電子回路

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電子回路の基礎マスター」 船倉 一郎 著,堀 桂太郎 監修 (電気書院) * 3年時に使用した教科書を使用する
担当教員 田中 寿

到達目標

1)負帰還増幅回路の特徴を理解し,諸特性の計算ができる。
2)各種発振回路の動作原理を理解し,発振周波数の計算ができる。
3)オペアンプを用いた各種演算回路について,動作の説明ができ,特性を計算できる。
4)電源回路の構成とその動作について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目1負帰還増幅回路の特徴を理解し,信号や負荷に応じた適切な回路の接続が説明でき,諸特性について計算ができる。負帰還増幅回路の特徴を説明でき,提示される回路の諸特性について,計算ができる。負帰還増幅回路の信号の流れは説明できるが,諸特性の計算ができない。
評価項目2各種発振回路の動作原理を理解し,発振周波数の計算および発振回路の設計ができる。発振回路の動作原理を説明でき,提示された回路の発振周波数を計算することができる。発振回路の動作原理を一部説明できるが,発振周波数の計算ができない。
評価項目3オペアンプの特徴を理解し,各種演算回路の設計ができる。オペアンプの特徴を説明でき,提示された演算回路の計算ができる。オペアンプの特徴は一部説明できるが,演算回路の計算ができない。
評価項目4電源回路の構成について,用いられる各回路の動作原理を理解し,諸特性の計算ができる。電源回路の構成について説明ができ,諸特性の計算ができる。電源回路の構成について一部説明できるが,諸特性の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
半導体素子(ダイオード,バイポーラトランジスタ,FET,オペアンプ)を用いて構成される各種回路の動作原理について理解し,回路の解析手法を習得することにより,諸特性の計算ができることを目的とする。
授業の進め方・方法:
3年で学習した電子回路の内容を基礎としているので,十分に復習をすること。
適宜関連する課題レポートを課すので,提出期限日までに提出すること。
準備学習:授業内容について,事前に教科書を読み,関連する数学,電気回路,電子回路を復習しておくこと。
自己学習:授業内容に関連する演習問題を解くことにより,理解に努めること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期授業計画の説明、授業内容(3年)の復習 3年で学習した半導体素子の動作について、簡単な問題が解ける。
2週 RC結合増幅回路(1) トランジスタの周波数特性について、容量の影響がある場合とない場合の特性の違いが分かる。
3週 RC結合増幅回路(2) 低域周波数領域におけるRC結合増幅回路の特性が分かる。
4週 RC結合増幅回路(3) 高域周波数領域におけるRC結合増幅回路の特性が分かる。
5週 その他の結合増幅回路 トランス結合回路、直接結合回路の特徴が分かる。
6週 負帰還増幅回路(1) 負帰還回路の特徴を理解する。
7週 負帰還増幅回路(2) トランジスタを用いた増幅回路の負帰還回路の計算ができる。
8週 負帰還増幅回路(3) FETを用いた増幅回路の負帰還回路の計算ができる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験返却・解説、2段RC結合負帰還増幅回路 2段RC結合負帰還増幅回路の計算ができる。
11週 電力増幅回路(1) 電力増幅回路の種類と特徴を理解する。
12週 電力増幅回路(2) A級・B級電力増幅回路の電力効率が計算できる。
13週 電力増幅回路(3) SEPP電力増幅回路について、その動作を知る。
14週 高周波増幅回路(1) LC共振回路の計算ができる。
15週 高周波増幅回路(2) 同調増幅回路の特徴を知る。
16週 試験返却・解説
後期
3rdQ
1週 後期授業計画の説明、発振回路の原理 正帰還増幅回路の動作から発振の原理について理解する。
2週 LC発振回路 LC発振回路について、発振周波数の計算ができる。
3週 RC発振回路(1) RC移相発振回路について、発振周波数の計算ができる。
4週 RC発振回路(2) ウィーンブリッジ発振回路の計算ができる。
5週 水晶発振回路・マルチバイブレータの原理 水晶振動子の等価モデルの特性について、直並列共振周波数からリアクタンス特性が求められる。
6週 マルチバイブレータの動作(1) 非安定型マルチバイブレータについて、動作原理を知り、発振周波数の計算ができる。
7週 マルチバイブレータの動作(2) 単安定型・双安定型マルチバイブレータについて、動作原理を知る。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解説、オペアンプの概要 オペアンプの特徴について理解する。
10週 オペアンプを用いた増幅回路 オペアンプを用いた反転増幅回路、非反転増幅回路の電圧増幅度の計算ができる。
11週 オペアンプの特性 差動増幅回路の特性、CMRR、スルーレート等の諸特性について理解する。
12週 オペアンプを用いた演算回路(1) オペアンプを用いた加減算回路、微積分回路について、出力電圧の計算ができる。
13週 オペアンプを用いた演算回路(2) オペアンプを用いたパルス発生回路について、動作原理を理解し、周期の計算ができる。
14週 電源回路(1) 電源回路によって安定した直流が得られる原理を知る。変圧回路、整流回路に関する計算ができる。
15週 電源回路(2) 平滑回路、安定化回路の動作について知る。
16週 試験返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3前1
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3後4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前1
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前1
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3前1
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後5
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前1
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前1,前7
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前1,前8
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4前2,前3,前4,前5
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前2
演算増幅器の特性を説明できる。4後9,後11
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。4後10,後12,後13

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解651580
思考・推論・創造への適応力15520