電気情報工学実験

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気情報工学実験
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 電気情報工学科作製指導書
担当教員 永野 孝,白濵 正尋,小森 雅和

到達目標

1)実験テーマの目的,原理,測定方法を理解し,測定器を適切に選択してグループで測定を実施できる.
2)各種素子,電気回路,電気機器、情報工学、論理回路、電子回路などの測定方法を習得するとともに,その測定回路を構成できる.
3) 実験結果および結果に対する考察を報告書にまとめ,決められた期日までに提出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1目的,原理,測定方法を的確 に理解し,グループのリーダーとして実験中の状況を認識し、実験を最後まで遂行でる.目的,原理,測定方法をほぼ理解し,グループの一員として共に協力して実験を遂行できる.目的,原理,測定方法を部分的に理解し,グループの一員として実験できる.
評価項目2テキストの内容と実験結果を十 分理解し,テキストにない測定 方法、測定誤差原因も自ら考え実施できる.テキストに沿って,各種素子,電気回路,電気機器、論理回路、情報工学、電子回路などの測定を的確に実施することができる.テキストに沿って,各種素子,電気回路,電気機器、論理回路、電子回路などの測定を実施することができる.
評価項目3実験結果に対して的確な考察 ができ,自分なりの言葉を使い、正しい日本語を用いて、報告書をきれいにまとめ,期日までに提出できる.実験結果を表や図に表して,考察とともに報告書を作成し,期日までに提出することができる.報告書を作成し,期日までに提出することができる.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
1)授業で学ぶ電気機器、情報処理、電子回路の理論を実証して、その真意を理解する。
2)実験用装置、計測器の理解とその取り扱い方法、実験回路構成、実験の進め方、実験データ処理、報告書のまとめ方を習得する。
3)数量的な概念を得、直感的な観察力を養う。
4)科学的、技術的な思考力と創造性を養う。
5)実験で得たことから実際に応用する技術を習得する。
授業の進め方・方法:
1)報告書の提出期日を必ず守ること。
2)実験に必要なグラフ用紙,電卓等を忘れないこと。
3)実験時の注意事項を守り,事故を起こさないように落ち着いて実験すること.
4)実験中に測定結果を図にしながら,結果について考察すること.
準備学習:1)実験指導書を十分読んで理解しておくこと。
     2)実験の目的および原理,実験方法を理解してから実験に臨むこと.
自己学習:1)実験テーマの目的および原理,実験方法を復習すること。2)結果を検討し、考察をまとめること。
指定科目 A
注意点:
指定科目 A

