技術者倫理概論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 技術者倫理概論
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 技術者の倫理入門(丸善) 杉本、高城  、  科学技術者の倫理 その考え方と事例 (丸善) 日本技術士会訳編
担当教員 山路 哲平

到達目標

1)人間として求められる倫理について理解できること。
2)技術者として持つべき倫理とは何かを理解できること。
3)レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を組み立てることができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人間として求められる倫理について理解でき、自分の考えを組み立てることができる。人間として求められる倫理について理解できる。人間として求められる倫理の一部について理解できる。
評価項目2技術者として持つべき倫理とは何かを理解でき、自分の考えを組み立てることができる。技術者として持つべき倫理とは何かを理解できる。技術者として持つべき倫理とは何かを一部理解できる。
評価項目3レポート課題に対して、高度で多面的な考察を組み立てることができる。レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を組み立てることができる。レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を一部組み立てることができる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (b) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者が倫理について学ぶことがなぜ重要なのか、今技術者に求められている倫理とは何なのかを具体的な事例を用いて理解し、自ら考え行動していく素養を身に付ける。
授業の進め方・方法:
ただ講義を聴くだけでなく、自分で調べ、考え、意見を発表し、他人の意見を聞き、自分の考えの足りないところを補い、修正していくこと。
事前に教科書を読んで置くこと。また倫理に関する情報を事前に収集しておくこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業計画の説明
1.人間として求められる倫理
1-1. 倫理とは何か
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明

倫理の定義、倫理と法律との関係
2週 1-2. 自由と平等 自由と平等に関する思想
3週 1-3. 権利と義務 基本的人権と義務、責任
4週 1.技術者として求められる倫理
2-1. 技術者と倫理

なぜ技術者の倫理か
5週 2-2. 組織の中の個人の役割 チャレンジャー号事件
6週 2-3. 組織上の人間関係 業務執行組織、法人、公衆
7週 2-4. 倫理実行の手法 線引き問題、相反問題、スペクトル観、決疑論
8週 レポートの返却及び解説
2-5. 技術者のアイデンティティ
レポートの解説及びポートフォリオの記入
科学技術とは何か、JCO臨界事故
4thQ
9週 2-6. 技術者の資格 プロフェッショナル・エンジニア制度、職業資格
10週 2-7. 事故責任の法の仕組み 注意、過失、欠陥、注意義務、事故責任の法
11週 2-8. コンプライアンスと規制行政 正直性、真実性、信頼性
12週 2-9. 説明責任 説明責任と信頼関係
13週 2-10. 内部告発 内部告発の仕組み、法による救済の方法
14週 2-11. 環境と技術者
2-12. 技術者の財産的権利
環境倫理、持続可能性、予防原則
職務上の発明と権利
15週 試験答案の返却及び解説 問題の解説及びポートフォリオの記入
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4後1,後4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4後1,後6,後13
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4後1,後4,後7,後10,後11
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4後8,後14
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4後9,後10
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4後14
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4後14
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4後14
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4後6
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。4後6,後11
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4後10,後11
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4後5,後8
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4後2,後3
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4後2,後3
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4後2,後3
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4後2,後3
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4後2,後3
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4後2,後3,後12,後13
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。4後5
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。4後5
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。4後10,後11
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。4後10,後11
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4後13
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4後13
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。4後14
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。4後14

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
知識の基本的な5050
思考・推論・創造3030
汎用的技能00
態度・志向性00
総合的な学習経験2020