電子回路

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子回路
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎電子回路」原田耕介、二宮保、中野忠夫共著(コロナ社)
担当教員 白濵 正尋

到達目標

1)半導体素子の動作原理と電流電圧特性を理解できる。
2)種々の接地方式による増幅回路のバイアス回路計算、小信号交流特性解析ができ及びその増幅回路について理解できる。
3)オペアンプを用いた回路の特性について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体素子(ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ)の動作原理と電流電圧特性を説明できる。半導体素子の一部の動作原理と電流電圧特性を説明できる。半導体素子の一部の動作原理は説明できる。
評価項目2種々の接地方式による増幅回路のバイアス回路計算、小信号交流特性解析,具体的な設計ができ及びその応用について説明できる。種々の接地方式による増幅回路のバイアス回路計算、小信号交流特性解析,具体的な設計ができる。特定の接地方式による増幅回路のバイアス回路が示せて、小信号交流特性解析はできる。
評価項目3オペアンプの構造と特徴について理解でき、その応用回路の諸特性について説明ができる.オペアンプの構造と特徴について理解でき、一部の応用回路の諸特性について説明ができる.オペアンプ応用回路の一部が示せ、その特性の概要について説明ができる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 近年の電子機器の発展は目覚ましく,その重要な役割を担っている電子回路の設計・開発は今後さらに重要性を増すと考えられる.電子回路の基礎として,能動素子の動作原理と諸特性,およびトランジスタを用いた基本増幅回路の動作と諸特性について理解し,修得する.
授業の進め方・方法:
【事前に行う準備学習や自己学習】
準備学習:1)数学(代数学など)、電気回路を十分に理解しておくこと。
     2)当該授業時間で進行する部分の教科書の内容を予習しておくこと。 
 自己学習:1)例題、演習問題を解き、レポートを提出すること。
      2)課題レポートを提出すること。
【履修上の注意】
1)数学(代数学など)、電気回路を十分に理解しておくこと。
2)電卓を持ってくること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明・
(0) SI単位系(0.1)電気回路の復習【課題1】
SI単位系に関する基礎知識を習得する.電気回路に関する基礎知識を復習する.電気回路の重要なことを理解し、演習問題が解ける。
2週 (0.2) 電圧源と電流源【課題2】 電圧源、電流源に関する知識を習得する.
3週 (1) 半導体とダイオード
(1.1) ダイオード特性と等価回路【課題3】
ダイオード特性と等価回路を理解し、演習問題が解ける。
4週 (1.2) 直流等価回路と交流等価回路【課題4】 直流等価回路と交流等価回路をを理解し、演習問題が解ける。
5週 (1.3) 動作点の安定度【課題5】 安定度について理解する。
6週 (1.4) ツェナーダイオード課題6】 定電圧回路について理解する。
7週 演習・小テスト【課題7】 演習を行い、小テストを解く。
8週 (2)トランジスタの基本特性【課題8】 トランジスタに関する基礎知識を習得する.直流バイアス回路を理解する。感度指数が求められる。
2ndQ
9週 中間試験 中間テスト。
10週 ( 3.) hパラメータとトランジスタ増幅器 
(3.1)hパラメータ(ハイブリッドパラメータ)【課題9、10】
h パラメータで表されるトランジスタの等価回路を用いて,増幅回路の計算をする.
11週 (3.2) エミッタ接地増幅器 【課題11】
   (3.2.1) hパラメータの決定
   (3.2.3) 入出力特性
エミッタ接地増幅器を解析でき、利得、入出力抵抗が求められる。
12週 (3.3) ベース接地増幅器【課題12】
ベース接地増幅回路の計算をする.
13週 (3.4) コレクタ接地増幅器【課題13】 コレクタ接地増幅回路の計算をする.
14週 (3.5) 内部帰還増幅器  【課題14】 内部帰還増幅回路の計算をする.
15週 演習、小テスト【課題15】 演習し、小テストを行い理解を深める。
16週 期末試験 期末試験
後期
3rdQ
1週 (4.) 電界効果トランジスタ【課題16】 バイポーラトランジスタを用いた増幅FETの構造と特徴、諸特性について理解する.
2週 (4.1) 接合形FET【課題17】 接合形FETの構造と特徴、諸特性について理解する.
3週 (4.2) MOS FET【課題18】 MOS FETの構造と特徴、諸特性について理解する.
4週 (4.3) FET増幅器の構成
【課題19】
(4.3.1) J-FETにおけるバイアス条件
FETを用いた増幅回路について,バイアス回路の計算をする.
5週 (4.3.2) MOS FETにおけるバイアス条件
【課題20】
FETの等価回路を用いて,増幅回路の計算をする.
6週 (4.4)小信号動作における等価回路
【課題21】
各接地回路増幅器の解析を行う。
7週 (4.5) ソースホロワとソース抵抗【課題22】 各接地回路増幅器の解析を行う。
8週 (5.) 差動増幅器 【演習】【課題23】 差動増幅器の構成と小信号動作について理解する。演習を行う。
4thQ
9週 中間試験 中間試験
10週 (5.続) 差動増幅器 【課題24、25】 差動増幅器の構成と小信号動作について理解する。
11週 (6) 増幅器の周波数特性【課題26】 RC結合増幅回路の結合方式の増幅回路について,特性の計算ができる.
12週 演習、小テスト【課題27】 演習行い、小テストを解く。
13週 (10.)  演算増幅器オペアンプを用いた増幅回路の解析【課題28】 オペアンプの構造と特徴、諸特性について理解する.
14週 演習、小テスト【課題29】 オペアンプを用いた様々な回路について演習、小テストを行う.
15週 演習(続)、小テスト(続)【課題30】 演習、小テストを行う。
16週 学年末試験 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2前2,前7
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2前2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2前2,後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2前2,後1
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2前2,前7,後1
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2前2,後1
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2前2,後1
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2前2,後1
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2前2
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2前2
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。2前2,後11
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。2前2,前7,後11
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。2前2,前3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。2前2,前3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。2前2,前3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。2前2,前3
電磁気静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2後11,後12
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2後11,後12
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前4,前7
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後4
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前7,後5,後6,後7
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前9,前13,後1,後2,後3,後4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前9,前10,前11,前14
演算増幅器の特性を説明できる。2後9,後13,後14
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。2後9,後13,後14
電子工学pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2前4,前7
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。2前6,前9,前10
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2後5,後6,後7
電力半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。2前4,前7
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2前1
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2後14
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3前2
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3前4,前9,前10

評価割合

試験小テストレポート態度その他合計
総合評価割合502020010100
知識の基本的な理解3010100050
思考・推論・創造への適応力2010100040
汎用的技能000000
態度・志向性(人間力)000055
総合的な学習経験と創造的思考力000055