科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 国語
科目番号 0060 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 授業内容により、その都度プリントを配付する。
担当教員 松﨑 賜

到達目標

1、紀元前のほぼ同時期に現れた叡智を記録した文献を比較・考察し、表現・思想の異同について理解する。また、それらについて自己の考えを論理的に述べる。
2、夏目漱石のさまざまな著作を読解し、近代化・国際化の中で日本人・日本社会の直面した問題について考察し、将来を展望する。また、それらについてまとめ、意見を論理的に述べる。
3、宮沢賢治のさまざまな著作を読解し、2の問題を地域性との関わりという観点から考察する。それをふまえて、日本人・日本社会の将来の在り方について意見を論理的に述べる。




ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人類のさまざまな言語表現・思想を理解し、考察した結果をまとめ論理的に説明できる。 人類のさまざまな言語表現・思想をある程度は理解し、まとめて説明できる。 人類のさまざまな言語表現・思想を少しは理解し、まとめて説明しようと試みることができる。
評価項目2近現代の日本人の生き方・考え方を世界的視野から客観的に把握・評価し、それを論理的に説明できる。 近現代の日本人の生き方・考え方をある程度は客観的に把握・評価し、まとめて説明できる。 近現代の日本人の生き方・考え方を把握・評価しようとし、まとめて説明することを試みることができる。
評価項目3近現代の日本社会における理想と現実との葛藤を見据え、将来の展望を論理的に表現できる。 近現代の日本社会における理想と現実との葛藤をある程度は理解し、将来の展望をまとめて説明できる。 近現代の日本社会における理想と現実との葛藤を理解しようとし、将来を少しは展望することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1、国際的視野をもって考え表現できる能力を拡充するため、翻訳等により世界の諸文献を読解し、それについて考察を加える。
2、日本人および日本社会の日本内外における在るべき将来像を模索するため、日本近代の文献を読解し、それについて考察を加える。
3、上記の目的に対応した自分の意見を論理的に表現できるように、指定された課題に取り組む。


授業の進め方・方法:
1、講義の際には、内容をきちんとメモすること。課題や試験に対応できるよう、著者や授業内容に関連する文献等に目を通し、授業内容の復習に努めること。
2、講義内容の理解に必要なるであろう国際文化の常識や関連語彙をも習得するよう留意すること。なお、発表する機会があれば、論理的な表現を心がけること。
3、学修単位のため、講義の時間以外に課題作文に取り組み、必ず提出すること。なお、課題については、年度当初および課題ごとに内容を説明する。
注意点:
1、課題の達成や試験のため、授業で取り上げた文献以外の関連著作や情報をできるだけ収集すること。
2、課題作文の構想を立てるために見出し・段落ごとの要旨を考え、そのあらましを記述すること。
3、課題の提出期限を守ること。  

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
いわゆる「無知の知」をめぐる論理について
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
プラトンの対話編における思考と、その表現について理解・考察する(1)。
2週 いわゆる「無知の知」をめぐる論理につ
いて
同(2)
インド・中国の思考と、その表現例について理解・考察する(シャカ)(1)。
3週 いわゆる「無知の知」をめぐる論理につ
いて
同(2)
同上(孔子、荘子)(1)
4週 いわゆる「無知の知」をめぐる論理につ
いて
西洋近代の論理について
同(2)
デカルトの方法序説における思考と、その表現について理解・考察する(1)。
5週 西洋近代の論理について 同(2)
6週 西洋近代の論理について 同(3)
デカルトの時代背景・学説の提起した問題など、デカルトへの理解を深める(1)。
7週 西洋近代の論理について 同(2)
8週 西洋近代の論理について ニーチェ、フロイトの思考と、その表現について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
日本人の感性と表現について
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
本居宣長の源氏物語論を読解し、「もののあはれ」について理解・考察する(1)。
11週 日本人の感性と表現 について 同(2)
12週 日本人の感性と表現について 本居宣長と中国思想との関わりについて理解する。
13週 日本人の感性と表現について 朱子語類・日本書紀・中世神道論等を比較し日本的感性の特質を理解する。
14週
15週
16週 前期末試験答案の返却及び解説
後期
3rdQ
1週 日本の近代化における諸問題について
(1)夏目漱石と近代日本ー漱石の著作から読み取れる日本
漱石の作品とその背景について理解する。
2週 (1)夏目漱石と近代日本ー漱石の著作から読み取れる日本 前期作品の中国文学への傾斜について理解する。
3週 (1)夏目漱石と近代日本ー漱石の著作から読み取れる日本 「それから」における漱石の問題意識について理解・考察する。
4週 (1)夏目漱石と近代日本ー漱石の著作から読み取れる日本 後期作品の文章表現・問題意識の展開について理解・考察する。
5週 (2)宮沢賢治の場合 賢治の活動基盤となった教養について理解する。
6週 (2)宮沢賢治の場合 当地で賢治の直面した諸問題について理解・考察する。
7週
8週
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
日本文化・社会の現実と理想、将来像について
試験問題の解説及びポートフォリオの記入 賢治の文学に見られる現実と理想の表現について理解・考察する。
11週 日本文化・社会の現実と理想、将来像について 賢治の他の著作に見られる現実と理想の表現について理解・考察する。
12週 日本文化・社会の現実と理想、将来像について 漱石の評論に見られる理想と現実の表現について理解・考察する。
13週 日本文化・社会の現実と理想、将来像について 漱石の講演に見られる理想と現実の表現について理解・考察する。
14週 日本文化・社会の現実と理想、将来像について
まとめ
漱石の文体の変遷と問題意識の深化について理解・考察する。
言語表現を通じて知り得た日本と世界の諸相についてまとめ、国際化における日本の在り方を展望する。
15週
16週 学年末試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前16,後4,後10,後11,後12,後13
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前16,後4,後10,後11,後12,後13
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後10
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前13,後2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,後1,後5,後10,後12,後14
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前14,前15,後7,後8,後15
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前14,前15,後7,後8,後15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前14,前15,後7,後8,後15
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13,後14,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13,後14,後15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前14,前15,後7,後8,後14,後15
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前14,前15,後7,後8,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力450000045
専門的能力1500002035
分野横断的能力000002020