概要:
電磁気学、量子論の基礎概念を身に付け、専門科目への応用の基礎をつくる。実験により物理現象の理解をさらに深めるとともに、実験ノート提出を通じて実験結果を考察し、文章により表現する力を発展させる。
授業の進め方・方法:
【座学】黒板を用いて学習内容の説明を行う。理解度の確認のため、前後期で2-3回レポートを出す。
【実験】5回の実験を行う。実験結果およびその分析を実験ノートに記述し、毎回提出する。
注意点:
実験準備ノートと実験書を事前に読み、しっかりと理解しておくこと。
実験ノート未提出者の単位取得はできない。また、実験ノート未提出で単位が取得できなかった学生の再試験は実施できない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.電磁気学 第一部 (1) 数学の復習とクーロンの法則 |
物理で必要な数学的概念(関数、微分、積分、スカラーとベクトルの区別)を理解し計算できること。物質の構成、電荷、クーロンの法則とそれを用いた静電気力の計算法について理解する。
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2週 |
(2) 場と近接作用、電場の重ね合わせ |
場という概念について理解すること。電場をベクトルで数学的に表現すること。ベクトル場の重ね合わせについて理解すること。
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3週 |
(3) 法線ベクトルと電場のフラックス |
ベクトルの内積の図的な意味と法線ベクトルの役割を理解し、電場がある面を貫く量を表現するフラックスの物理的意味を理解すること。
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4週 |
(4) ガウスの法則 |
ガウスの法則について理解すること。また、ガウスの法則とクーロンの法則の関係について学ぶこと。
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5週 |
(5) ガウスの法則の応用 |
ガウスの法則の応用例として、無限に長い線電荷や無限に広い面電荷の周囲にできる電場を計算すること。
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6週 |
(6) 電位 |
ポテンシャルエネルギーの概念を復習し、電位について理解すること。
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7週 |
(7) これまでのまとめと演習 |
問題演習を通じてこれまで学んだことを復習すること。
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8週 |
前期中間試験 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
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2ndQ |
9週 |
試験答案の返却及び解説 (8) 電位の復習と導体の性質1 |
電場や電位の計算を利用して導体の性質について理解すること。
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10週 |
(9) 導体の性質2とコンデンサー1 |
電場や電位の計算を利用して導体の性質について理解すること。また、導体の組み合わせとしてのコンデンサー(キャパシター)を物理的に理解して、静電容量を求めること。
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11週 |
(10) コンデンサー2 |
コンデンサーのいくつかの例を学び、コンデンサーの合成静電容量について計算できるようにすること。
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12週 |
2.量子論 (1) 波動関数と確率分布関数1 |
実験事実に基づいてミクロの世界の物理法則について学ぶこと。量子力学における波動関数とは何かを理解すること。
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13週 |
(2) 波動関数と確率分布関数2 |
シュレディンガー方程式が与える波動関数と、電子の位置などを測定した際の確率の関係について理解する。
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14週 |
(3) シュレーディンガー方程式 |
シュレディンガー方程式を解いて電子の取りうるエネルギーの離散化が導出できること。
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15週 |
試験対策 |
これまで学んだ内容について復習し、試験対策問題を解くこと。
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16週 |
前期期末試験 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
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後期 |
3rdQ |
1週 |
応用物理実験のガイダンス |
実験内容の解説を行う。(この回は各教室で授業を行う) 特に量子論である光電効果については詳しく学ぶ。
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2週 |
応用物理実験 (1)~(5) |
(1) ヤング率
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3週 |
応用物理実験 (1)~(5) |
(2) 剛体の運動
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4週 |
応用物理実験 (1)~(5) |
(3) 固体の線膨張率
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5週 |
応用物理実験 (1)~(5) |
(4) ニュートンリング
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6週 |
応用物理実験 (1)~(5) |
(5) 光電効果
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7週 |
応用物理実験の復習と試験対策 |
実験内容のおさらいを行うこと。
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8週 |
後期中間試験 試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
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4thQ |
9週 |
5.電磁気学 第二部 (11) 電流とアンペールの実験 |
電流の正体とアンペールが見出した電流間の力について知ること。
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10週 |
(12) 直線電流が作る磁場と磁場についてのガウスの法則 |
磁場についてのガウスの法則について理解すること。関連して、磁荷が存在しないことについて知る。
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11週 |
(13) ビオ・サヴァールの法則 |
任意の形状の電流がその周囲に作る磁場がどのように計算されるか学ぶこと。
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12週 |
(14) ビオ・サヴァールの法則の応用 |
ビオ・サヴァールの法則の応用として円形電流やソレノイドが作る磁場を計算すること。
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13週 |
(15) アンペールの法則と応用 |
アンペールの法則について学び、太さを考慮した直線電流や同軸ケーブル内外の磁場が計算できること。
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14週 |
(16) ローレンツ力と電磁誘導 |
運動する電荷が磁場から受ける力について学ぶこと。また、電磁誘導を数学的な表現について理解すること。
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15週 |
(17) 試験対策 |
これまでの復習をして演習問題が解けること。
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16週 |
学年末試験 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | 後9 |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 後9 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後7 |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後4,後7 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後5,後7 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後5,後6,後7 |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後7 |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後1,後6,後7 |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |