熱力学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱力学
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 倉林俊雄ほか共著「工業熱力学」(朝倉書店)
担当教員 白岩 寛之

到達目標

1) 熱力学の基本法則を理解し、基礎的な計算ができること。
2) 熱機器の性能に関係する基礎理論を理解できること。
3) 熱機器設計の応用計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目1熱力学の基本法則を十分に理解し、応用問題を解くことができる。熱力学の基本法則を理解し、基礎的な計算ができる。熱力学の基本法則の一部を理解し、平易な基礎問題を解くことができる。
評価項目2熱機器の性能に関係する基礎理論を十分に理解し、説明できる。熱機器の性能に関係する基礎理論を理解できる。熱機器の性能に関係する基礎理論の一部を理解できる。
評価項目3熱機器設計の発展的な応用計算ができる。熱機器設計の応用計算ができる。熱機器設計の応用計算の一部を解くことができる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
熱はエネルギの一種であり、この熱の授受によって引き起こされる物質の諸変化について考察するのが熱力学である。熱エネルギに関係する工学的分野は多く、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービン、冷凍機、ヒートポンプ、火力発電所などがある。これら熱機器の性能を考察するための基礎知識を得るとともに、機器の設計を行うための応用計算力を身につける。
授業の進め方・方法:
微分・積分学を十分に理解しておく必要がある。(指定科目B)
諸計算式を用いた計算方法について、演習問題等を通して理解を深めていくため、予習・復習をしっかりと行うこと。
注意点:
参考資料:小林清志著「工業熱力学」(理工学社)、伊藤猛宏ほか共著「工業熱力学」(コロナ社)
成績の評価方法について:最終評価点は、前期中間試験結果(25%)、前期末試験結果(25%)、後期中間試験結果(25%)、学年末試験結果(25%)により評価する。
評価基準について:学年成績60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.基礎的事項 熱力学で用いられる基本単位および基本用語について理解する。
2週 1.基礎的事項 熱力学で用いられる基本単位および基本用語について理解する。
3週 1.基礎的事項 熱力学で用いられる基本単位および基本用語について理解する。
4週 1.基礎的事項 熱力学で用いられる基本単位および基本用語について理解する。
5週 2.物質の状態変化 純粋物質の状態曲面、状態量と相律、完全ガスの状態方程式について理解する。
6週 2.物質の状態変化 純粋物質の状態曲面、状態量と相律、完全ガスの状態方程式について理解する。
7週 2.物質の状態変化 純粋物質の状態曲面、状態量と相律、完全ガスの状態方程式について理解する。
8週 2.物質の状態変化 純粋物質の状態曲面、状態量と相律、完全ガスの状態方程式について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験 熱力学の第1法則、工業仕事、エンタルピーについて理解する。
10週 3.熱と仕事
3.1 熱力学の第1法則

熱力学の第1法則、工業仕事、エンタルピーについて理解する。
11週 3.熱と仕事
3.1 熱力学の第1法則

熱力学の第1法則、工業仕事、エンタルピーについて理解する。
12週 3.熱と仕事
3.2 ジュールの法則

ジュールの法則、比熱について理解する。
13週 3.熱と仕事
3.2 ジュールの法則
4.完全ガスの状態変化

ジュールの法則、比熱について理解する。
等容変化 等圧変化、等温変化、断熱変化について理解する。
14週 4.完全ガスの状態変化 等容変化 等圧変化、等温変化、断熱変化について理解する。
15週 4.完全ガスの状態変化 等容変化 等圧変化、等温変化、断熱変化について理解する。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 5.完全ガスの状態変化
ポリトロ−プ変化について理解する。
2週 6.サイクル サイクルと熱機関の原理、逆サイクルと冷凍機の原理、カルノーサイクル、逆カルノ-サイクル、熱力学的温度目盛について理解する。
3週 6.サイクル サイクルと熱機関の原理、逆サイクルと冷凍機の原理、カルノーサイクル、逆カルノ-サイクル、熱力学的温度目盛について理解する。
4週 6.サイクル サイクルと熱機関の原理、逆サイクルと冷凍機の原理、カルノーサイクル、逆カルノ-サイクル、熱力学的温度目盛について理解する。
5週 6.サイクル サイクルと熱機関の原理、逆サイクルと冷凍機の原理、カルノーサイクル、逆カルノ-サイクル、熱力学的温度目盛について理解する。
6週 7.熱力学の第2法則 可逆変化と不可逆変化、熱力学の第2法則、不可逆サイクルの熱効率について理解する。
7週 7.熱力学の第2法則 可逆変化と不可逆変化、熱力学の第2法則、不可逆サイクルの熱効率について理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 8.エントロピーの導入 エントロピーの物理的意味について理解する。
10週 8.エントロピーの導入 エントロピーの物理的意味について理解する。
11週 9.エントロピーの計算 温度−エントロピー線図、サイクルとエントロピー、不可逆過程と状態曲線およびエントロピーの増加について理解する。
12週 9.エントロピーの計算 温度−エントロピー線図、サイクルとエントロピー、不可逆過程と状態曲線およびエントロピーの増加について理解する。
13週 9.エントロピーの計算 温度−エントロピー線図、サイクルとエントロピー、不可逆過程と状態曲線およびエントロピーの増加について理解する。
14週 9.エントロピーの計算 温度−エントロピー線図、サイクルとエントロピー、不可逆過程と状態曲線およびエントロピーの増加について理解する。
15週 10.エネルギーの有効性とエクセルギー エクセルギー、アネルギー等について解説する。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4前1,前2,前3,前4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4前1,前2,前3,前4
熱力学の第一法則を説明できる。4前10,前11
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4前10,前11
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4前10,前11
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4前5,前6,前7,前8
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4前12,前13
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4前12,前13
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4前13,前14,前15,後1
熱力学の第二法則を説明できる。4後6,後7
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後2,後3,後4,後5
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後2,後3,後4,後5
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4後11,後12,後13,後14
サイクルをT-s線図で表現できる。4後11,後12,後13,後14
熱の有効エネルギーを説明できる。3後15

評価割合

定期試験合計
総合評価割合100100
知識の基本的な理解6060
思考・推論・創造への適応力4040