16週 学年末試験 7-1から8-4までの内容について問題が解ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前9
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前2,前9
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前3,前9
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前4,前9
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前3,前9
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前3,前9
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前3,前8,前9,前10
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前3,前8,前9,前10
物体に作用する力を図示することができる。3前7,前9
力の合成と分解をすることができる。3前7,前9
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前7,前9
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前9,前13
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前7,前9
慣性の法則について説明できる。3前6,前16
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前6,前16
運動方程式を用いた計算ができる。3前8,前12,前13,前16
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前8,前10,前11,前12,前13,前16
運動の法則について説明できる。3前6,前16
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前7,前16
最大摩擦力に関する計算ができる。3前12,前16
動摩擦力に関する計算ができる。3前12,前15,前16
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後1,後9
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後2,後9
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後3,後9
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後3,後9
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後4,後9
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前16,後7,後8
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前16,後8
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前16,後8
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前13,前16,後3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前13,前16,後3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5,前14,前16
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3後5,後9
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4,後5,後8,後9
力のモーメントを求めることができる。3後7,後9,後10,後16
角運動量を求めることができる。3後7,後8,後9,後11,後16
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後8,後9,後11,後16
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後12,後16
重心に関する計算ができる。3後10,後13,後16
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後13,後14,後16
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後15,後16

評価割合

試験小テスト(提出物含む)合計
総合評価割合9010100
知識の基本的な理解50555
思考・推論・創造への適応力40545