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明・
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明をする。
実験説明・
各実験テーマについて説明する。
実験の概要を理解する。
2週 電気機器・
1 三相誘導電動機の特性試験
三相誘導電動機の固定子抵抗の測定、無負荷試験および短絡試験を行い、三相誘導電動機の等価回路ついて理解する。
3週 2 自動計測による三相誘導電動機特性試験 三相誘導電動機の円線図を作成し、三相誘導電動機の特性について理解する。
4週 3 三相誘導電動機の特性計算 三相誘導電動機の等価回路を基にして、速度特性を理解する。
5週 4 誘導電動機の電圧及び周波数制御 電源の電圧及び周波数を変化することによって、三相誘導電動機の速度を制御する方法を習得する。
6週 情報処理・
5 論理回路に関する実験Ⅰ
論理ICの74シリーズを使ってカウンタの作成を行い、論理回路の理解を深める。
7週 6 マイコン(MP-85)の操作と機械語によるプログラミング マイコン(MP-85, CPU:i8085A)の操作を理解すると共にプログラムを機械語で作成し、機械語によるプログラミングを習得する。
8週 7 VerilogHDLによる論理回路シミュレーション 論理回路の設計の際に用いられるHDL(Hardware Description Language)言語のうちの一つであるVerilogHDLで基礎的な論理回路を記述し、シミュレーションで検証すると共にVerilogHDL言語の基本を理解する。
2ndQ
9週 8 ロジックアナライザーによる波形解析 パソコンによるロジアナの使用方法について習得し、ワンボードマイコンの動作波形から機械語プログラムの逆アセンブルを行うことによりCPUの動作を理解する。
10週 電子回路・
9 トランジスタの4端子定数
トランジスタ(Transistor,Tr)のhパラメータを測定し、その物理的意義を理解する。
11週 10 増幅器の基本特性 増幅器の特性の測定方法を学び、トランジスタ増幅器(エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地)の特徴を知る。
12週 11 アナログ集積回路の基礎特性 アナログ集積回路の中で最も基本的なICである演算増幅器(Operational Amplifier,OP.Amp.,略称、オペアンプ)の基礎特性を理解する。
13週 12 正弦波発振器 正弦波発振回路の発振原理と帰還系の考え方を理解する。
14週 まとめ・
各実験テーマの報告書を仕上げる。
レポートをまとめる。
15週 まとめ・
各実験テーマの報告書を仕上げる。
レポートをまとめる。
16週
後期
3rdQ
1週 実験説明・
各実験テーマについて説明する。
実験の概要を理解する。
2週 電気機器・
1 自動計測による同期機特性試験
パソコンの自動計測による三相同期発電機の無負荷飽和特性・負荷特性試験を習得し理解する。
3週 2 サイリスタによる位相制御 シリコン制御整流素子の動作、波形と実効値電圧との関係、制御角と波形との関係を理解する。
4週 3 無整流子電動機の特性試験 無整流子電動機について、その動作の概要を理解する。
5週 4 三相同期電動機の特性試験 三相同期電動機について、界磁電流に対する電機子電流のおよび力率の特性を理解する。
6週 情報処理・
5 論理回路に関する実験Ⅱ
組み合わせ回路、順序回路の基本的な応用回路を作成する能力を養う。
7週 6 MP-85の応用プログラム 1ボードマイコンMP-85の本体とそのインタフェースの回路の理解と各I/Oの動作を行う応用プログラムを習得する。
8週 7 MP-85を用いたセンサ関係の実験 MP-85を用いて室内の温度を測定する。また、自動演奏のプログラムを実行し、そのプログラムを解析する。
4thQ
9週 8 VerilogHDLとCPLDを用いた論理回路の設計 VerilogHDLによる順序回路の作成と階層設計の概念を習得し、VerilogHDLとCPLDによるディジタル回路の構成について学ぶ。
10週 電子回路・
9 アクティブフィルタ回路の特性解析と実験~シミュレーションによる交流動作解析~
演算増幅器を利用したアクティブフィルタ回路の数値シミュレーションと実験を行い、シミュレーションの意義を理解するとともに回路系の交流動作についての理解も深める。
11週 9 アクティブフィルタ回路の特性解析と実験~シミュレーションによる交流動作解析~(続き) 2週続き
12週 10 V-F-V変換器を用いたアナログ信号伝送回路の製作  V-F変換器(Converter,コンバータ)とF-V変換器をモデルにして、電子回路の設計・製作技術およびアナログ信号の伝送技術を修得する。
13週 10 V-F-V変換器を用いたアナログ信号伝送回路の製作 (続き) 2週続き
14週 まとめ・
各実験テーマの報告書を仕上げる。
レポートをまとめる。
15週 まとめ・
各実験テーマの報告書を仕上げる。
レポートをまとめる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前6,前9,前10,前11,前12,前13,後7,後8,後10,後11,後12,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前10,前11,前12,前13,後10,後11,後12,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前10
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前11,前12
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前6,前13,後6,後10,後11,後12,後13
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1,後1
直流回路論における諸定理について実験を通して理解する。3前12
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。3前13,後10,後11
過渡現象について実験を通して理解する。3後10,後11,後12,後13
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。3前10,前11,前12,前13
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前10,前11,前12,前13,後10,後11,後12,後13
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3前7,前8,後7,後8,後9
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前8,後9
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3前8,後9
与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。3前9
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3前6,前8,後6,後9

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00700030100
知識の基本的な理解002000020
思考・推論・創造への適応力002000020
汎用的技能002000020
態度・志向性(人間力)000003030
総合的な学習経験と創造的思考力001000010