機構学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機構学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 森田 均著、機構学(サイエンス社) ISBN4-7819-0380-0、稲田重男ほか4名著、機構学 改訂2版(大学課程)(オーム社)ISBN978-4-274-21971-9
担当教員 河野 良弘

到達目標

1) 機械運動の基礎が理解できること。
2) 摩擦伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算を解くことができること。
3) 歯車装置およびカム装置に関する知識を身に付け、設計計算を解くことができること。
4) リンク装置および巻掛け伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算を解くことができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械運動の基礎を理解し、応用問題を解くことができる。機械運動の基礎を理解し、基礎的な問題を解くことができる。機械運動の基礎を理解し、基礎的な問題を一部解くことができる。
評価項目2摩擦伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができ、応用することができる。 摩擦伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができる。 摩擦伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算を一部することができる。
評価項目3歯車装置およびカム装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができ、応用することができる。歯車装置およびカム装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができる。歯車装置およびカム装置に関する知識を身に付け、設計計算を一部することができる。
評価項目4リンク装置および巻掛け伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができ、応用することができる。リンク装置および巻掛け伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算をすることができる。リンク装置および巻掛け伝動装置に関する知識を身に付け、設計計算を一部することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
様々な自動化機械・ロボットなどは一見複雑な運動を行っているようであるが、この複雑な動作は単純な動きを組合わせた結果生じるものである。機械工学の初学者にとって、機械の運動の基本原理を理解し確実に身に付けることが重要である。本講義を通じて機械を構成する要素の運動原理(機構)に関する基本事項を修得する。
授業の進め方・方法:
数学や物理などの基礎科目を理解していること。事前に教科書 機構学(ISBN4-7819-0380-0)を予習しておくこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.機械運動の基礎
1.1 機械と機構
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明

機構学に関する基礎用語を理解する。
2週 1.2 瞬間中心と三瞬間中心の定理 瞬間中心の意味、三瞬間中心の定理について理解する。
3週 1.3 機構における瞬間中心の求め方 四節回転連鎖機構等の瞬間中心を求める方法を理解する。
4週 1.3 機構における瞬間中心の求め方 四節回転連鎖機構等の瞬間中心を求める方法を理解する。
5週 2.機構における速度
2.1 瞬間中心の利用による速度の求め方

移送法、連接法を用いた速度の求め方を理解する。
6週 2.2 機構における分速度 分解法を用いた速度の求め方を理解する。
7週 2.3 機構における相対速度 写像法を用いた速度の求め方を理解する。
8週 2.3 機構における相対速度 写像法を用いた速度の求め方を理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
3.摩擦伝動装置
3.1 転がり接触
試験問題の解説及びポートフォリオの記入

転がり接触を実現する条件について理解する。
11週 3.1 転がり接触
3.2 だ円車
転がり接触を実現する条件について理解する。
だ円車における転がり接触について理解する。
12週 3.3 摩擦車
3.4 変速摩擦伝動装置
摩擦車の速比について理解する。
変速摩擦伝動装置における速比の求め方を理解する。
13週 3.4 変速摩擦伝動装置
4.1 歯車歯型としての条件
変速摩擦伝動装置における速比の求め方を理解する。
歯車歯形として必要な接触条件について理解する。
14週 4.2 滑り速度 歯車機構における滑り速度の求め方につき理解する。
15週 4.3 歯車に関する用語と記号 歯車に関する用語について理解する。
16週 試験答案の返却及び解説
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
後期
3rdQ
1週 4.4 インボリュート歯車 インボリュート歯、圧力角、法線ピッチを理解する。
2週 4.5 かみ合い率 かみ合い率の定義とその求め方を理解する。
3週 4.6 すべり率 すべり率の定義とその求め方を理解する。
4週 4.7 遊星歯車列 遊星歯車列、差動歯車列について理解する。
5週 4.8 歯車列における回転速度の計算法 様々な歯車列の速比や回転数の求め方を理解する。
6週 5.カム装置
5.1 カムの種類

カムの基本事項、カムの種類について理解する。
7週 5.2 カム線図とカムの輪郭 カム線図の描き方、緩和曲線について理解する。
8週 5.2 カム線図とカムの輪郭 カム線図の描き方、緩和曲線について理解する。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
5.3 板カムの輪郭の描き方
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
基礎曲線からカムの輪郭を作図する方法を理解する。
11週 5.3 板カムの輪郭の描き方 基礎曲線からカムの輪郭を作図する方法を理解する。
12週 5.3 板カムの輪郭の描き方
6.リンク装置
6.1 四節回転連鎖
6.2 スライダクランク連鎖
基礎曲線からカムの輪郭を作図する方法を理解する。

四節回転連鎖における連鎖の置換えを理解する。
スライダクランク連鎖とその応用について理解する。
13週 6.3 平行運動機構
6.4 直線運動機構
7.巻き掛け伝動装置
7.1 平ベルト伝動
平行運動機構など実用的な各種機構を理解する。
直線運動機構など実用的な各種機構を理解する。

平ベルト伝動について理解する。
14週 7.1 平ベルト伝動
7.2 Vベルト伝動
平ベルト伝動について理解する。
Vベルト伝動について理解する。
15週 7.2 Vベルト伝動
7.2 チェーン伝動
Vベルト伝動について理解する。
チェーン伝動について理解する。
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4前12,後1,後4,後5,後7,後13,後14,後15
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。2後1,後9,後12,後13,後14
機械設計標準規格の意義を説明できる。1前12,後8,後13,後14
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4前12,前13
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4前14,前15
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4前12,前13
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4前13
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後1,後2
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後8
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4後10
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後3,後6,後7
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4後4,後5
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前3,前4,前5
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前3,前4,前5
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前3,前4,前5
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3後13
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。2後13
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前1,前6,前7,前10,前11,後2,後10
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前1,後10
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3前2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3前2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3前2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,後3,後13,後14,後15
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前3,前4,前5,後3,後13,後14,後15
動力の意味を理解し、計算できる。1後13
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3後13,後14

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合701515100
知識の基本的な理解700070
思考・推論・創造0151530
汎用的技能0000
態度・志向性0000
総合的な学習経験0000