電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「電気回路の基礎」西巻正郎・森武昭・荒井俊彦 著 (森北出版)
担当教員 赤木 洋二

到達目標

(1) 直流回路網において電圧や電流が計算できる。
(2) 正弦波交流波形や交流電圧・電流の瞬時値の式とフェーザ表示の関係が理解できる。
(3) 回路要素の直列回路や並列回路のインピーダンスやアドミタンス、電圧および電流が計算できる。
(4) 交流回路網においてインピーダンスやアドミタンス、電圧、電流、電力が計算できる。
(5) 変圧器結合回路の電圧や電流が計算できる。
(6) 交流ブリッジ回路の平衡条件を計算できる。
(7) 対象三相交流回路の電圧や電流、電力が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目1直流回路網の諸定理を自由に扱い、電圧や電流、電力が計算できる。また、正弦波交流波形や交流電圧・電流の表示法を理解し、回路要素の電圧や電流が計算できる。 直流回路網の電圧や電流を計算できる。また、正弦波交流波形や交流電圧・電流の表示法を理解できる。 簡単な直流回路網の電圧や電流が計算できる。また、正弦波交流波形や交流電圧・電流の瞬時値の式とフェーザ表示の関係が理解できる。
評価項目2 二端子回路の直列接続および並列接続のインピーダンスやアドミタンス、電圧、電流が計算できる。また、電圧と電流の位相差の概念が理解できる。 二端子回路の直列接続および並列接続のインピーダンスやアドミタンス、電圧、電流が計算できる。 回路要素の直列接続および並列接続のインピーダンスやアドミタンス、電圧および電流が計算できる。
評価項目3 交流回路網の諸定理を自由に扱い、インピーダンスやアドミタンス、電圧、電流、電力が計算できる。電磁誘導結合回路の概念を理解し、電圧・電流を計算できる。 交流回路網のインピーダンス、アドミタンス、電圧、電流、電力が計算できる。電磁誘導結合回路の電圧、電流、電力が計算できる。 簡単な交流回路網のインピーダンス、アドミタンス、電圧、電流、電力が計算できる。変圧器結合回路の電圧や電流が計算できる。
評価項目4 様々な交流ブリッジ回路の平衡条件を求めることができる。また、対称および非対称三相交流回路の電圧や電流、電力が計算できる。 交流ブリッジ回路の平衡条件を求めることができる。また、対称三相交流回路のY-Δ変換ができ、電圧や電流、電力が計算できる。 基本的な交流ブリッジ回路の平衡条件を求めることができる。また、対称三相交流回路の電圧や電流、電力が計算できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標・サブ目標との対応 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気関係の工学を学ぶ者にとって、電気回路は最も重要な基礎科目のひとつである。2年間にわたって電気回路を学ぶが、電気回路Ⅰでは、直流回路の基礎理論および単相交流回路と三相交流回路の基礎理論の習得を目標とする。
授業の進め方・方法:
 本講義の内容は交流の基礎と基本的な直流・交流回路の解析を扱っている。、この科目を基礎として電気回路IIや回路網理論、電子回路などの科目を学んでいく。また、実験科目においてもこれらの知識が必要とされる。したがって、本講義の内容をしっかりと理解し、身に付けておく必要がある。交流回路を解析するためには三角関数や複素数の知識が必要となるので、これら数学(基礎数学I、II)の知識を身に付けておく必要がある。
準備学習
 事前に教科書を読み、授業内容を事前にノートにまとめておくこと。
自己学習
 適宜、小テストを行うので、復習をしっかりしておくこと。
 適宜、レポートを課すので、期限厳守の上、提出すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
直流回路の復習
 電流・電圧を理解し、オームの法則を利用し合成抵抗が計算できる。
2週 直流回路網の基本定理  キルヒホッフの法則が説明でき、直流回路の計算ができる。
3週 直流回路網の諸定理  重ねの理やテブナンの定理が説明でき、直流回路の計算ができる。
4週 小テスト
正弦波交流
 6章までの理解度を確認する。
 正弦波交流の特徴が説明でき、周波数や位相などが計算できる。
5週 正弦波交流
正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示
 正弦波交流の平均値と実行値が説明できる。
 正弦波交流のフェーザ表示が説明でき、それらが計算できる。
6週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示
小テスト
 正弦波交流の複素数表示が説明でき、それらが計算できる。
 8、9章の理解度を確認する。
7週 回路の要素の性質  R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係が説明でき、それらを計算できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却及び解説
10週 回路要素の直列接続  R-L、R-C直列接続のインピーダンス、電圧、電流を計算できる。
11週 回路要素の並列接続  R-L、R-C並列接続のアドミタンス、電圧、電流を計算できる。
12週 小テスト  11、12章の理解度を確認する。
13週 二端子回路の直列接続  二端子回路の直列接続におけるインピーダンス、電圧、電流を計算できる。
14週 二端子回路の並列接続  二端子回路の並列接続におけるアドミタンス、電圧、電流を計算できる。
15週 前期末試験
16週 試験答案の返却及び解説
後期
3rdQ
1週 交流電力と力率  交流の電力と力率を計算できる。
2週 交流回路網の解析  キルヒホッフの法則が説明でき、交流回路が計算できる。
3週 交流回路網の諸定理  重ねの理やテブナンの定理が説明でき、交流回路が計算できる。
4週 小テスト  15~17章の理解度を確認する。
5週 電磁誘導結合回路  相互誘導回路の計算ができる。
6週 変圧器結合回路  理想変圧器の計算ができる。
7週 小テスト
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説
10週 ブリッジ回路  交流ブリッジの計算ができる。
11週 対称三相交流回路  対称三相交流回路が計算できる。
12週 小テスト
13週 非対称三相交流回路  非対称三相交流回路が計算できる。
14週 交流回路の周波数特性
出前授業
 交流回路の周波数特性が理解できる。
15週 学年末試験
16週 試験答案の返却及び解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1,前2,前3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。4前3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前2,前3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2前3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前5
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前5,前6
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前7
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4前5,前7,前10,前11
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4前7,前10,前11
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4前10,前11
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4前6,前7,前10,前11
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前10,前11,前13,前14
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3後2
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4後3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4後5
理想変成器を説明できる。4後6
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前7,後1
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3前1,前2

評価割合

定期試験小テストレポートその他合計
総合評価割合7510105100
知識の基本的な理解45105060
思考・推論・創造への適応力3005035
態度・志向性(人間力)00055