技術者倫理概論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 技術者倫理概論
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 技術者の倫理入門(丸善) 杉本、高城 ISBN978-4621300169 、  科学技術者の倫理 その考え方と事例 (丸善) 日本技術士会訳編
担当教員 外山 真也

到達目標

1)人間として求められる倫理について理解できること。
2)技術者として持つべき倫理とは何かを理解できること。
3)レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を組み立てることができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人間として求められる倫理について理解でき、自分の考えを組み立てることができる。人間として求められる倫理について理解できる。人間として求められる倫理の一部について理解できる。
評価項目2技術者として持つべき倫理とは何かを理解でき、自分の考えを組み立てることができる。技術者として持つべき倫理とは何かを理解できる。技術者として持つべき倫理とは何かを一部理解できる。
評価項目3レポート課題に対して、高度で多面的な考察を組み立てることができる。レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を組み立てることができる。レポート課題に対して、教科書を参考にしながら、考察を一部組み立てることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者が倫理について学ぶことがなぜ重要なのか、今技術者に求められている倫理とは何なのかを具体的な事例を用いて理解し、自ら考え行動していく素養を身に付ける。
授業の進め方・方法:
ただ講義を聴くだけでなく、自分で調べ、考え、意見を発表し、他人の意見を聞き、自分の考えの足りないところを補い、修正していくこと。
事前に教科書を読んで置くこと。また倫理に関する情報を事前に収集しておくこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.人間として求められる倫理
1-1. 倫理とは何か
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明

倫理の定義、倫理と法律との関係
2週 1-2. 事例研究 技術者の自律  事例による技術者の自律について考える
3週 1-3. 事例研究 ソーラーブラインド 他社との共同研究におけるジレンマについて考える
4週 2.技術者として求められる倫理
2-1. 事例研究 ギルベインコールド

事例による経済性と安全性のトレードオフについて考える
5週 2-2. 組織の中の個人の役割 チャレンジャー号事件
6週 2-3. 組織上の人間関係 業務執行組織、法人、公衆、 六本木回転ドア事件
7週 2-4. 倫理実行の手法 線引き問題、相反問題 事例責任者の代役
8週 2-5. 技術者のアイデンティティ 科学技術とは何か、JCO臨界事故
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
2-6. 事故責任の法の仕組み
レポートの解説及びポートフォリオの記入
注意、過失、欠陥、事故責任の法、JR福知山線脱線事故
11週 2-7. 技術者の資格 プロフェッショナル・エンジニア制度、STAP細胞事件
12週 2-8. コンプライアンスと規制行政 正直性、真実性、信頼性、三菱リコール不正事件
13週 2-9. 説明責任 説明責任と信頼関係 雪印食中毒事件
14週 2-10. 内部告発 内部告発の仕組み、ミートホープ牛肉偽装事件
15週 2-11. 情報化時代の倫理 ネットワーク社会の倫理 Winny事件
16週 レポートの返却及び解説 レポートの解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前3,前12
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前2,前4
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前2,前12
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前10,前11
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3前15
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前15
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前6,前8
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前7,前10
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前10,前11
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前6,前10
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前7,前13
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前13
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前2,前14
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前6,前8
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前5,前11
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3前5,前11

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な303060
思考・推論・創造202040
汎用的技能000
態度・志向性000
総合的な学習経験000