電力輸送工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電力輸送工学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 山口,家村,中村: 送配電の基礎 (森北出版)
担当教員 御園 勝秀

到達目標

1) 配電線路に関連した用語と保護装置を説明できる。
2) 送電線路の線路定数を求めることができ、それを使って送電線路の電気特性を計算できる。
3) 故障時の基本的な計算ができる。
4) 高調波の発生原因と安定度の意味を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)
評価項目1配電線路の用語と保護装置を説明でき、関連する計算問題もできる。配電線路の用語と保護装置を説明できる。配電線路の用語を説明できる。
評価項目2右に加え、電力円線図と調相設備を説明・計算することができる。送電線路の線路定数を求めることができ、それを使って送電線の電気特性を計算することができる。送電線路の線路定数を求めるができる。
評価項目3対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡以外の故障計算もできる。対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡時の故障計算ができる。簡易回路を使って1線地絡時の地絡電流を計算できる。
評価項目4

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
発電所で起こした電力を需要家に安定して届けるためには、送配電の技術が重要である。この科目では、広範囲かつ多岐に渡る電力輸送工学の基礎理論および基礎知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
電力輸送に関連した日常見かける設備は、鉄塔、電柱、電線、家庭の配電盤、コンセント、電力会社からの請求書などであるが、普段から問題意識を持ってみておくこと。授業中は時間の関係で途中の計算過程を省略する場合があるので、必ず自分で計算して確認すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 三相交流(1) ・対称三相交流の基礎的な計算ができる。
2週 1. 三相交流(2) ・べクトルオペレータを使った対称三相交流の計算ができる。
3週 2. 配電方式(1) ・配電線路の電気方式、需要率などについて説明できる。
4週 2. 配電方式(2) ・配電線路の電気方式、需要率などについて計算できる。
5週 3. 配電線路の計算(1) ・配電線路の電圧降下について数値的な計算ができる。
6週 3. 配電線路の計算(2) ・配電線路の力率改善について数値的な計算ができる。
7週 3. 配電線路の計算(3) ・配電線路の電圧降下、力率改善および電力損失について総合的な数値計算ができる。
8週 4. 配電線路の保護装置 ・開閉器、遮断機、避雷器、接地工事などについて説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 5. 送電線路の線路定数(1) ・送電線路の線路定数を計算できる。
11週 5. 送電線路の線路定数(2) ・送電線路の構成と、送電線路を等価回路で表現する方法を説明できる。
12週 6. 送電線路の電気的特性(1) ・送電線路を等価回路に置き換えて解析する方法を説明できる。
13週 6. 送電線路の電気的特性(2) ・短距離~長距離の送電線路の等価回路を説明でき、模擬送電線を構成できる。
14週 6. 送電線路の電気的特性(3) ・送電線路の特性を等価回路に置き換えて計算できる。
15週 6. 送電線路の電気的特性(4) ・送電線路の特性を等価回路に置き換えて計算できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 7. 電力円線図(1) ・定電圧送電方式における電力円線図からわかることを説明できる。
2週 7. 電力円線図(2) ・電力円線図をかくことができ、調相設備について説明できる。
3週 7. 電力円線図(3) ・学生実験の「模擬送電線」の電力円線図をかき、調相設備について考察することができる。
4週 8. 故障計算(1) ・対称座標法の考え方を説明できる。
5週 8. 故障計算(2) ・対称座標法を使い、簡単な非対称三相回路の計算ができる。
6週 8. 故障計算(3) ・対称座標法を用いて無負荷発電機の1線地絡時の故障計算計算ができる。
7週 8. 故障計算(4) ・対称座標法を用いて無負荷発電機の1線地絡以外の故障計算計算ができる。
8週 8. 故障計算(5) ・実送電系統の1線地絡時の電流・電圧を対称座標法を用いて計算できる。
4thQ
9週 8. 故障計算(6) ・実送電系統の様々な地絡・短絡時の電流・電圧を対称座標法を用いて計算できる。
10週 9. 第3高調波および中性点接地(1) ・第3高調波発生の原因と対策を説明できる。
11週 9. 第3高調波および中性点接地(2) ・各種中性点接地方法の特徴を説明できる。
12週 10. 安定度(1) ・送電系統における安定度を説明できる。
13週 10. 安定度(2) ・送電系統における安定度の向上策を説明できる。
14週 11. 直流送電 ・直流送電の特徴を理解し、使用されている場所を説明できる。
15週 学年末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力5010000060
専門的能力3010000040
分野横断的能力0000000