回路網理論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 回路網理論
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平山・大附:「電気回路論 (3版改訂)」(電気学会)
担当教員 御園 勝秀

到達目標

1) 与えられた周波数特性を実現する一端子対回路を構成できる。
2) Fパラメータを用いた二端子対回路の解析ができる。
3) 定Kフィルタの回路構成を説明でき、与えられた周波数特性を有するフィルタ回路を設計できる。
4) 分布定数回路的な取り扱いが必要な場合を理解し、特性インピーダンス・伝搬定数・インピーダンス整合・SWRを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目1複雑な周波数特性有する一端子対回路を構成することができる。標準的な周波数特性有する一端子対回路を構成することができる。簡単な周波数特性を有する一端子対回路を構成することができる。
評価項目2複雑な二端子対回路において、Fパラメータを用いて回路を解析することができる。標準的な二端子対回路において、Fパラメータを用いて回路を解析することができる。簡単な回路のFパラメータを求めることができる。
評価項目3低域通過、高域通過、帯域通過、帯域除去の各周波数特性を有する定Kフィルタを設計することができる。標準的な低域通過と高域通過の各周波数特性を有する定Kフィルタを設計することができる。定Kフィルタの原理と特性を説明できる。
評価項目4損失を有する分布定数回路の基礎方程式を使って回路の特性を解析できる。損失の無い分布定数回路の基礎方程式を使って回路の特性を解析できる。分布定数回路が必要になる場面を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
回路網の構成素子が時間的に変化せず、かつ内部に電源を含まない受動線形回路網(R,L,Cだけから成る回路網)の解析方法を習得する。特に入力端子と出力端子の電流・電圧に着目し、回路網の詳細を無視して等価な回路に置き換えて解析する方法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
・電卓を持参すること。授業中は時間の関係で途中の計算過程を省略する場合があるので、必ず自分で計算して確認すること。
・電気回路Ⅰ、Ⅱを復習し、十分に理解しておくこと。複素数の計算が、筆算でも電卓でも正しくできること。
・授業だけでは演習が不足するので、「参考書」及びレポート課題などで具体的な問題の解き方を練習すること。
・課題を適宜与えるので、レポートにまとめて期日までに提出すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.1 リアクタンス一端子対回路(1) 簡単なリアクタンス回路の周波数特性の式とグラフをかける
2週 1.1 リアクタンス一端子対回路(2) リアクタンス関数の考え方がわかる
3週 1.1 リアクタンス一端子対回路(3) リアクタンス関数から一端子対回路を構成する手順がわかる
4週 1.1 リアクタンス一端子対回路(1) 与えられた周波数特性のリアクタンス一端子対回路を構成できる
5週 1.2 R-L一端子対回路(1) R-L一端子対回路の考え方がわかる
6週 1.2 R-L一端子対回路(2) R-C一端子対回路の考え方がわかる
7週 1.3 R-C一端子対回路(1) R-L及びR-C一端子対回路を構成できる
8週 1.4 総合演習 L-C、R-C、R-L一端子対回路を構成できる
2ndQ
9週 2.1 Z、Yパラメータ(1) Z、Yパラメータを説明できる
10週 2.1 Z、Yパラメータ(2) 簡単な回路のZ、Yパラメータを計算できる
11週 2.2 H、Gパラメータ H、Gパラメータを説明でき、簡単な回路のH、Gパラメータを計算できる
12週 2.3 Fパラメータ(1) Fパラメータを説明でき、簡単な回路のFパラメータを計算できる
13週 2.3 Fパラメータ(2) 回路が与えられた時、Fパラメータを計算できる
14週 2.3 Fパラメータ(3) Fパラメータが与えられた時、回路網の特性を計算できる
15週 2.4 総合演習 二端子対回路の総合演習を通し、各種パラメータを求め、回路を解析できる
16週
後期
3rdQ
1週 3.1 影像パラメータ 影像パラメータの意味を説明できる
2週 3.2 反復パラメータ 反復パラメータの意味がわかり、簡単な回路の反復パラメータを計算できる
3週 3.3 二等分定理 二等分定理の意味を理解し、二等分定理を使って対称な回路を対称格子形回路に変換できる
4週 3.4 定Kフィルタ(1) フィルターの原理とフィルターが必要になる場面を説明できる
5週 3.4 定Kフィルタ(2) 定Kフィルタの影像パラメータと通過域・減衰域の関係がわかる
6週 3.4 定Kフィルタ(3) 低域通過フィルターの原理を説明でき、低域通過フィルタを設計できる
7週 3.4 定Kフィルタ(4) 高域通過フィルタの原理を説明でき、高域通過フィルタを設計できる
8週 3.4 定Kフィルタ演習 総合演習を通して与えられた周波数特性を持つ定Kフィルタを設計できる
4thQ
9週 4.1 分布定数回路の基礎方程式(1) 分布定数回路が必要な場合を説明できる
10週 4.1 分布定数回路の基礎方程式(2) 分布定数回路の基礎方程式が説明できる
11週 4.2 特性インピーダンスと伝搬定数 特性インピーダンスと伝搬定数の意味を説明できる
12週 4.3 境界条件による電圧電流分布(1) 基礎方程式を使って簡単な分布定数回路の計算ができる
13週 4.3 境界条件による電圧電流分布(2) 基礎方程式を使って少し複雑な分布定数回路の計算ができる
14週 4.4 インピーダンス整合 インピーダンス整合が必要な理由を説明でき、簡単な計算ができる
15週 4.5 SWR SWRの意味を説明でき、簡単な計算ができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前15
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前13,前14,前15
理想変成器を説明できる。4前13,前14,前15
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前15

評価割合

定期試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
知識の基本的な理解4020000060
"思考・推論・創造への適応力3010000040
総合的な学習経験と創造的思考力0000000