計算機工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 計算機工学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新版 電子計算機工学」 中川裕志著 朝倉書店
担当教員 小森 雅和

到達目標

1) 計算機の内部構造の概要を理解する。
2) CPUの設計手法の基礎を身につける。
3) データの内部表現とその演算についての概要を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計算機の内部構造の概要について参考資料を基に説明できる計算機の内部構造の概要を理解している計算機の内部構造の概要の一部をを理解している
評価項目2簡単なCPUの仕様に従ってCPUの設計ができるCPUの設計手法の基礎が身についているRTLとはどんなものかを知っている
評価項目3データの内部表現とその演算について、演算時間及び誤差についての概要を理解しているデータの内部表現とその演算についての概要を理解しているデータの内部表現について理解している

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子計算機は大規模なディジタル回路によって構成され、広く一般に使われ、その応用範囲は多岐にわたっている。本講義では、電子計算機の中心部といえるCPUのアーキテクチャの基礎、及び論理設計手法、電子計算機におけるデータ表現や入出力などについて講義する。
授業の進め方・方法:
計算機がどのように構成され、どのように動作しているかを理解するために、まずどのようにデータが表現されそれを扱うかの構成の概略について理解し、各機能が論理回路によってどのように構成されるのかについて解説する。次に高速化の手法や大規模なシステムがどのように構成されているのかについて解説する。
注意点:
電子計算機は、ディジタル回路によって構成されるので、論理回路をしっかり理解していることが望まれる。また、電子計算機のアーキテクチャ、命令形式などと直接的なつながりがあるプログラミング言語であるアセンブリ言語についてもしっかり理解していることが望まれる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明、計算機の基本構成と動作1 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の理解、計算機の基本構成の概要理解
2週 計算機の基本構成と動作2、情報の表現と符号1 計算機の動作の概略の理解、補数表現の理解
3週 情報の表現と符号2 数値の表現、符号表現の理解
4週 記憶の論理的構造1 記憶の単位、データ形式、アドレス方式の理解
5週 記憶の論理的構造2、組み合わせ回路1 スタック、機能回路の理解
6週 組み合わせ回路2 加算回路の理解
7週 順序回路 カウンタ、レジスタの理解
8週 論理回路解析 ゲート遅延とハザード、ファンイン・ファンアウトの理解
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説、演算装置1 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、直列型ALUの理解
11週 演算装置2 並列型ALU、乗算アルゴリズムの理解
12週 演算装置3 乗算回路の理解
13週 演算装置4 除算アルゴリズムと除算回路
14週 中央処理装置1 CPUの構造と動作の理解
15週 中央処理装置2 命令の種類と動作
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 試験答案の返却及び解説、中央処理装置1 設計手法の理解
2週 中央処理装置2 設計手法の理解
3週 中央処理装置3 設計手法の理解
4週 中央処理装置4、計算機アーキテクチャの展開1 設計手法、マイクロプログラム制御の理解
5週 計算機アーキテクチャの展開2 命令パイプラインの理解
6週 主記憶装置1 主記憶装置の構成、記憶素子の理解
7週 主記憶装置2、入出力1 インタリーブ、入出力インタフェースの理解
8週 入出力2 入出力インタフェースの理解
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説、入出力3 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、並列入出力の理解
11週 入出力4 バス型インタフェース、直列入出力の理解
12週 チャネル1 チャネル制御方式、チャネルの構造の理解
13週 チャネル2、 割込み処理1 チャネルの動作、割込み処理の理解
14週 割込み処理2、記憶の階層構成1 割り込み処理ハードウェアの例、記憶の階層化の理解
15週 記憶の階層構成2 キャッシュ記憶の理解
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3前2
情報系分野計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前2
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3前5
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3前5
組合せ論理回路を設計することができる。3前5,前6
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3前7
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3前7
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3前7
順序回路を設計することができる。3前7
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2前1,前2,後15
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5,後13,後14
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後6,後7,後14,後15
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2後4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。2後1,後2,後3
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2前3
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。2前3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000001060
専門的能力3000001040
分野横断的能力0000000