半導体工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 半導体工学
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 清水博文ほか共著、実用理工学入門講座「基礎からの半導体工学」(日新出版)
担当教員 白濵 正尋

到達目標

1)エネルギー帯図が理解できる。
2)半導体デバイスの基本式3式を理解できる。
3)pn接合・バイポーラトランジスタ(tr.)・電界効果トランジスタ(FET)の構造および動作原理を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属、半導体、絶縁体の特徴をエネルギー帯図で説明できる。また、真性半導体、不純物半導体をエネルギー帯図で説明でき、キャリア濃度を計算でき、電気伝導現象を説明できる真性半導体、不純物半導体をエネルギー帯図で説明でき、キャリア濃度を計算できる。真性半導体のエネルギー帯図を説明できる。
評価項目2半導体デバイスの基本式3式を導出でき、説明できる。電流密度の式、連続の式を用いて問題を解くことができる。半導体デバイスの基本式3式を詳しく説明できる。半導体デバイスの基本式3式の概要を説明できる。
評価項目3pn接合・バイポーラTr・FETの構造を示し、その動作原理をエネルギー帯図で説明できる。また諸特性も説明でき、半導体デバイスの基本式から電圧電流特性を導出することができる。pn接合・バイポーラTr・FETの構造および動作原理を説明できる。pn接合の構造および動作原理の概要が説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 半導体においては,原子,固体中の電子のエネルギー状態,電気伝導,その他の諸現象についの理解が重要である.ここで,半導体デバイスは,pn接合,バイポーラトランジスタ(Tr.),MOS電界効果トランジスタ(MOS-FET)を用いる.そして,これらの構造および動作原理,これらに関する高度の内容を理解するうえで基礎となる考え方,手法を身につける.
授業の進め方・方法:
1)数学(微積分,代数学など)を十分に理解しておくこと.
2)電卓を持ってくること.
準備学習:1)数学(微積分、代数学など)、物理(力学)、電気磁気学を十分に理解しておくこと。
       2)当該授業時間で進行する部分の教科書の内容を予習しておくこと。 
自己学習:1)例題、演習問題を解き、レポートを提出すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明・
SI単位、半導体結晶
SI単位を理解する。
ミラー指数を理解する。
2週 半導体結晶(続き)
半導体の概要を理解する。
半導体の概要を理解する。
3週 シリコン結晶 結晶構造を理解する。
4週 導電率制御(演習問題) 演習問題を解く。
5週 エネルギー帯図
エネルギー準位
エネルギ帯図が描ける。
6週 エネルギー帯の形成
半導体のキャリア
真性半導体のキャリア濃度が求められる。
7週 フェルミ準位
キャリア密度とフェルミ準位
(演習問題)
エネルギ帯図が描ける。
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週
半導体の電気伝導・
半導体デバイスの基本式について理解する。
ドリフト電流、拡散電流の式を理解する。
半導体の重要な3式を理解する。
10週 電流密度の式、キャリア連続の式、ポアソンの式を理解する。 半導体の重要な3式を理解する。
11週 復習、演習、小テスト 復習、演習、小テスト
12週 pn接合の電圧-電流特性について理解する。 pn接合の電圧-電流特性が求められる。
13週 降伏現象について概要を理解する。 降伏現象が理解できる。
14週 接合容量、少数キャリア蓄積効果について概要を理解する。復習、演習、小テスト 復習、演習、小テスト
15週 前期末試験 前期末試験
16週
後期
3rdQ
1週 金属と半導体の接触 金属と半導体の接触後のエネルギー帯図が描ける。
2週 金属と半導体の接触(続き)・CーV特性について理解する。 C-V特性が求められる。
3週 バイポーラトランジスタ・
構造、動作原理、電流増幅率について概要を理解する。
バイポーラトランジスタ・
構造、動作原理、電流増幅率について概要を理解する。
4週 構造、動作原理について理解する。 構造、動作原理について理解する。
5週 pnpの場合・電流増幅率について理解する。 pnpの場合・電流増幅率が求められる。
6週 npnの場合・電流増幅率について理解する。 npn場合・電流増幅率が求められる。
7週 ベース領域の少数キャリア分布について理解する。 復習、演習、小テスト
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 電界効果トランジスタ・
構造、動作原理ついて理解する。
電界効果トランジスタ・
構造、動作原理ついて理解する。
10週 理想MOSダイオード・
p-Siの場合のエネルギー帯図、電荷分布、表面電位について理解する。
エネルギー帯図が描ける。
11週 n-Siの場合のエネルギー帯図、電荷分布、表面電位について理解する。 エネルギー帯図が描ける。
12週 MOS-FET・
構造、動作原理、電圧電流特性について理解する。
MOS-FET・
構造、動作原理、電圧電流特性について理解する。
13週 集積回路・集積回路について理解する。 集積回路・集積回路について理解する。
14週 太陽電池・太陽電池の構造、動作原理、特性について理解する。復習、演習、小テスト。 太陽電池・太陽電池の構造、動作原理、特性について理解する。復習、演習、小テスト
15週 学年末試験 学年末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2前12,後2
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2前12,後2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2前12,後2
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2前12,後2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2前12,後12
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前12,前13,前14,後1,後2,後13
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後13
FETの特徴と等価回路を説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2前4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3前1,前4
原子の構造を説明できる。3前5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前1,前3,前5,前6
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前6,前7
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前5,前7
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前12,前13,後7
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後9,後10,後11
電力半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。2後14
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前1
情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3前2,後13

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合502525100
知識の基本的な理解30151560
思考・推論・創造への適応力20101040