強度解析学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 強度解析学
科目番号 0063 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材
担当教員 高橋 明宏

到達目標

1)TrescaおよびMisesの降伏条件が理解できること。
2)トラスとラーメンの基本的な相違を解説でき、ラーメン構造に生じる応力解析ができること。
3)有限要素法の全体剛性方程式を導く過程を理解し,導出・展開できること。
4)応力集中現象を理解し、脆性的は材料破壊や強度低下に至るメカニズムを理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
TrescaおよびMisesの降伏条件についての応用問題を解くことができる。TrescaおよびMisesの降伏条件に関する基本問題を解くことができ、それらを理解できる。降伏条件について一部を説明することができる。応力条件に関する理解ができる。
トラスとラーメンについて説明でき、ラーメン構造に生じる応用的な応力解析ができる。トラスとラーメンの基本的な相違を解説でき、ラーメン構造に生じる基本的な応力解析ができ、それらを理解できる。トラスとラーメンの基本的な構造を理解し、それらについて一部説明ができる。
有限要素法の全体剛性方程式を導く過程を理解し、応用的な導出・展開できる。 有限要素法の全体剛性方程式を導く過程を理解し、基本的な導出・展開できる。有限要素法の全体剛性方程式を導く過程について一部を説明できる。
応力集中に関する計算問題を解くことができ、様々な脆性的な材料の破壊機構を理解できる。応力集中現象を理解し、基本的な脆性的な材料の破壊機構を理解できる。応力集中現象を理解し、脆性的な材料の破壊機構を一部理解できる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
機械や構造物の安全設計・保守を行うためには、様々な構造解析、応力集中の概念、そして材料の脆性破壊に関する知識は大変重要である。また、代数方程式への近似(微分方程式の離散化)を中心とした有限要素法の基礎的事項を学ぶ。
授業の進め方・方法:
2年次物理で習った「仕事と力学的エネルギー」、3年次微分積分学の微分方程式の基礎、3年次・4年次で学んだ材料力学全般を十分自己学習し復習しておくこと。通常の授業と異なり、特に自学自習が重要となるので自学自習の成果としてレポート(あるいは自学自習ノート)を提出すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明、応力(平面応力問題と平面ひずみ問題) 二軸応力問題を計算できる。
2週 相当応力(Mises応力とTresca応力) 相当応力について理解でき、計算できる。
3週 骨組構造の概略 各種骨組構造の要素と接合部の種類を理解し説明できる。
4週 トラスとラーメン構造 代表的なトラスとラーメン構造の応力計算ができる。
5週 有限要素法の概略 有限要素法の概要を説明できる。
6週 重ね合わせの原理とマトリックス変位法 有限要素法の計算ができる。
7週 平板内の円孔周辺応力 欠陥を含む平面応力状態を説明できる。
8週 脆性破壊と強度低下メカニズム 各材料の脆性化現象を説明できる。
2ndQ
9週 自己学習 結晶構造と実用材料の物性(等方性と異方性)について調査し説明できる。
10週 自己学習 英文記載の三軸応力問題とMises応力が計算でき、説明できる。
11週 自己学習 複雑な真直はり問題(日本語)と簡単な真直はり問題(英語)を計算でき説明できる。
12週 自己学習 英文記載のラーメンとトラス構造の演習問題を計算できる。
13週 自己学習 内挿関数、簡単なマトリックス計算ができる。
14週 自己学習 有限要素法問題(マトリックス変位法)が計算できる。
15週 自己学習 応力集中に関する演習問題が計算できる。残留応力・熱応力に関する演習問題が計算できる。ステンレス鋼の鋭敏化について調査し説明できる。
16週 ポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4前1,前9,前15
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前4,前12
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前4,前12
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前4,前12
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前4,前12
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前4,前12
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前4,前12
仕事の意味を理解し、計算できる。4前8
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前5,前6
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前6
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。4前8
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前9
応力とひずみを説明できる。4前7
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前7,前13
応力-ひずみ線図を説明できる。4前9
許容応力と安全率を説明できる。4前9
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前1
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前1
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前1
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前11,前14
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前3,前11,前14
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前11,前14
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前3,前11,前14
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前11,前14
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前11,前14
多軸応力の意味を説明できる。4前1,前2,前7,前15
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前1,前2,前15
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前4,前13
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前6,前13
工作溶接法を分類できる。4前8
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前8
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前8
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4前8
焼入れの目的と操作を説明できる。4前8
焼戻しの目的と操作を説明できる。4前8

評価割合

レポートその他合計
総合評価割合6040100
知識の基本的な 理解404080
思考・推論・創造 へ の 適 応 力20020