概要:
制御工学は、機械分野に限らず、電気電子、情報、化学から農業、医学、社会システムに至るまで幅広い分野において、そのシステムを制御するために利用されている。すなわち制御工学は、なんらかのシステムを思い通りに制御したい場合には必要不可欠な知識である。本講義では、制御理論の概念と基本的なシステムの特性・解析方法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
4年後期の制御工学で習った伝達関数やブロック線図、応答の導出法、システムの特性指標については、演習問題などを用いて復習し、よく理解しておくこと。また、授業中の例題や教科書の演習問題などを通して、十分自己学習すること。
注意点:
1)電卓を持参すること。
2)本講義の内容は主として数学的であるが、利用される関数や方程式には工学的に重要な意味が含まれている。よって、これらを暗記するのではなく、原理や数式の意味を十分理解するよう努めること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画の説明 1.極と安定性 |
最終値の定理によってシステムの定常値を求められる。 システムの安定性について,その定義を説明できる。 システムの極から安定判別できる。
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2週 |
1.極と安定性 |
極の実部,虚部と過渡特性との関係について説明できる。 ラウスの安定判別法を用いてシステムの安定性が判断できる。
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3週 |
2. 制御系の構成と安定性 |
「コントローラの設計」の概念について説明できる。 制御系の内部安定性について説明できる。
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4週 |
2. 制御系の構成と安定性 |
フィードフォワード制御系の特徴を説明できる。
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5週 |
2. 制御系の構成と安定性 |
フィードバック制御系の特徴を説明できる。
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6週 |
3. PID制御 |
PID制御系の構成とその役割について理解し、設計パラメータの検討ができる。
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7週 |
3. PID制御 |
根軌跡に基づくPID制御系の極と設計パラメータの関係を説明できる。
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8週 |
前期中間試験
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2ndQ |
9週 |
4. 周波数特性の解析 |
周波数特性とは何かを理解し、周波数伝達関数とゲインおよび位相の関係を説明できる。
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10週 |
5. ボード線図の特性と周波数伝達関数 |
周波数特性とボード線図およびベクトル軌跡の関係を説明できる。
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11週 |
5. ボード線図の特性と周波数伝達関数 |
ボード線図の合成によって、伝達関数からボート線図の折れ線近似を描くことができる。
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12週 |
5. ボード線図の特性と周波数伝達関数 |
ボード線図の合成によって、ボート線図から伝達関数を推定できる。
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13週 |
6. ナイキストの安定判別法 |
ナイキストの安定判別法を用いてフィードバック制御系の安定性を判断する方法について説明できる。
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14週 |
6. ナイキストの安定判別法 |
簡略化されたナイキストの安定判別法を用いて簡単なフィードバック制御系の安定性が判断できる。
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15週 |
6. ナイキストの安定判別法 |
安定余裕について説明できる。
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16週 |
試験答案の返却及び解説及びポートフォリオの記入 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 自動制御の定義と種類を説明できる。 | 4 | 前1,前4,前5 |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 4 | 前1,前4,前5,前6,前13 |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前6,前7,前8,前10,前11,前12 |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前6,前7,前8,前10 |
伝達関数を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 4 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前13,前14,前15 |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前14,前15 |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前14,前15 |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 4 | 前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | 前1,前2,前6,前7,前13,前14,前15 |