科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 国語
科目番号 0019 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高等学校現代文B(第一学習社)、精選古典B(三省堂)、語彙力の養成をめざす常用漢字の標準演習< P14~P114 >(東京書籍)
担当教員 内田 凉子

到達目標

1、論理的文章の読解を通して、要旨や筆者の主張を把握し、それについて自分なりに考察することができる。また、社会生活や仕事で必要となる文章表現や敬語について、その基本的な事柄を理解している。
2、文学的作品の読解を通して、想像力や感性を磨き、心情を豊かにすることができる。
3、国際的視野から日本文化の特色を理解するための教養を身に付け、伝統的な言語文化にも興味・関心を持つことができる。




ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理の展開を十分に理解し、要旨を把握して、それに対する自分の意見を持つことができる。社会生活や仕事で必要な言語表現にかなり習熟している。 読解に必要な知識・語彙力を備え、文意を理解することができる。社会生活や仕事で必要な言語表現の基本を理解している。 読解に必要な知識・語彙力をある程度備え、文意を少しは理解することができる。社会生活や仕事で必要な言語表を少しは理解している。
評価項目2優れた文学表現に気がつくとともに、表現の奥に潜む筆者の意図を考えることができる。古典の面白さと意義を理解し、伝統的な言語文化に興味・関心を持つことができる。 場面や情景を想像し、人物の行動の意味や心情を理解することができる。古典を学ぶための基本事項を理解し、古典に親しむ素地を作ることができる。 場面や情景を少しは想像でき、人物の行動の意味や心情について考えようとすることができる。古典を学ぶための基本事項を少しは理解し、古典に親しむ努力をすることができる。
評価項目3日常生活や仕事で必要なコミュニケーション能力を養成することができる。また、論理的な文章(報告文)を、対象や目的に応じて的確な表現を伴って作成できる。 ある程度コミュニケーション能力を養成することができ、論理的な文章(報告文)を、対象や目的に応じて作成できる。 少しはコミュニケーション能力を養成することができ、論理的な文章(報告文)を、対象や目的に応じて作成しようと試みることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代文については、論理的文章を読解することで思考力を養い、また日本語表現の歴史・多様性という観点から文芸作品を鑑賞・分析し、日本語への認識を新たにする。その中で語彙力を高めていく。また、報告・論文や敬語表現への理解を深める。古典については、名文の魅力を味わうとともに、古典に内包されている叡智に触れ、伝統文化の力を知る。


授業の進め方・方法:
1、講義形式の授業の場合は、板書はきちんとノートにとっておくこと。作文を課すこともあるので、積極的に取り組むこと。                                   2、国語辞典及び資料として『総合国語便覧』を常時使用するので、必ず持参すること。                                                    3、授業では内容に関連するさまざまな話題を提供する。興味・関心のある項目については、必ず情報収集するように心がけること。


注意点:
1、現代文については、当該単元の文章を事前に一読しておくこと。基本語彙についても辞書等で調べておくことが望ましい。                                   2、古典については、繰り返し音読しその特有の口調に習熟するとともに、よく復習に努めること。                                               3、いずれも、当該単元に関連のある事項への知識をできるだけ収集しておくこと。


授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
『詩』「足と心」
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
韻文を読み、語句の広がりや象徴性について理解するとともに、作者の思いについて考える(1)。
2週 『詩』「足と心」
『枕草子』「ありがたきもの」
同(2)。
簡潔な文体で中宮定子の後宮の文化精神を書き留めた本文を味読し、平安文学の一端に触れる(1)。
3週 『枕草子』「ありがたきもの」 同(2)。
4週 「働かないアリに意義がある」 深い学識と広い視野と有する筆者の評論文を読むことを介して、論理的文章に親しむ(1)。
5週 「働かないアリに意義がある」 同(2)
6週 「働かないアリに意義がある」 本文の主題を的確に把握する。
7週 「タオル」 文学的な文章を読んで作中人物の繊細な心理を読み取るとともに、それを介して重松清の文学的世界の一斑に触れる。
8週 「タオル」 同(2)
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
「グローバル化」の中の異文化理解
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
深い学識と広い視野と有する筆者の評論文を読むことを介して、論理的文章に親しむとともに、異文化理解について考える(1)。
11週 「グローバル化」の中の異文化理解 同(2)
12週 「グローバル化」の中の異文化理解
『徒然草』「あだし野の露消ゆる時なく」
同(3)
鎌倉時代に成立した随筆を介して、兼好法師の人生論等を理解するとともに、人の持つ価値観について考察する(1)。
13週 『徒然草』「あだし野の露消ゆる時なく」 同(2)
14週 和歌十六首 奈良時代から鎌倉時代にかけての和歌を鑑賞することで、伝統的な言語文化への興味・関心をもつとともに作者のものの見方や考え方を読みとる(1)。
15週 和歌十六首
読書感想文について
同(2)
近現代の小説について概略を知り、読書感想文提出について確認する。
16週 前期末試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
後期
3rdQ
1週 「おおるり」 文学的な文章を読んで作中人物の繊細な心理を文章に即して読み取るとともに、それを介して三浦哲郎の文学的世界の一斑に触れる(1)。
2週 「おおるり」 同(2)
3週 「句を切る」 深い学識と広い視野と有する筆者の評論文を読むことを介して、論理的文章に親しむとともに、我が国の伝統的な「俳句」文学について知る(1)。
4週 「句を切る」 同(2)
5週 言語活動「情報の探し方」「報告文の書き方」 社会的・実用的な文章を作成する上で基本的な事項を中心に学習する(1)。
6週 言語活動「情報の探し方」「報告文の書き方」 同(2)
自分で決めたテーマについて調べ、分析によって導き出した事実を正確に相手に伝える(1)。
7週 言語活動「情報の探し方」「報告文の書き方」 同(2)
8週 言語活動「情報の探し方」「報告文の書き方」 同(3)
考察とまとめ
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
「未来世代への責任 」
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
経済学者として著名な筆者の説明的文章を読んで、その着眼点に注目し、論理的展開及び内容を理解する(1)。    
11週 「未来世代への責任 」 同(2)
12週 「未来世代への責任 」
「目に見える制度と見えない制度」
同(3)
哲学者である筆者の「制度」に関する評論文を読み、日本の文化や社会について考える(1)。
13週 「目に見える制度と見えない制度」 同(2)
14週 「目に見える制度と見えない制度」
「骰子の七の目」
同(3)
文学的な文章を読んで作中人物の繊細な心理を読み取るとともに、それを介して作品の主題に迫る(1)。
15週 「骰子の七の目」 同(2)
16週 学年末試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2前4,前5,前6,前10,前11,前12,後3,後4,後10,後11,後12,後13,後14
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2前4,前5,前6,前10,前11,前12,後3,後4,後10,後11,後12,後13,後14
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。2前1,前2,前7,前8,後1,後2,後15
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。2前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後10,後11,後12,後13,後14,後15
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。2前4,前5,前6,前10,前11,前12
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2前3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2前4,前5,前6,前10,前12,前13,前14,後3,後4,後10,後11,後12,後13
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2前15,後6,後7,後8
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2前15,後6,後7,後8
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。2前15,後6,後7,後8
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。2前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14,後15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2前15,後6,後7,後8
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2前15,後6,後7,後8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85100005100
基礎的能力4010000555
専門的能力350000035
分野横断的能力100000010