材料力学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料力学
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 竹園茂男 著 「基礎 材料力学」(朝倉書店)
担当教員 高橋 明宏

到達目標

1)曲がりはりの概要と応力分布について理解できること。
2)曲がりはりの変形について解析できること。
3)TrescaおよびMisesの降伏条件が理解できること。
4)応力集中現象を理解し、脆性的は材料破壊や強度低下に至るメカニズムを理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
評価到達目標項目1曲がりはりの応力分布について理解し、応用問題を解くことができる。曲がりはりの応力分布について基本的な解析ができる。曲がりはりの変形について一部の説明ができる。
評価到達目標項目2曲がりはりの変形解析について理解し、応用問題を解くことができる。曲がりはりの変形について基本的な解析ができる。曲がりはりの応力分布と変形について一部の説明ができる。
評価到達目標項目3TrescaおよびMisesの降伏条件についての応用問題を解くことができる。TrescaおよびMisesの降伏条件に関する基本問題を解くことができ、それらを理解できる。降伏条件について一部を説明することができる。応力条件に関する理解ができる。
評価到達目標項目4応力集中に関する計算問題を解くことができ、様々な脆性的な材料の破壊機構を理解できる。応力集中現象を理解し、基本的な脆性的な材料の破壊機構を理解できる。応力集中現象を理解し、脆性的な材料の破壊機構を一部理解できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次と4年次で学んだ材料力学の基礎的事項を理解の上、曲がりはりの応力分布と変形解析を学ぶ。また材料の弾性破損分野では、機械や構造物の安全設計・保守を行うための様々な構造解析、応力集中の概念、そして材料の脆性破壊に関して学び、理解を深める。この科目は、自動車の車体部品の設計・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、曲がりはり解析、強度設計のための応力解析法および応力集中について講義形式にて授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
4年次で学んだ微分方程式の解法、3・4年次の材料力学の「真直はり」、「曲げ応力」、「弾性たわみ」の各分野を十分自己学習をして復習すること。通常の授業と異なり、特に自学自習が重要となるので、その成果として自学自習ノートを提出すること。
注意点:
材料力学の基礎的事項、微分積分学の基礎的事項を十分復習しておくこと。この科目は「講義」と「自学自習」が連携して行われる。演習問題(定期試験)とレポートの問題文が一部英語である箇所がある。なお、この科目は学修単位の制度を導入している。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明、曲がりはりと真直はりの相違 曲がりはりの定義を学び、真直はりを復習し、曲がりはりに関する概念の特徴を説明できる。
2週 曲がりはりの断面係数 曲がりはりの応力分布が理解でき、断面係数を計算できる。
3週 曲がりはりの曲げ応力 曲がりはりの曲げ応力を計算できる。
4週 曲がりはりのたわみ解析(1) 積分法を用いて曲がりはりの変形を計算できる。
5週 曲がりはりのたわみ解析(2) エネルギー法を用いて曲がりはりの変形を計算ができる。
6週 平面ひずみと平面応力 平面ひずみと平面応力の異なる二軸応力状態を説明できる。
7週 相当応力(Tresca応力とMises応力) Tresca応力とMises応力に関する計算ができる。
8週 応力集中と脆性破損、演習問題、試験問題の解説及びポートフォリオの記入 応力集中と材料の脆化現象が説明できる。1から7週までの範囲に関する演習問題の6割以上を自力で解答できる。
4thQ
9週 自己学習 真直はりの復習と曲がりはりの断面係数に関する計算問題
10週 自己学習 曲がりはりの応力分布解析に関する計算問題
11週 自己学習 エネルギー法を用いたときの曲がりはりの変形解析に関する計算問題
12週 自己学習 円輪の変形に関する計算問題
13週 自己学習 応力変換とMises応力に関する計算問題
14週 自己学習 応力集中に関する計算問題
15週 自己学習 鋼材の脆性現象に関する課題
16週 自己学習、ポートフォリオの記入 各種金属材料の脆性現象に関する課題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4後1
応力とひずみを説明できる。4後1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4後1
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後1,後2,後3,後9
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後2,後3,後10,後13
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後2,後4,後5,後6,後7,後10,後12,後15
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後2,後4,後13
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4後3,後5,後6,後7,後14,後16
多軸応力の意味を説明できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4

評価割合

試験レポートその他合計
総合評価割合503020100
知識の基本的な 理解30302080
思考・推論・創造 へ の 適 応 力200020